Steamで話題の海賊オープンワールド『Windrose / ウィンドローズ』は「サバイバルクラフトの美味しいとこ濃縮」、どっぷり冒険サバクラだった。船旅と手強い戦闘の連続、ワクワクが途切れない
海賊オープンワールドサバイバルクラフト『Windrose / ウィンドローズ』を先行プレイ。

Pocketpair Publishingは、Windrose Crewが手がける海賊サバイバルクラフト『Windrose / ウィンドローズ』を4月14日に早期アクセス配信する。今回配信に先駆けて、先行プレイの機会をいただいたため、本稿ではその内容をお伝えしていこう。
『Windrose』は、海賊をテーマとしたオープンワールドサバイバルクラフトゲームだ。舞台となるのは1700年代のカリブ海。海賊団の船長であるプレイヤーは、史実上の海賊「エドワード・ティーチ(黒髭)」の襲撃により命を落としてしまう。しかし、何故か無人島で目覚めたプレイヤーは、体に起こった異変の解明と復讐を果たすために、身一つで海賊として再起していく。Steamで2月に配信されたデモ版が好評を博し、ウィッシュリストは150万件を超えるほど注目を集めているゲームだ(関連記事)。
筆者にとって海賊といえば、すぐさま映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」が思い浮かぶ。 荒れ狂う海、未知の島の冒険、財宝を巡る争い、大迫力の海戦と船上での乱戦。ロマンと危険が隣り合わせの世界は憧れを抱くほど魅力的で、続編まで含めて夢中になって観た記憶がある。
『Windrose』は、まさにそんな海賊を体験させてくれるゲームだ。映画と同じ年代のカリブ海で、アンデッドといったファンタジー要素を織り交ぜつつ、無人島からの再起、海賊団の構築、大海原の航海や海戦まで自らの手でおこなっていく。映画を元にしたゲームではないものの、あまりにも理想の海賊生活に、気づけば辞め時を見失うほど夢中になってしまった。本作は最大8人までのマルチプレイに対応しているが、本稿ではソロでの体験をお伝えしていこう。なお各説明は先行プレイ時のバージョンに基づいているため留意されたい。
海賊体験のための緩めのサバイバルと緊張感のある戦闘
まずは本作の序盤の流れについて説明していこう。本作ではゲームを起動すると、いきなりキャラクタークリエイトが始まる。海賊らしい渋めの造形となっており、筆者はふだん女性キャラを作ることが多いにもかかわらず今回は迷わず男性キャラを作成した。もちろんイメージは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウだ。本作ではキャラクターごとに育成や装備、船の所有状況、クエストの進行状況が保存されるため、異なるワールドでも同じキャラクターを使うことができる。つまり、ソロプレイとマルチプレイを切り替えながら進行できる嬉しい仕様だ。もちろん新規にプレイしたい場合は、新たなキャラクターを作成することもできる。

その後、ワールドの難易度などを設定するとマップがランダム生成されてゲーム開始となる。チュートリアルを兼ねたオープニングでは、しっかりとした導入ストーリーも描かれ、黒髭に襲われた主人公が無人島でたった一人目覚めて本格的なサバイバル生活が始まる。Unreal Engine 5による美しい青い海と空、密林などが目の前に広がり、さらにカリブ海や海賊感のある雰囲気のBGMも常に流れているため、孤独でも気分が高まっていく。ちなみに、デモ版からの進化点として、日本語表示やフルコントローラー操作にも対応。筆者はコントローラーのみでプレイしており、遊びやすさの面でもしっかりと改善されている印象だ。


サバイバルクラフトの導線も分かりやすく、素材を集め、作業台を作り、装備や拠点を整えて探索範囲を広げていくというお馴染みの流れだ。拠点内のチェストにアイテムがあれば、そのままクラフトすることも可能。建築については自由度が高く、既成の構造物を手軽に設置することもでき、こだわれば巨大な建築物を作り上げることも可能だ。さらに、スコップによって地形を変化することもできる。一方で本作ではサバイバル要素は緩めになっている。たとえば、空腹になってもHPが減り続けるようなことはなく、寝なくてもデメリットはない。食料は腐らないし、道具や装備品に耐久性はなく、重さの概念もない。インベントリのみ管理すればよく、“海賊体験”に集中できる設計と言える。
緩めのサバイバル要素に対して、戦闘システムは「ソウルライト」とも称される本格的なアクションで、序盤から容赦のない難易度となっている。近接武器では弱攻撃と強攻撃があり、銃は弾と火薬を消費する。片手剣と片手銃であれば両手に装備でき、特に片手銃のモーションはまさに海賊そのもので筆者は好んで使っていた。また、自身と敵にはHPとは異なる体幹(ガードゲージ)が存在。攻撃をガードすると体幹が削られ、なくなると一定時間無防備になる。代わりに、ジャストガードによるパリィに成功すると体幹を消費することなく、敵の体幹を削ることが可能。雑魚含めてパリィ前提となっていて、最初に集めることになる皮を落とすイノシシにすら何十回も倒されてしまうほど難しい。2体以上を相手する場合は、逃げながら一体ずつ相手にしないとなかなか勝てない。


特に、探索ポイントには複数の敵やアンデッドがいることが多く、死ねば装備品以外の素材を落としてしまうため、何度も拠点からマラソンすることになった。とはいえ、敵の削ったHPはそのまま残り、少しの素材でテントを作れば、そこを復活ポイントに設定できる。複数の敵がいる場所に挑む前には、近くのテントから何度も復活して強引に倒しきるということも可能だ。なお、食事によって最大HPやステータスに一定時間バフが付く。空腹で死ぬことはないが、戦闘を有利に進めるためには食事は重要だ。

もちろん、レベルアップや装備品の強化によってキャラクターは強くなっていく。8武器種ごとにモーションや参照するステータスが異なっており、レベルアップしてステータスを割り振り、武器種の個性を伸ばすスキルツリーによって自分なりの海賊の戦い方を構築可能だ。また、装備品は素材を消費して4段階強化したり、より上位の装備へアップグレードすることもできる。ただし、装備品の強化には膨大な素材が必要となる。強化のためには素材集めも必要となるため、冒険に専念したい場合は、難易度を下げるのもひとつの手だ。マルチプレイであれば、囲んで戦ったり、分担して素材を集めるといった協力しがいのある調整と言える。


未知の島の冒険と大海原の航海
本作の最大の魅力はやはり冒険と航海だ。実際、先述したレベルアップのための経験値は、クエスト進行と探索によってのみ獲得できるかたちで、探索するほど強くなっていく。マップには「?」マーカーが表示されており、そこには鉱山や遺跡、敵拠点などに宝箱が用意されている。装備品や設計図のほか、宝の地図、サブクエストが発生することもあるため、マーカーを巡っていくだけでも楽しい。なお、マーカーはワールド設定で消すことも可能だ。

最初の島を一通り探索し終える頃にはレベル2になり、どこからともなく船医が拠点にやってくる。ストーリーに関わる黒髭の動向やアンデッドがいる原因のほか、近くの島に廃船があること、船員が捕らわれていることを聞き、ここから本格的に海賊としての冒険が始まる。皮装備や銅装備を整え、小さなボートで大海原へと漕ぎ出すのだ。とはいえ、ボートでは海賊としては物足りない。次の島には、大きな廃船があり、素材を集めて修理することとなる。さらに筆者の場合は、近くの複数の島に船員が捕らわれていたため、島を巡りながら船員を救出していく。海賊団の再建を体験できるわけだ。もちろん、大量の敵が待ち受けているため、このあたりからテントを作って復活するゾンビ戦法で乗り切っていった。
船員を全員救出すると、海岸線でいつでも船を呼び出せるようになり、ついに大型のケッチ船で航海ができるように。さらに拠点の施設によって、船の見た目のカスタマイズ、大砲や耐久値や船員の強化も可能だ。名前も変更可能で、筆者は迷わず「ブラックパール」と名付けた。名前は船尾に表示されることもあり、自分だけの海賊船を持てる感覚が嬉しい。


そして実際に海に出てみると、そのスケールの大きさやリアルな表現に驚かされる。島から島はは船で数分以上かかるほど離れているため、途中には360度見渡す限り水平線になることも。また三人称視点と上空視点、船上でのキャラクター操作を切り替え可能で、波が丘のように高く盛り上がり、視点によっては向こう側が見えないこともある。波で沈むことはないが、恐怖を感じるほど“本物の海”が再現されている。さらに、航海中はBGMを海賊の生歌にすることもできる。歌の種類も豊富で、広い海をただ進むだけでも海賊気分が存分に味わえる。

海はあまりにも広いため、航海中はクエストマーカーを頼りに、新たな島々へと向かっていく。島では探索ポイントのほか、さまざまな勢力の集落も存在し、なかには実在した街「トルトゥーガ」もある。そうした集落ではNPCを雇うことで生産効率を高められるほか、倒した海賊の賞金首を引き渡すことで勢力ごとの信頼度が上昇し、新たな装備や船の設計図が解放されていく。ちなみに、集落にはFT(ファストトラベル)ポイントが用意されているが、それ以外は世界に10か所だけFTポイントを設置できる仕様だ。そのため、新たな島に向かう際には、FTポイントを設置するための素材を準備しておきたい。自力で未知の海域を探索する冒険心をくすぐる仕様でありつつ、探索するほどにレベルアップすることもあり、船を手に入れてからは夢中で冒険を続けていた。


大迫力の海戦と強力なボス戦
海へ出たからには、避けて通れないのが海戦だ。海には勢力ごとの支配海域が設定されていて、黒髭の手下の海賊船に近づけば船での戦闘が始まる。本作の海戦は、船の前方および左右の砲台で狙いをつけ、それぞれのクールタイムを管理しながら撃ち合うスタイル。とはいえ、船は小回りが効かないので、くるくる回りながら片側から撃つことが多いだろう。もちろん敵も大砲を撃ってくるため、修理アイテムによって適宜回復も必要となる。
敵船に一定以上ダメージを与えるとその場で停止し、速度を落として接舷(横付け)すると、船上での白兵戦に移行する。プレイヤーと船員、敵が入り乱れる乱戦となっており、ここだけはソロでも味方と共に戦うことができるわけだ。一定数の敵を倒せば戦意をなくし、自船へ戻ると敵船が沈没し戦利品を獲得できる。海戦から乱戦への一連の流れはシームレスで、まさに映画で見た海賊の戦いそのものだ。最高に“海賊”を体験してる感覚だった。ちなみに味方の船員は自動で補充されるため、仲間の体力などは気にせず戦える仕様となっている。


しかし、こちらも地上での戦闘と同様に難易度は高い。敵船が複数いる場合もあり、小回りの効かない船では1隻ずつ釣りだすことが難しく、囲まれると一気に船の体力が削られる。実際、3隻以上を相手にする状況ではほとんど太刀打ちできず、沈められてしまうことが多かった。沈没した船は少量の素材で修理でき、すぐに航海できるようになるものの、落とした素材を拾うためには再び長い航海を経て現場まで戻らなければならないため海戦は緊張感を伴う。
さらに、メインクエストを進めていくと手強いボス戦が用意されている。こちらは完全に死にゲーと呼べる難易度となっており、死ぬと削ったHPも完全に回復してしまうため、復活ポイントからのゾンビ戦法も通用しない。レベルアップや装備の強化はもちろん、攻撃モーションを覚えて回避とパリィを的確にこなす必要がある。筆者は海戦とボス戦でかなりの苦戦を強いられたものの、本作では難易度を選択可能。筆者はここで難易度をイージーに変更したが、それでも十分に歯ごたえがあり、ちょうどよくプレイすることができた。

ボスを倒せばストーリーも進行し、新たなバイオーム「山麓」が目的地となる。周辺海域の敵船も強くなるため、船の強化をしないと辿り着くのも難しいが、イージーにしたこともあって強引に山麓の島へと到達。そこに待ち受ける敵はさらに強いものの、上位の鉱石や樹木といった新素材によって装備を一段と強化できるようになる。もちろんそれぞれの島には探索ポイントやサブクエストも用意されている。
こうして本作は、探索、クラフト、戦闘、航海が途切れることなくつながっていく。空腹度といったステータス管理が必須ではないため、強くなるために探索し、素材を集めて強化して、新たな島へと航海していく流れを堪能できるわけだ。このサバイバル要素よりも冒険要素に比重が置かれた作りが、まさに理想の海賊生活を生み出していた。未知の島を巡る冒険、本格的な戦闘システム、海賊として再建していくストーリー、そして大海原での航海と海戦。そのすべてがしっかりと作り込まれ、海賊として生きている感覚に没入してしまう魅力がある。面倒な要素をなるべく減らして“楽しい時間”が濃縮されており、可処分時間が少ない人でも堪能しやすいサバイバルクラフトともいえるだろう。常にやりたいことが無数にあり、理想の海賊生活そのものであったため、気づけばやめ時を見失っていた。
なお、早期アクセス開始段階では、3つのバイオームと最大30の島々で構成されており、今後新たなバイオームも追加予定となっている。開発元によれば現時点での完成度は約50%。正式リリースまでに約1年半から2年半と見込まれており、継続的に大型アップデートも予定されている。先述したとおりキャラクターや船の強化状況を引き継げるため新たなワールドでやり直すのも容易だ。海賊にロマンを感じる方は、早期アクセスから本作の進化を見届けてはいかがだろうか。
『Windrose』はPC(Steam/Epic Gamesストア/STOVE)向けに、4月14日に早期アクセス配信予定だ。
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