Nintendo Switch金子一馬ローグライク『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』先行プレイ感想。『デビル メイ クライ 5』とのコラボレーションもあり、独自の味付けのデッキ構築RPG
『KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ』の約75分の試遊を通じて得たインプレッションをお届けする。

アトラスで『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズなどに携わった金子一馬氏が、 同社を退社してコロプラに所属していることが発表されたのは2024年のことだった(関連記事)。金子氏は「悪魔絵師」として広く知られており、アトラスの作品に欠かせない存在だったため、その発表は衝撃的に受け止められた。そんな金子氏が中心となって、コロプラからは2025年にゲームタイトルとして『神魔狩りのツクヨミ』がリリースされた。
『神魔狩りのツクヨミ』は2026年4月22日にサービス終了を予定しているものの(関連リンク)、その要素を継承しつつ新作として開発された『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』がNintendo Switch向けに2026年4月23日に発売される。弊誌は『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』のメディア先行試遊会に参加することができたため、約75分の試遊を通じて得たインプレッションをお届けしたい。なお、試遊でプレイできたのは特別なバージョンであり、ゲーム中に発生するイベントなどが一部異なるので注意してほしい。

唯一無二の世界観とその世界観に浸るコンテンツ
金子氏はこれまでは主にキャラクターや悪魔のデザインを手掛けていることで知られているが、神話や悪魔への造詣も深い。本作の舞台となるのは、湾岸エリアにそびえ立ついわゆるタワーマンションのような超高層複合施設の「THE HASHIRA」だ。突如として発生したプラズマの結界がビル全体を包み込み、外界を完全に遮断してしまう。タワーマンションのなかは異形の存在である「神魔」がうろつき、人外の者たちに人々が蹂躙される地獄絵図と化した。今回の試遊では神魔に対抗できるエージェントの「十六夜月のツクヨミ」となって、タワーマンションの低層エリアを探索していく。
現代社会を舞台にしたやや荒唐無稽な導入ながらも、先々の展開が気になってくる。金子氏の有する悪魔や神の知識がフル動員されている感覚があり、「神魔札」と呼ばれるそれぞれのカードのテキストを読んでいるだけでもおもしろい。『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズに興味がある場合は、そのテキストだけでニヤリとするだろう。いわゆるカードに相当する「神魔札」の図鑑には、それぞれのカードのモチーフになった神や悪魔の由来が書かれており、こういったゲームの世界観が好きな人は読むだけで時間を溶かしていきそうだ。本作の開発者の紹介によると、約3600点のカードイラストが本作に登場するとのことだった。


また、本編のストーリーを小説形式として読むことのできる「デジタルノベル」が実装されている。これは、ストーリー進行に応じて解放されていくほか、全解放すればシナリオの結末までを一気に読むこともできるというものだ。
本作は公式がジャンル名を「デッキ構築タワーダンジョン」と掲げているように、カードゲームに慣れていない人には難しいと考えてしまう場合があるかもしれない。そうした場合であっても、デジタルノベルを読めばストーリーを把握できるのは親切な設計だといえよう。私はネタバレを避けたかったので、試遊ではデジタルノベルはほとんど読まなかったが、少し読んだだけでも神話や悪魔が登場するミステリアスで魅力的なストーリーの世界観に浸ることができそうなものになっていた。ゲーム本編をクリアして、デジタルノベルも通読すれば本作のストーリーを十全に理解することができるだろう。カードゲームに不慣れなユーザーでも、金子氏が紡ぐ独特な世界観へのアクセス方法としてデジタルノベルが搭載されていることは称賛するほかない。


カード図鑑に解説文を掲載したり、ゲームが不得手な人にも本作がもつ世界観を堪能してもらおうとする試みの数々は本作の開発陣からユーザーへの親切心を感じた。それと同時に、レジェンドクリエイターである金子氏へのコロプラからのリスペクトが込められていることがわかっただけで、長年にわたるアトラスファンの私としてはうれしい。
主人公の選択によってデッキを構築していくローグライク
本作のジャンルは、いわゆる「デッキ構築ローグライク」だ。敵との戦闘で使用するデッキを構築し、神魔と遭遇したらこのデッキで駆逐していく。タワーマンション内ではさまざまなイベントが発生し、主人公の選択によってさまざまなメリットを享受することもあれば、デメリットを受けてしまうこともある。タワーマンションに閉じ込められて狼狽している住人を助けることもあれば、悪魔と交渉することもあるなど、極めて数多くの種類のイベントが存在しているようだ。
とくに印象に残ったイベントは、神魔同士がトラブルを起こしていたイベントだった。とある神魔が困り果てていたのを不憫に思って助けてあげると、本来敵であるはずのこちらに感謝してくれるのがおもしろい。助けてあげた見返りもなかなか便利なもので、混沌と化したタワーマンションの雰囲気が伝わってくるいいイベントだったと思う。


各種イベントにおける主人公の選択は、プレイヤーの傾向となってデータが蓄積される。そうしたデータをもとに主人公たちエージェントに大きな力を授けてくれる謎の神「オオカミ」の力によって、特別なカードを入手可能だ。オオカミが与えてくれるカードは強力なものが多いものの、発動コストが高い場合もあるので使い所が極めて重要なものとなっている。
正直にいって試遊では初回プレイのため、各種イベントでの選択肢は思うがままに選んだものだ。どの回答が理由になって当該カードを獲得できたかはわからない。しかしながら、プレイヤーの選択の結果によって得られるカードが変わってくるかもしれないことには本作の奥深さを感じた。

『デビル メイ クライ 5』コラボレーション!ダンテデッキでボス挑戦
カードバトルのシステムはシンプルなものだ。攻撃と守備のターンが交互に行われ、プレイヤーは3枚のカードを組み立てて攻防を繰り広げていく。防御がやや特殊なシステムであり、相手が攻撃してくる部位に防御用のカードを備えるというものだったが、プレイしてすぐに慣れることができたので問題ないだろう。
試遊でプレイした十六夜月のデッキは攻撃と防御のバランスに優れており、使いやすかった。攻撃に特化した「青龍」のようなカードも存在すれば、防御に特化した「モルモー」のようなカードも、攻撃と防御の両方を担当できる「フィン・マックール」のようなカードも存在する。カードによって防御能力をもっているか否かが変わることは、攻撃に特化したカードを重ねて引いてしまったときに、連続攻撃を食らってしまって死んでしまうおそれが下がるということだ。そういう意味で、十六夜月のデッキは安定したデッキである。

本作は『デビル メイ クライ 5』とのコラボレーションコンテンツが実装されており、ダンテたちがカードになってプレイヤーと一緒に戦ってくれる。製品版ではダンテたちの登場は中層フロア以降となるようだが、今回の試遊版では特別に低層フロアでダンテを仲間にすることができた。結論から伝えると、ダンテが十六夜月のデッキに加わることによって、攻撃力が格段に上がった。
『デビル メイ クライ』特有のシステムである「スタイリッシュランク」が、カードゲームに馴染むように本作に導入されていて実に爽快だ。たとえば、ダンテで敵を攻撃したあとに、連続攻撃を繰り出せる「飯綱」を使えばスタイリッシュランクがおもしろいように上がっていく。スタイリッシュランクが上がれば上がるほど攻撃力も上昇するので、試遊ではダンテと飯綱の攻撃を組み合わせて敵を攻撃していくのが爽快だった。ダンテ戦時の楽曲も『デビル メイ クライ 5』におけるダンテのものが用いられており、デビルハンターとの戦いの高揚感を満たしてくれる。


ただし、相手がボスキャラクターともなるとさまざまな攻撃を仕掛けてくるので注意が必要だ。相手がこちらに3方向の攻撃を仕掛けてくるときは、こちらも防御3枚で守りを固めたいし、相手の守備を打ち破れそうなときには積極的に仕掛けていきたいところ。試遊版をプレイしただけなので断言することはできないが、初見殺しのような理不尽な難易度にはなっていないように感じた。むしろ体力の多いボス戦で、ダンテと飯綱の攻撃の組み合わせの有用さに気づくことができたので、ボス戦で初めて見えてくるカードの組み合わせ方もあるのかもしれない。
今回は十六夜月のデッキでのみプレイすることができた。製品版では十六夜月のデッキのほかにも新月のデッキ、満月のデッキ、半月のデッキが存在し、それぞれが得意な戦い方も変わってくるという。また、5人目の主人公として登美のりこの登場が発表されており、こちらはほかの主人公たちを苦しめたボスを使役する高火力を味わえるプレイフィールとなっているようだ。それぞれのキャラクターの強みを理解しつつ、『デビル メイ クライ 5』から参戦するダンテ、ネロ、バージルを使いこなしていきたいところだ。

群像劇的なストーリーで金子一馬の世界観を満喫できそう
これは期待値的な話だが、本作のストーリーは群像劇の様相を呈しているようだ。十六夜月で低層フロアをクリアしたら、新たなエージェントがやってきた。こちらはこちらの視点でストーリーが進んでいき、新たな一面を見せてくれそうである。私はカードの組み合わせの妙によって敵を倒していくゲームプレイにも魅せられたが、金子一馬氏が表現する世界観やストーリーもやはり気になる。
本作をプレイする前は、カードゲームに親しみのない筆者にとっては警戒していたところがあった。しかし、懇切丁寧なチュートリアルやカードゲームの腕前を問わないデジタルノベルが実装されているのを試遊で目の当たりにしたことで、筆者の懸念点が解消されていた格好だ。やはり、金子一馬氏のデザインや世界観は独特の魅力があるので、それらに触れられるハードルが下げられているのは嬉しいところである。

『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』は、Nintendo Switch向けに4月23日発売予定だ。通常版はダウンロード専売で3960円(税込)。デジタルデラックスエディションは4960円(税込)で、特別な創成札がゲーム内で使用できるDLC「画家Kの神筆:真実の顕現セット〜壱〜」が付属する。
またコロプラ公式ショップで販売される特装版「月神BOX」は1万9800円(税込)で、パッケージ版のゲーム本編に加えてアートブックやオリジナル・サウンドトラックなどが付属。100セット限定の「神魔画家BOX」は9万8800円(税込)で、金子一馬氏の直筆サイン入りグッズも同梱される。そちらの詳細については、公式サイトもチェックしてほしい。
©COLOPL, Inc.
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