『ぽこ あ ポケモン』は“サンドボックスゲームで何をしたらいいかわからない人”に最適。気づけば「街」を作ってるサンドボックス、先行プレイ感想

スローライフ・サンドボックスゲーム『ぽこ あ ポケモン』の試遊プレイ感想をお届けする。

『ポケットモンスター』の関連作品として、3月5日に発売予定となっている『ぽこ あ ポケモン』。本作は「ニンゲンのすがたにへんしんしたメタモン」が、ニンゲンのようにものづくりを行い、仲間のポケモンたちと街を発展させていくゲームだ。『Minecraft』や、企画開発に参加しているコーエーテクモゲームスの過去作『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』に代表される、俗にサンドボックスと呼ばれるジャンルの作品になっている。

筆者としてはポケモンの世界をベースにしたサンドボックスゲームを作る上で、主人公にメタモンを抜擢すること自体に「その手があったか」と膝を打ったが、同時に懸念も感じていた。というのも、元来サンドボックスゲームというジャンルは難しいし、人を選ぶのだ。頭の中で建物や土地の設計図を描かなければいけないし、ものづくりのレシピや使う素材を覚えるのも大変である。「自由にものづくりをして良い」と言われて、茫然自失になってしまう人もいるだろう。

たしかに、最近のポケモンは従来のシリーズ作品とは異なるアクションゲームの要素を強調した『ポケットモンスター』シリーズとして『Pokémon LEGENDS Z-A』を世に送り出しているが、果たして本作もたくさんのファンに愛される作品になっているのだろうか。この度、作品内容の一部を試遊できる機会に恵まれたが、上記の懸念は杞憂だったことを報告したい。『ぽこ あ ポケモン』はジャンル慣れしていないゲーマー、なかでもポケモンの関連作しかプレイしたことがないライト層が未知なるジャンルの世界を開拓するためのゲームとして、期待できる作品に仕上がっていると思えた。

『ぽこ あ ポケモン』は『ポケットモンスター』シリーズ関連作となるスローライフ・サンドボックスゲーム。発売日は2026年3月5日。価格は8980円(税込)。対応プラットフォームはNintendo Switch 2となっている。企画開発は株式会社ポケモン、株式会社ゲームフリーク、株式会社コーエーテクモゲームスが担当している。


ポケモンの生息地をつくるサンドボックスゲーム

今回の試遊体験会はタームが前半と後半に分かれていた。前半に体験したのは、作中冒頭に行われるチュートリアルである。本作の基本的なゲームフローは、さまざまな手段でポケモンの「生息地」を作る⇢生息地に潜んでいるポケモンが1匹「とびだしてくる」。⇢コミュニケーションを通じてポケモンがメタモンに協力してくれるようになる⇢ポケモンと協力して新しい「生息地」を作る、という流れになっている。

言ってしまえば、トレーナーが草むらに入って野生のポケモンをゲットすることで、パーティが強化され、図鑑が埋まるという『ポケットモンスター』シリーズのお約束をアレンジした内容になっている。トレーナーがポケモンと出会うため、彼らが住む外の世界へ向かうのではなく、ニンゲンのすがたにへんしんしたメタモンが、外の世界を作り、ポケモンを住まわせることを通じて、友情を深めていくのだ。

たとえば、ゼニガメから覚えた「みずでっぽう」を使って、枯れた草4マスに水分を与える。へんしんポケモンらしく、身体の一部がゼニガメになっている演出が素敵だ。すると、枯れた草は「緑の草むら」という「生息地」に変貌。時間経過で各生息地に対応したポケモン達のうち1匹が確率でとびだしてくる。(なかには見ることが珍しいポケモンもいる。)今回はフシギダネが緑の草むらからとびだしてきた。すると、フシギダネから「おねがいごと」を託される。枯れた草に水を与えて、草むらを増やしてほしいとのこと。さっそくみずでっぽうを連発し、フシギダネからのおねがいごとを達成する。

ちなみに、メタモンが使えるわざにはPPが設定されており、なくなると使えなくなってしまう。これを回復するには「ヒメリのみ」など、PPを回復するきのみが成る木を育てておき、きのみをずつきで落としてから回収して食べる必要があるため注意が必要だ。なお、いえを作るのに必要なブロックについては口に「たくわえる」してから、使う際に「はきだす」を行う。ジャンプアクションは「はねる」になっている。こういった細やかな描写が、1ファンとして心躍る。

フシギダネの「おねがいごと」を達成すると、友情を通じて「このは」というわざを覚えた。その場に1マス分の草むらを発生させるわざだ。使うと腕がフシギダネのツルになる演出がニクい。しばらくフィールドをうろつくと、キラキラ光る地面から「ポケモンの気配」を発見。いわば特定のポケモンに対応した生息地の作り方に関するヒントである。

明らかにヒトカゲを意識したシルエットに、4マス分の草むらがセットで描かれている。「緑の草むら」を作ると、ヒトカゲが出現するということなのだろう。ちょうどクラフト台のチュートリアルでたき火をつくったものの、薪を燃やす火種がなかった。気配が示す内容に従って、草むらを育てる。そして少々待ち、時間は夜。暖房が欲しくなる頃合いだ。するとヒトカゲが緑の草むらから飛び出してきた。ヒトカゲのおねがいごとを達成すると、メタモンについてきてくれるという。

作中で出会うポケモンには、メタモンがわざを覚えられるポケモンと、ついてきてくれるポケモンがいる。特定のポケモンを特定の場所に連れて行くことで、各々の「得意なこと」を通じて、何か良いことが発生する。今回はヒトカゲが持ち前のほのおで、たき火に火を付けてくれた。本作はポケモン同士のバトルではなく、友情を育むゲームであり、メタモンがありとあらゆる技術を身につけるゲームでもない。人は一人では生きていけない。それはポケモンも同じことのようだ。

ただ、ここまで目を通してくれた読者の中には「生息地を作っていくという方針は分かったけど、実際やってみると難しそう」と思っている方もいるかもしれない。安心してほしい。本作はチュートリアルが非常に丁寧かつ、飲み込みやすい。物語の進行を絡めながら、少しずつ、少しずつ、やれることが増えていく。今回はネタバレ防止のため記載しなかったが、上記にあるゼニガメ、フシギダネ、ヒトカゲとの出会いは実際のところ、ストーリーを楽しみながら進行していく。わざを覚えるときの演出など、『ポケットモンスター』シリーズのセルフオマージュが光る内容になっている。

この後も「ポケモンの気配」をあつめ、生息地を作っていく筆者。いわゆる草木や水辺のような自然物だけで構成された地形が「生息地」になるわけではないのが面白い。スポーツジムのような場所を作ればエビワラーが出現したり、寝室のような場所を作ればフワンテが出現する。

やがて、メタモンと友情を育んだポケモンは生息地に「すみか」をつくり、メタモンたちが開拓した土地に住むようになる。すみかには「すみごこち」が設定され、いろいろなものを生息地周辺に配置していくことであがっていく。おねがいごとを叶えることでもあがっていくようだ。ちなみに、ずかんのコンプリートを狙って1つの生息地からずっとポケモンがとびだしてくるようにしたい場合や、街の景観等の理由ですみかを移動してほしい場合は、別途新しいすみかになる生息地を用意して、そこにポケモンをつれていくことで、「おひっこし」をしてもらうことができる。

そして、街の発展を進めると、街に多大な影響を及ぼす「大事なおねがいごと」が発生するようだ。つまり、「生息地」が「すみか」になり、たくさんの「すみか」が集まることで街が形作られていく。なるほど分かりやすい。細かな目標の達成が大きな目標の達成に繋がっていくなかで、プレイヤーは自由な創作体験の面白さを体験していくわけだ。作品に込められた理念を掴めたように感じたところで前半のタームは終了した。


やり込み要素を確認できたマルチプレイ

後半のタームはマルチプレイを楽しむ。本作には「まっさらな街」という、ゲームのストーリー進行に紐づかない、自由に遊ぶことができる街が用意されている。仕様としては、ホスト役の「まっさらな街」に他のプレイヤーが手伝いに行くという形だ。あくまで手伝うという形式のため、ホスト役の「まっさらな街」で獲得とした資材や、出会ったポケモンの情報を手伝い役のゲーム内に反映させることはできない。最大4人でのマルチプレイになっており、「インターネット通信」で遠くの人と、「ローカル通信」で近くの人とも遊べる。Nintendo Switch 2 とソフトが1本あれば、未所持の人と最大2人で遊べる「おすそわけ通信」も可能だ。

今回は特別な仕様として、「ボロボロのポケモンセンターのたてなおし」という課題が設けられていた。また、ブロックを使い「ブロックのいえ」を作ることが出来た。たくさん「わざ」も覚えている。まずは課題達成に挑むべく、たてなおしに必要な要項を確認する。得意なことが力自慢なポケモンを連れてくること、そして、たくさんの木材が必要なようだ。ポケモンを連れ歩くのはホストのプレイヤーにしかできないため、手伝いの筆者はひたすらポケモンの気配を調べ、生息地を作っていく。改めてさまざまなバリエーションがある。「ビーチの木かげ」という生息地には「やしのみポケモン」のナッシーが出現するし、つりざおを用意して「海釣り」という生息地を作るとコイキングが現れる。筆者の好きなバンギラスが出現する生息地も確認できた。

生息地づくりが一段落して背後を振り返ってみると、ポケモンセンターが建て直されている途中になっていた。建物が組み上がっていく光景が目に入る。ホスト役のプレイヤーがどうやら条件に合うポケモンを連れていったらしい。こうしたリアルタイムで何かが反映されていく変化を楽しむのも、マルチプレイの醍醐味の1つだ。Nintendo Switch 2のゲームチャット機能をつかって、会話しながらプレイするのも楽しいだろう。

課題が無事に達成されたようなので、次は「ブロックのいえ」を作っててみる。まず資材用のブロックをクラフト台で作るところからスタートする。木材を使うものもあれば、石材を使うものもある。ブロックにも種類がいろいろあり、柱用、壁面用、床用があった。配置するときの操作はJoy-Con 2のマウスモードを通じて直感的に行える。(先述したようにブロックを口に「たくわえる」⇢「はきだす」というわざの演出がある)

一方、邪魔なブロックを片付けるには「いわくだき」というわざが必要になる。こちらもマウス操作に対応済みだ。そういえば前半のタームではエビワラーから覚えたわざだったな……。腕がエビワラーにへんしんしているのがしみじみ良い。このほか、モグリューから覚えた「たがやす」を使って土地に置かれたオブジェクトを移動したり、ストライクから覚えた「いあいぎり」を使って草木を片付けることができた。

また、クラフト台ではブロックのみならず家具も作れるのだが、残念ながら試す時間がない。そこで、今回はある程度街の発展が進んだ場所が海の向こうに用意されている。さっそく、ラプラスから覚えたなみのりを使って向かってみることにした。向かった先には住宅地や公園、電灯と電線網が広がっており、気になる点がたくさんある。いろいろな素材を使った「いえ」が「けんちく」されている。そこを「すみか」として、さまざまなポケモンが住んでいる。電灯があるが、でんきタイプのポケモンが協力してくれるのだろうか。噴水があるが、水源はどうやって移動させたのだろう。見学すればするほど、謎が謎を呼ぶ。実際のゲームでは本当にできることが多そうだ。

今回の試遊は以上となる。現時点における筆者のインプレッションとしては、ポケモンの関連作品しかゲームをプレイしたことがないようなライト層や、自由度のあるゲームプレイに慣れていない人に向けて、非常に丁寧な心配りがされているゲームという印象である。サンドボックスゲームというジャンルは自由な創作活動が売りのジャンルではあるが、自分で目標を立てて実行する、というのは結構難しい。目標を立てるにしても実行するにしても、ゲームの仕様を深く理解しなければならないし、理解すべき要項も膨大になりがちである。

本作では数マスで構成された生息地を作るという小さい目標からスタートし、生息地を「すみか」に発展させ、「すみか」の集合がやがて大きな街に育っていくという、細かく目標を設定することで、ジャンル初心者の背中を押している。物語体験を通じた仕様の説明は、大量の構成要素をプレイヤーが消化しやすくしている。同時に、作品のすべてをジャンル初心者に向けているわけでもない。ポケモンずかんのコンプリートやさまざまな建物づくりを通して、ジャンルに慣れているプレイヤーへのやりこみ要素も確認できた。

『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』や『Pokémon UNITE』、『Pokémon LEGENDS Z-A』を経て、今や人を選ぶゲームジャンルに堂々と挑戦するようになったポケモン。発売が楽しみになる試遊体験であった。

ぽこ あ ポケモン』は、2026年3月5日に発売予定。作品に関連する各種グッズも同時発売されるため、詳しくは公式HPを参照してほしい。

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ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
Nintendo Switch は任天堂の商標です。

※画面は開発中のものです。実際の商品内容や仕様は変更される可能性がございます。
※実際のゲームとは異なる設定が含まれています。

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Takayuki Sawahata
Takayuki Sawahata

娯楽としてだけではなく文化としてのゲームを知り、広めていきたい。ジャンル問わず死にゲー、マゾゲー大好き。

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