新たな大型基本プレイ無料RPG『クリスタル・オブ・アトラン』は『原神』系……かと思いきや、キャラガチャなしのインフレ爽快アクションゲームだった

『クリスタル・オブ・アトラン』はNuverse傘下の開発スタジオVI-GAMESが手がける、基本プレイ無料のアクションRPGだ。

パブリッシャーのNuverseは2月18より、『クリスタル・オブ・アトラン』の「出航テスト」を実施した。対応プラットフォームは、PC/Android。出航テストは3月5日8時59分まで実施されていた。本テストはクローズベータテストにあたるものである。

弊誌も今回テストに参加したため、本記事ではそこで触れられた内容をお伝えしていく。あくまでテストで体験できる内容の紹介であり、実際にリリースされる内容と異なる可能性があることはあらかじめご了承いただきたい。

『クリスタル・オブ・アトラン』はNuverse傘下の開発スタジオVI-GAMESが手がける、基本プレイ無料のアクションRPGだ。本作の舞台となるのは、浮遊島が点在し、魔法と機械が共存する“マジックパンク”な世界アトラン。空中都市ラインシティーにある冒険者協会の見習いであるプレイヤーは、魔災を引き起こす謎の物質「晶核」をめぐる戦いに身を投じる。


キャラガチャのないお手軽インフレ周回ゲーム

最初に強く伝えたいのは、本作は基本プレイ無料アニメ調アクションRPGという共通点こそあるものの、『原神』のように広大なオープンワールドを探索するようなゲームではない。箱庭型のステージをクリアや周回することで、絶え間なくアンロックされるさまざまな要素により、キャラクターを強化し続けてインフレするバトルを楽しむゲームだ。

プレイ開始するとまずはサーバーを選択する。テストでは一つのみだが、正式リリースでは複数のサーバーが用意されるのだろう。続いてクラスの異なる4人のキャラクターから一人を選択する。外見とクラスアクションは紐付いており、剣士のみが近距離型、銃士・魔導士・パペッティアは中遠距離型となっている。技やモーションに違いはあれど、火力に大きな違いはないため直感で選ぼう。本作は複数のキャラクターが作成できるようになっており、プレイする過程で外見やアクションが合わなくても気楽に乗り換えられるのだ。テストでは無条件で5人まで作成可能であり、複数キャラクターの運用が有利になるシステムも用意されているため、作ったキャラクターは無駄にはならない。

作ったキャラクターは進行度とレベルが保存されていつでも切り替えられる

キャラクターを選択すると、冒険者見習いのプレイヤーが初めてのミッションとして、辺境の浮遊島にあるルミ村を訪れるところから物語が始まる。随所に挿入されるカットシーンは日本語フルボイスとなっており、高水準なアニメ調のグラフィックで描かれる魔法と機械、そして浮遊島の世界観に思わず見とれてしまった。動かせるようになると「!」マークの地点に向かえばストーリー進行していく。同時にインフレの始まりだ。序盤はストーリー受注でもレベルが上がり、そのたびに新たな要素がアンロックされていく。膨大な要素に戸惑うかもしれないが、システムが示す操作に従って理解を深めていこう。

ストーリーミッションでは、シームレスな箱庭型のステージが複数のミッションで区切られており、SPと呼ばれるスタミナを消費して挑んでいく。ミッションをクリアする過程で、ランダムドロップする武器や防具を装備すると、総合的な強さを示す戦闘力が上昇する。最大12部位となる装備品にはレベルやレア度があり、ミッションのたびに新たな装備品により戦闘力がどんどん増えていくのが気持ちいいのだ。また、装備品はそれぞれ「強化」「調整」という強化要素がある上に、装備品に取り付けることのできる「記章」「回路」にも強化要素がある。これらの入手や強化でも戦闘力はインフレしていく。あくまで装備周りの一例であり、他にも多数の強化要素が用意されている。なお、装備は友人同士のシェアは可能だという。

1章をクリアするまでにクラスごとに2通りの転職により外見が変わり、1章をクリアすると外見をカスタマイズできるようになる。顔立ち、髪型、肌色、服色を変更できるものの、性別と服はクラスに依存したものになる。そのため、1章クリアした段階で別のキャラクターを作成することをおすすめしたい。もちろん、一人目の外見とアクションが気に入ればそのまま進めても構わないものの、本作では課金スキンなどはキャラ単位なのでメインキャラクターをここで決めておきたい。一部の装備品やアイテムはキャラクター間で共有でき、ストーリーの自動スキップオプションなどもあるため、二人目以降はサクサクと周回できるはずだ。さらに、作ったキャラクターは自動的に冒険団として構成され、キャラクター全員にボーナスが付与されて戦闘力が上がるのだ。

冒険団が成長すると全キャラクターの戦闘力が上がる

2章以降も「装備作成」や「ペット」など新たな要素がアンロックされて戦闘力がインフレしていく。しかし、ストーリーはキャラクター作成からの時間経過、およびスタミナ不足で進行できなくなってしまう。そのときは無数に用意されたコンテンツをプレイしたり、別のキャラクターを進めていこう。スタミナはキャラ単位で管理され朝6時に全回復し、使い切れなかった分は蓄積されてボーナスが得られる仕組みもある。

そして本作には『原神』のように新たなアクションに繋がるキャラガチャや武器ガチャはない。スキンや強化素材を直接購入して戦闘力を挙げていく。嬉しいのは月間のファンタジアパス、いわゆる月パスがアカウント単位となっており、購入すれば全キャラクターが恩恵と報酬を受け取れる点だ。ログインボーナスもキャラ単位であるため、例えばレア素材をメインキャラクターに集めたり、使わなくなったお下がりをサブキャラクターに渡したりといったことも可能だ。複数キャラクター運用により効率的にインフレしていくのだ。

スキンはキャラ単位だが月パスはキャラクター全員が受け取れる


スキル撃ちまくりのド派手爽快アクション

インフレする戦闘力の成果を楽しめるのが、本作のド派手で爽快な戦闘システムだ。筆者はPC版をコントローラーでプレイしたため、Xbox基準でデフォルトのボタン表記させていただくが、ボタン配置はオプションで変更可能だ。また、各種アクションはレベルアップによるアンロック後のものとなっている。

本作は拠点エリアと戦闘エリアは明確に分かれており、共通アクションとして、Aでジャンプと2段ジャンプ、Bでゲージを消費して回避および永続ダッシュ、回避ゲージ3回分まで空中での連続回避も可能だ。機動力が高いのでストレスなく動かせる。戦闘エリアではX連打で通常攻撃コンボ、X長押しで打ち上げから空中へ、空中でも通常攻撃コンボは可能で、X長押しすると打ち下ろしできる。左スティックを倒せばその方向に攻撃し、ニュートラルだと自動的に近くの敵に接近して攻撃するため、通常攻撃だけでも状況に応じてさまざまな立ち回りが可能だ。また、通常の三人称視点のほか、見下ろし視点に変更することもでき、カメラ操作が苦手なプレイヤーでもアクションが楽しめるよう配慮されている。

そして戦闘において本作最大の特徴がスキル回しだ。通常スキルはいずれも派手なエフェクトで異なる特性を持っている。RBでスキル1、RTでスキル2、それぞれLTと組み合わせてスキル3,4を発動でき、クールタイム制なので何度も撃てる。また各スキルのクールダウン中に同じボタンでもう一つのスキルも発動できるため、計8つの通常スキルを撃てるわけだ。さらに、Yで必殺技相当のEXスキル、LT+Yでペットスキル、それぞれクールダウン中にもう一つ発動でき、4つの強力なスキルが放てる。これら計12種のスキルすべてがクールタイム制のため、通常攻撃をする暇がないほどスキルからスキルへとコンボが繋がり爽快なのだ。ちなみに、クールダウン中は各スキルボタンが通常攻撃になるため、スキルボタンを連打していれば通常攻撃から最速で各種スキルを撃つことも可能だ。

EXスキルは特にド派手で強力

雑魚相手にはスキルを連発すれば問題ないものの、ボス戦ではそうはいかない。本作の敵の攻撃は主に発動エリアとタイミングが表示される、いわゆるAoEが採用されている。ボス戦ではエリアの大半を埋め尽くすような攻撃も放ってくるため、時には逃げに徹することも必要だ。R3でロックオンすれば回避に集中できるだろう。また、これらの攻撃をジャスト回避すると画面左上のHPの下にあるレイジが1マス増える。レイジが2マス以上溜まるとL3でEXが発動し、アーマーが付与されて与ダメージが上昇する。ボスは画面右上のHPの下にあるゲージがなくなると長時間ダウンするので、ダウン中にEX発動と必殺スキルを連発するといった戦略も重要になるのだ。それでも苦戦するときは、LBで回復しよう。回復薬は事前に6種類セット可能で、LB+右スティックで回復薬を選べる。

ジャスト回避するとレイジが1マス増えてEX発動しやすくなるテクニカル要素もある

ここまでのアクションや操作方法はアンロック後のものであり、アンロックはスキルツリーでおこなう。レベルアップで入手したスキルポイントを消費して、新たなスキルを習得可能だ。また、1章の途中で各クラス2通りの転職ができるようになり、それぞれ異なるスキルツリーも拡張される。レベル45までは転職変更できるので、クラスの違いを試しておくのがおすすめだ。スキルポイントの振り分けは自由にリセットでき、自動振り分け機能も用意されているので上手く活用しよう。これらスキルの習得でも戦闘力がインフレしていくと同時にアクション性も増していくのだ。

セット枠より多いスキルが用意されているのでプレイヤーごとに異なる戦い方ができる

スキルツリーの嬉しい点は、『原神』などで同じキャラクターを入手する強化、いわゆる“凸”に相当する強化もできることだ。スキルポイントを消費してスキルを強化すると、特殊な効果を得たり、エフェクトもさらに派手なものになっていく。もちろんスキル強化でも戦闘力は増えていく。なお、ペットスキルだけは2章でペット入手と同時に解放され、新たなペットはイベントや課金で入手することになる。たとえば、出航テストでログイン報酬として入手したペットは回復スキルを持っており、戦闘の安定性が格段に向上するほど強力であった。

すべてがインフレに繋がる無数のコンテンツ

用意されているコンテンツも膨大だ。最初に触れることになるストーリーもしっかりと作り込まれている。本作は過去に、人や動物が「劣化体」となる魔災が「晶核」により引き起こされており、冒険協会の初代会長が晶核と共に姿を消すことで魔災が収束している。しかし、世界には再び劣化体が現れ始めた不安定な状況だ。1章では劣化体となってしまった少女を巡る悲しいストーリーが描かれる。2章では少女が劣化体となった原因の薬を巡って、空中都市ラインシティーで薬を売っている孤児たちの裏にいる犯罪組織との戦いに巻き込まれる。3章では薬の販売先である空中遊園地ワンダーランドで、園長と歌姫の謎に迫るといった具合だ。

多彩な浮遊島で異なるストーリーが描かれる

これらのストーリーを補完するようなサブクエも大量に用意されているので、世界観を存分に楽しむことができるだろう。ストーリーで訪れたステージは自由に探索できるようになり、素材を集めて回復薬の代わりとなる料理を作ることも可能だ。アイテムの収集や特定の風景を撮影して報酬が貰える要素もある。また、本作にはMMOとしての側面もあり、他プレイヤーとのギルドに加入すればより効率的に成長できる。フレンドや自動マッチングにより協力マルチでも挑める高難易度のチャレンジコンテンツもあり、レイドは最大8人で挑む協力専用コンテンツだ。さらに、通常とは異なるシステムで他プレイヤーと1対1で戦うPvPも用意されている。これらのコンテンツで得られる報酬でも各種要素を強化できるため、すべてがインフレに繋がっているのだ。

無数のコンテンツは大きく5つに分類される

出航テストをプレイして、序盤こそ『原神』などとの違いに戸惑ってしまうかもしれないが、システムを理解できると絶え間なくアンロックされるインフレ要素により戦闘力が増え続けるのが気持ちいい。また、レベルアップで次に解放されるスキルも見えているため、あと少しとプレイを続けてしまい辞め時が見つからないのだ。ストーリーを進めると歯応えのあるボス戦も増えていき、上手く立ち回ってスキルを連続で叩き込めると他にはない格別な爽快感を体験できるだろう。正式配信に期待が膨らむテストであった。

『クリスタル・オブ・アトラン』はPC/モバイル/コンソール向けに基本プレイ無料で配信予定。クロスセーブにも対応。配信日は現時点では未定である。

Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

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