ついに日本上陸、ワーナー乱闘アクション『マルチバーサス』を一足先にプレイしてきた。なんでもありでカオスながらゲーム部分は堅実め

ワーナー ブラザース ジャパンはPlayer First Gamesが手がける基本プレイ無料アクション『マルチバーサス』を日本国内向けに5月28日リリースすると発表した。本稿ではその先行プレイレポートをお送りする。

ワーナー ブラザース ジャパンはPlayer First Gamesが手がける基本プレイ無料アクション『マルチバーサス』を日本国内向けに5月28日リリースすると発表した。本作の対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S。

今回本作のリリースに先がけて、弊誌は本作を試遊できるハンズオンイベントに参加する機会を頂いた。本稿ではその先行プレイレポートをお送りする。なお、本稿はPC(Steam)版でのプレイに基づいており、使用するスクリーンショットはPC版のものとなっている。

そもそもマルチバーサスとは

まず『マルチバーサス』はどういったゲームなのか。概要をかいつまんで説明させていただきたい。本作はWarner Bros. Gamesがパブリッシングする基本プレイ無料の乱闘アクションゲーム。開発はPlayer First Gamesが担当している。ライブサービス型で本作の運営をする予定とのことで、スキンやバトルパスなどの販売でマネタイズをおこなうようだ。

本作は、「対戦のバーサス」と「多元宇宙のマルチバース」をかけた名前となっている。その名前の通り、まったく異なる世界観を持つ作品のさまざまな人気キャラクターが入り乱れてバトルを繰り広げることになる。

ゲームプレイとしては最大4人まで同時プレイ可能な対戦型アクションゲームになっている。プレイ可能なキャラクターはそれぞれ固有の技とスキルをもつ。相手への攻撃などによって相手にダメージを与え、ダメージの数値が溜まれば溜まるほどキャラクターがふっとびやすくなる。最終的に相手をステージ外から出すことができればリングアウト、相手を倒すことができる。「乱闘型アクションゲーム」という言葉が本作のゲーム内容を形容するのに適した表現になるのではないだろうか。

試遊した範囲では、本作ではPvEモードとPvPモードが実装されている。PvEモードは主にCPUと戦うステージを攻略しながら進む形となっており、ステージをクリアすることで手に入るジェムをセットして操作するキャラクターを強化していくPvEモード独自の要素も存在。またフレンドを招待しての協力プレイにも対応している。そしてPvPモードはローカル対戦に加え、オンラインマッチングも搭載。1vs1のモードと2vs2のチーム対戦モードを実装している。それぞれのモードでランダムにマッチングし対戦できるカジュアルなプレイに加え、今回試遊した範囲では実装されていなかったものの、将来的にはランクマッチも実装予定とのことだ。

もはや「なんでもあり」のごちゃまぜマルチバース

『マルチバーサス』は国内では未展開だったこともあり、筆者も初プレイである。今回の試遊にあたり、筆者がプレイして感じた本作への印象はとにかく「なんでもあり」の一言。本作に登場するキャラクターたちの顔ぶれからもそれが伺える。

あまりにも多くのキャラクターが登場するためいくつかピックアップして紹介すると、たとえばワーナー・ブラザースを象徴するキャラクターを象徴するキャラクターとも言えるバッグス・バニーやトムとジェリーなど、カートゥーン出身のキャラクターたちが登場。それに加えてDCコミックスからはスーパーマンが登場し、お馴染みのバットマンとジョーカーも。さらに実写ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」からはアリア・スタークが参戦し、「13日の金曜日」からはさまざまな凶器をひっさげてジェイソンも登場。

極めつけには「スペース・プレイヤーズ」からの登場と言う建付けでレブロン・ジェームズまでもがプレイアブルキャラクターになっている。まぎれもなくあのスタープレイヤー、レブロン・ジェームズそのものである。もちろんバスケットボールを武器に戦う。本作をプレイする前は参戦キャラクターの統一感のなさを懸念していたが、ここまでくるともはや次は誰が参戦するかまったく想像がつかないという興味のほうが勝ってしまう。

ではさまざまな作品が雑多にまとめられているのかというと、筆者は世界観に対して違和感をそこまで覚えなかった。実際にプレイした感覚としても、全体の印象としてキャラクターのデザインはカートゥーン寄りのグラフィック調でまとめ上げられている。トムがフライパンでジョーカーをしばきたおしている傍らで、ジェイソンが麻袋でレブロン・ジェームズをステージ外で連れ去っていく場面も『マルチバーサス』の一風景として比較的すんなりと馴染むことができた。

駆け引きのテクニック、奥の深さを感じるビルド要素

そんな「なんでもあり」の印象を受ける本作だが、ゲームプレイに関しては意外なほどに手堅くまとまっている。本作は共通行動として通常攻撃ボタンと特殊攻撃ボタン、そしてジャンプと回避が存在。攻撃ボタンはそれぞれ四方向の方向キーとニュートラル状態で異なる技が出るようになっている。

複雑なコマンドは必要ないため比較的シンプルな操作体系となっているが、キャラクターの操作だけでも奥深い駆け引きが味わえる。相手の攻撃に対する防御行動としてジャンプでかわしたり、回避の無敵時間でいなすことができるが、空中ジャンプ及び空中での回避は回数が限られている。相手を浮かせると回避行動の選択肢を狭めることができるため、落下する相手にコンボを叩き込んだり、崖の外に追い出したあとの攻防が楽しめる。

また本作は2v2のチームバトルが推奨されている。それはキャラクター性能にも反映されているようで、一部の技は敵だけではなく、味方にも効果がある。効果はそれぞれ異なる者の、アーマーの増加やクールダウンの短縮など、有益な効果を付与することが可能だ。また各キャラクターはタンク、ブルーザー、アサシン、メイジといった分類に分けられている。それぞれの分類ごとに得意な戦術や立ち回りも異なっているほか、チームを組むうえでのバランスの指標となるだろう。

そしてキャラクターにはさまざまな特殊能力、いわゆるパークを付けることも可能。単純にダメージをブーストしたり、特定の条件で相手にデバフを付与したりなどの特殊能力を組み合わせることで、立ち回りに幅が広がる。組み合わせの数も考えると、同じキャラクターでも人によってさまざまな特色を出すことができそうだ。


総じて、「ごちゃまぜ」でありながらも、ゲームプレイ部分は丁寧に作られている印象を受けた『マルチバーサス』。日本向けにはあまり馴染みのないキャラクターも多いため、少々とっつきにくい印象を覚える本作。しかし実際にプレイしてみると、良好な操作感による手触りのよさと、複雑なビルドやキャラクターの操作テクニックを習熟する奥深さを兼ね備えていることが伺えた。基本プレイ無料で各プラットフォームにてリリースされるため、オンライン対応の横スクロール型の対戦アクションに興味のある方は本作を一度触ってみるのもいいだろう。

マルチバーサス』は5月28日に基本プレイ無料でサービス開始予定。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|Sである。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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