今月2月29日に発売を予定している『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7 リバース)。1997年リリースのオリジナル版をベースにしながら、原作ファンでも新鮮に楽しめる新しい体験を提供した 『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、FF7 リメイク)で描かれたミッドガル脱出から、忘らるる都までの内容が描かれる。
しかし、単なる続編に留まらず、前作からブラッシュアップされたシステムが多数存在するのが特徴。今回は先行プレイの機会をいただいたため、『ファイナルファンタジー』シリーズファンの筆者が、オリジナル版や前作との比較を基に9時間の試遊で気づいた点について40項目で紹介したい。
①基本的に『FF7 リメイク』と操作方法は同一で、続編として呑み込みやすい。前作をプレイしているとスムーズに移行ができそうだ。
②続編でありつつもバトルやゲームの進め方のチュートリアルは丁寧に挿入される。『FF7 リメイク』をプレイしていない人も、楽しめるようなフォローは準備しているとのことであるため、興味を持った人は本作からでも触れてみるとよいだろう。
③難易度とバトルモードが区別されており、好きな組み合わせでプレイできる。難易度はEASY・NORMAL・ADVANCEDの3つから選択ができた。「ADVANCED」はレベルに応じて敵の強さが自動調整されるため、入念に探索をしていたらレベルが上がりすぎて、ストーリー上のボスを一瞬で倒してしまったということが防げる。
④バトルモードは「アクション」と「クラシック」から選択ができる。アクションモードでは、アクションゲームのようにキャラクターをスピーディーに操作しながら、コマンドも戦略的に選んでいく。クラシックモードでは、通常攻撃などのアクションが自動で行われるため、従来の『FF』シリーズのような感覚でコマンドバトルの奥深い駆け引きだけに集中できる。
⑤バレットの声優が小林正寛氏から船木まひと氏に変更になったが、試遊したかぎりではまったく違和感がなく、『FF7 リメイク』のイメージのままプレイができた。
⑥試遊はミッドガル脱出後のカームからはじまったが、街の中は『FF7 リメイク』のスラム探索のようにリニアで分かりやすい。
⑦『FF7 リバース』では仲間との絆が強調されており、街のなかで話しかけることにより選択肢が登場し、好感度が変化する。
⑧選択肢は時間制限ありで複数存在し、相手の反応もさまざまなため、今後のゴールドソーサーなどにおける好感度に左右されるイベントを予想させる。
⑨オリジナル版にはないストーリーがふんだんに加えられており、たとえばオリジナル版ではクラウドの回想を体験するだけだったカームでは、パーティー一行を追ってきた神羅カンパニーが街を訪れるという展開になっている。
⑩カームの外に広がっているフィールドは、見えている場所のどこにでも行けるオープンワールド形式ではなく、あくまで果てがあるワイドリニアだが、あまりに広大すぎて探索しがいがある。
⑪フィールド移動はパルクールアクションを使用して、多少の段差なら飛び越えられるため移動に関するストレスがない。
⑫前作にも登場したチャドリーの依頼で、フィールドに点在する旧共和国の通信塔を起動させていく。起動すると周囲のフィールドの情報が開示され、探索レポートを進めるのに必要な場所が提示される。
⑬探索レポートは埋めていくとポイントが溜まっていき、そのポイントを使用してマテリア開発などができる。
⑭フィールドには「トレジャースポット」という小規模な探索エリアが用意されており、宝箱はそのエリア内にのみ配置されている。そのため、ありもしない宝箱を求め、目を皿にして広大なマップの隅から隅まで探索しなくてもよい。
⑮フィールドには宝箱以外の「クラフト素材」がそこかしこに落ちており、拾えば拾うほどアイテムクラフトがはかどる。
⑯マップの端などには、ほとんどの場合「モーグリメダル」入りの神羅ボックスが置いてある。トレジャースポットでプレイヤーの探索欲を適度に満たしながらも、ガッツリとフィールドを駆け巡りたい人にもうれしい要素がある。
⑰アイテムクラフトは、クラフトを行うことで経験値が貯まり「クラフトレベル」が上がっていき、アイテム以外にもアクセサリーなどを作成できるようになる。
⑱『FF7 リメイク インターグレード』で追加された「フォトモード」は健在で、プレイヤーの思うままに思い出を残すことができる。「フォトモード」で使用できるフィルターはストーリーが進むごとに解禁されていくとのこと。
⑲ワールドマップにおける目的地を示す方法として、目的地の方向だけがわかる「コンパス」と、周辺の地域と目的地が詳細にミニマップとして表示される「ナビマップ」がそれぞれのプレイスタイルによって自由に選択可能。「コンパス」で美しい自然を鑑賞しながら没入感を高めるのも良し、「ナビマップ」で便利にサクサクマップを探索するのも良し。
⑳ただし入り組んでいる街の中は自動的に「ナビマップ」に変更されるため、クエスト発生場所や行きたい店の場所がわからないということはない。
㉑ベンチで休憩するときは必ず「ざぶとん」が必要なわけではなく、町や集落などの綺麗に整ったベンチでは『FF7 リメイク』のように自由に休める。ざぶとんが必要なのは人里離れた壊れたベンチ。
㉒クラウドたちの成長要素が一新されており、『FF7 リメイク』における武器に秘められたコアマテリアを解放していく形式は廃止。
㉓武器強化は「SP(スキルポイント)」を溜め「武器レベル」を上昇させるという点は同一だが、武器レベルが上がったときに様々な効果を持つ「武器スキル」を入手し、それをマテリアのように武器へ埋め込んでいく形式に変更。
㉔キャラクター育成は、クエスト報酬などで入手できるスキルポイントを消費して、剣術指南書や格闘術秘伝の書といった「スキルブック」を、各地の魔導書店で読み解くことで能力が強化・解放されていく。
㉕魔導書店は、自動販売機型の出張所という形でフィールド上にも多数存在するため、能力強化のためにわざわざ街まで出向かなければならないということはない。
㉖ボスを倒したりサブクエストをクリアしたりすると、「パーティーレベル」が上昇して仲間との絆が深まり、スキルブックに新たなアビリティが徐々に追加されていく。
㉗『FF7 リメイク』同様ストーリーの合間になんでも屋クエストが発生する。無視して進めることもできるが、解決するとパーティーレベルの経験値がたまるため、前作以上にクリアすることでゲームが有利に進められるだろう。
㉘バトルの追加要素としてはパーティーメンバーと協力する「連携アクション」と「連携アビリティ」が存在し、戦闘中でも仲間との絆が強調されている。
㉙「連携アクション」は、R1ボタンでガード中に各種ボタンを押すと発動する協力技。ATBゲージを消費しないのも特徴で、バトル中の敵からの攻撃を防ぐ手段として回避かガードどちらを選択するのかプレイヤーの戦略の幅が広がっている。
㉚「連携アビリティ」は、アビリティなどでATBゲージを使用すると、溜まっていくATBゲージ右下の「連携ゲージ」を消費することで発動する必殺技。強力な効果を発揮するとともに、専用のカットインが挿入されるド派手な演出が特徴。
㉛「連携アビリティ」に必要な連携ゲージは同一のアビリティを使うごとに増えてしまうため、決まった組み合わせだけで使おうとするとボス戦などで苦しくなるだろう。クラウドともう1人だけでなく、仲間同士のシナジーも考えてのパーティー構成も必要そうだ。
㉜オリジナル版『FF7』では、ミドガルズオルムと戦うかどうかは任意で、チョコボに乗っていれば避けることもできたが、『FF7 リバース』ではまた違った形で登場する。
㉝各パーティーメンバーそれぞれが最初から「チョコボ&モーグリ」や「イフリート」などの召喚マテリアを装備していたが、製品版でどうなるかは不明。一方で『FF7 リメイク』と同じくチャドリーに話しかけることで移行する、バトルシミュレーター内で召喚獣と戦えることは確認済み。
㉞試遊範囲では、地面を隆起させてグラスランドエリアを作りあげたという逸話を持つ「タイタン」と戦うことができたが、非常に強い。それぞれのエリアに存在する各召喚獣の祠を解析することで弱体化させる救済策があり、バトルに自信がある人はバトルが解放され次第挑んでもOK、バトルが苦手だという人は探索を行うなかでクリスタルを見つけると勝機が見えるかもしれない。
㉟各ワールドエリアには「チョコボの足跡」が存在し、その近くにはチョコボの生息地が存在する。カーム周辺での「グラスランドエリア」ではチュートリアルとして、メインストーリーにチョコボを捕まえるシナリオが組み込まれていたが、それ以降のエリアでのチョコボ捕獲はプレイヤーの任意になると予想される。
㊱各地で倒れている「チョコボストップ」の看板を修復するとファストトラベルポイントとして使用可能になる。フィールドを探索すればするほど、ファストトラベルが便利になるためプレイヤーの探索への動機づけになるのと同時に、ファストトラベルの解放というシステムが世界観から逸脱しないようにデザインされている。
㊲フィールドのあちこちには「はぐれチョコボ」と呼ばれる野生の小さいチョコボがおり、クラウドたちをチョコボストップまで案内してくれる。そして到着した後はお礼として自由に撫でられてかわいい(重要)。
㊳チョコボを捕獲したり、チョコボストップを修復したりすると「黄金の羽根」というアイテムを取得する。チョコボファームで装具品と交換して、チョコボの見た目を自由にカスタマイズできる。
㊴『FF7 リバース』では、作中世界で流行中のカードゲーム「クイーンズ・ブラッド」で遊ぶことができる。盤面に交互にカードを置き、横一列の「レーン」ごとに蓄積したパワーを競い合うルールだ。カード下部の「陣地マーカー」に応じて陣地を広げていき、より高ランクのカードを呼び出したり、カードが持つスキルを戦況に応じて調整したりと、シンプルなルールでありながらやりごたえがあるものに仕上がっている。
㊵各街には「カードバウター」と呼ばれる、個性豊かな「クイーンズ・ブラッド」の猛者がおり、話しかけることで戦うことが可能。無事勝利すると報酬として新たなカードが手に入り、デッキを徐々に強くしていくことができる。『FF8』の「トリプルトライアド」のように、時間を忘れてハマってしまう人もいるだろう。
以上、試遊をプレイして気づいたオリジナル版や、前作との変更点40個をあげさせていただいた。短い時間では遊びきれてないこと、気が付かなかったことが多くあるだろう。気になる人はぜひ製品版をチェックしてほしい。そして弊誌では本記事と同時に、試遊全体のプレビュー記事の掲載や、YouTubeにて試遊範囲の動画紹介を予定している。こちらもぜひチェックいただけると幸いだ。
『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS5向けに2月29日発売予定だ。
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CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO