新作MMO『ELYON(エリオン)』を2時間遊んでみてわかったこと。『TERA』などの開発元KRAFTONが手がける、バトルアクションMMORPG

ゲームオンより国内サービス開始予定のバトルアクションMMORPG『ELYON(エリオン)』を2時間プレイ。そこから判明した同作の特徴などをお伝えする。

ゲームオンより国内サービス開始予定のバトルアクションMMORPG『ELYON(エリオン)』。本作は、かつては「Project W(仮称)」や『Ascent: Infinite Realm(A:IR)』と呼ばれており、大規模な上空での戦いも繰り広げられるということで、注目を集めていた作品だ。

開発元は、『TERA』など多数のMMORPGを手がけてきたBluehole(現在はKRAFTON)。情報公開から長らく開発が続けられてきたが、2020年12月に『ELYON』として韓国で正式サービスがスタート。国内向けには、ゲームオンが2016年にライセンスを契約しており、同社の配信による国内向けにもサービスが始まろうとしているわけだ。


現在POT参加募集中

なお同作では、9月10日よりプレオープンテスト(以下、POT)開始に向けて参加者が募集されている。POTの実施期間は、9月24日17時から9月27日12時まで。参加には事前に応募が必要であり、9月21日12時までに応募ページから参加申し込みを行っていると、抽選でテストに参加できる。また今回のPOTでは、弊誌も含めてメディア枠が設けられている。各メディアから応募すると、メディア枠で落選しても公式枠で再抽選のチャンスがあり、当選確率が2倍だ。弊誌AUTOMATONのメディア枠応募はこちら

『ELYON』では、POTの実施に先駆けてメディア向けの先行テストプレイが実施された。弊誌でも先行テストプレイに参加してきたので、その内容をお伝えしよう。今回の先行テストプレイではプレイ時間が2時間に限られていたため、キャラメイクやゲーム最序盤のプレイなど、基本的な内容の紹介となる。

https://youtu.be/2tXHeLNjfxY



争うヴァルピンとオンタリー

先行テストプレイの内容に入る前に、まずは本作の世界を紹介しておこう。本作の舞台は、古代からポータルが存在していた世界ハース。この世界では、ある時ポータルの秘密が解き明かされると中からマナが発見され、強力なエネルギーにより人々の暮らしは豊かに発展した。しかし、豊かな暮らしには多くのエネルギーが必要であり、やがて世界は2つの勢力に分かれ、限られた資源を求めて争うようになってしまう。2つの勢力は、ポータルを超えてさまざまな世界を探索するうちに、究極のマナが眠る世界へとつながる巨大ポータル「エリオン」を発見。エリオンにあるエネルギーを巡り、争いが繰り広げてきた。


本作でプレイヤーは、世界を二分して争うヴァルピンかオンタリー、どちらかの勢力へと所属する。異なる勢力のプレイヤーとは、パーティーを組んで一緒に冒険することはできない。ゲーム外の誰かとプレイする予定があるのなら、所属勢力はあらかじめ決めておいたほうがいいだろう。

ヴァルピンは、エステ元老院の権威に基づきハース南部を支配下に置く、ソルム王国の貴族たちが集まって結成された貴族議会だ。彼らは伝統と名分を重視。ソルム王国の復興を夢見ており、エリオンの向こう側にある力を得ることで、敵対する勢力を処断しようとも企んでいる。

もう一方のオンタリーは、ヴィセン連邦機関のカリスマによりハース北部を治め、自分たちを中心に新しいハースを作り出そうとしている新興勢力。実利的かつ合理的な考えを持っており、エリオンの向こう側にある力を得ることでソルム王国の支配を拒否し、独裁的なヴァルピン議会を追い出そうとしている。古き伝統と名誉のヴァルピンと、実利と合理性のオンタリー。プレイヤーは、アカウント単位でどちらか片方の陣営を選択し、エリオンを巡る争いへと参加することになる。なお今回のテストプレイでは、メディアごとに選択する陣営が定められており、弊誌にはヴァルピンが割り当てられていたため、以降の内容はヴァルピン選択時のものだ。

キャラクターメイク


キャラクターメイクでは、クラスと種族を選択し、プレイヤーの分身を作成していく。本作では、ヒューマン/エルフ/亜人/オークの4種族と、ウォーロード/ガンナー/エレメンタリスト/アサシン/ミスティック/スレイヤーの6クラスが用意されている。種族によらず全クラスが選択可能であり、性別のない亜人を除いて残った3種族では男女どちらかを選ぶ。


クラスと種族の決定後には、顔の形状やメイク、肌の色や髪型など、キャラクターの外見を編集する。たとえば目を変更する際には、スライダーを使って目の大きさや高さといった形状を整え、目の反射/瞳の光源/瞳の形/白目の明るさ/瞳の明るさ/瞳の色などを選ぶ。パーツの選択とスライダーによって外見を編集していくという点では、一般的なシステムが搭載されている。ただし本作では、顔や体の形状の変更時には、編集する部位を直接クリックして、スライダーを操作していく。

マウスカーソルを編集したい部位の上に持っていくと、パラメータとスライダーが表示される。その状態でクリックしマウスを上下左右に動かすと、スライダーが動いてパーツを変形できる。編集したい箇所をウィンドウから探すのではなく、画面上の気になっている箇所にマウスを持っていけばいいという点では直感的だ。

しかし、マウスカーソルを動かしてみるまで、何のスライダーをどのように動かしているのかわからないなど癖も強く、操作には慣れが必要かもしれない。形状を整える際には、表示されるスライダーやパラメータの異なるモードとして、簡単形態/細部形態が導入されている。簡単形態 では、表示/編集可能なパラメータの数が減り、シンプル化。細部形態では、口だけでも口元/口角の奥行き/上唇の厚さ/下唇の厚さ/下唇の高さ/口中央の高さと、編集できるパラメータの数は十分に用意されている。また本作にはセーブ機能やプリセットも搭載。プリセットは10種類以上用意されており、プリセットから好みの顔を選んだり、プリセットをベースに少し顔や体型を整えたり、さほどキャラクターにこだわらずともゲームが進められる。


キャラクターメイクを終えると、チュートリアルも兼ねたプロローグとして、エリオン内部の楽園「エリシオン」へと向かっていた巨大艦船インベストゥスでのストーリーが展開される。すでにハースにおける所属陣営は決まっているが、プレイヤーが陣営間の争いに参加するのはもう少し先の話。プロローグではインベストゥスを守る戦士として、黒の使徒を名乗る未知の敵と戦う。デフォルトでは、キーボードのWASDとマウスでキャラクターを操作し、クールタイムの設けられたスキルを使用していく。

本作には、共通のシステムとしてShift回避が用意されている。Shift回避は、気力を消費して発動し、短時間のダッシュ中すべてのダメージを避ける、全クラスで使えるスキル。強力ではあるものの、1度使用すると気力を半分ほど消費し、気力が尽きた状態から回復しきるまでには約10秒ほどかかるため連発はできない。また共通のアクションとしては、ウイングスーツを使った滑空も搭載されている。テストプレイでは、プロローグ終了後に少し進めると、NPCから風のウイングスーツというアイテムを獲得。装備すると、ロケットジャンプによって6メートルほどジャンプ可能になり、そのまま空中を滑空できた。



3クラスの特性

今回のテストプレイでは、プレイ時間の関係でひとつのキャラクターに絞ってプレイしても高レベル帯まで到達できないため、代わりに数クラスのスキルを確認した。実際に触ったのは、アサシン/ウォーロード/エレメンタリストの3クラス。その中から特徴的なスキルを挙げると、アサシンには、敵から姿を消し潜伏状態中に5メートル以内の敵ヘダメージを与えると、スタン状態を2秒間与え、相手を移動/スキル使用不能にするスキル「潜伏」が用意されていた。潜伏状態でダメージを受けると効果が解除されてしまうものの、PvPにおいて厄介な存在となりそうだ。

続いてウォーロードとしては、使用中に防御フィールドを展開し、自身と周囲の味方の防御力を上昇させるスキル「シールドブロック」が挙げられる。シールドブロックは、ボタンを押している間フィールドが展開される、盾で敵の攻撃を受け止めるようなスキル。シールドブロック発動中は、移動速度が減少するもののデバフ/行動不能への耐性も獲得し、攻撃を受けるとシールドカウンターが発動可能。PvEにおいても単に敵の注意を引きつけるだけの役割にはならないだろう。腕の見せどころがありそうだ。タンクスキルとしては、発動後8秒間盾の障壁を召喚してダメージを50%カットするスキル「インプレグナブル」も用意されていた。エレメンタリストでは、敵に氷結状態を与え数秒間移動を封じ、シールドブロックをキャンセルするフロストボルトが挙げられる。スキルとしては、前方に転移し再入力で元の場所へ戻る「次元歪曲:跳躍」も所持しており、トリッキーな動きもできそうだ。

こうしてスキルを挙げるとそれぞれ役割がはっきりしているように見える。しかし、そうした個性はクラスによって制限されないようだ。というのも、本作にはスキル特性やルーンストーンによるスキルのカスタマイズ要素が取り入れられている。ルーンストーンなどの組み合わせによっては、ウォーロードのスキルに周囲への回復効果を付与することで、回復役を担わせることも可能。そうしたカスタマイズ性が、本作の特徴の一つになっているそうだ。また本作の舞台であるハースでは、勢力間の争いが起こっており、プレイヤーもPvPとして戦いを演じる。しかし、必ずしもPvPをプレイしなければ強くなれないわけではなく、採集やハウジングなど生活系のコンテンツも用意されているそうだ。


ELYON』は、国内向けにはゲームオンからサービス開始予定。POTは9月24日から実施予定となっており、9月21日12時までの期間参加者が募集されている

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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