シューティングゲームのお祭り「シュー大祭」総振り返り。主催メーカーたちに、開催意図なども訊いた

シューティングゲームに特化した「シュー大祭〜シューティングゲーム大感謝祭〜」が、4月24日(土曜)と25日(日曜)の2日間に渡り、シティコネクション、ケイブ、ゲーセンミカド(INH)の三社合同で開催された。その内容を振り返りつつ、開催意図なども主催者に訊いた。

コロナ禍の影響で、JAEPOや東京ゲームショウといったゲーム関連のイベントがオンラインで開催されるようになった昨今。シューティングゲームに特化した「シュー大祭〜シューティングゲーム大感謝祭〜」が、4月24日(土曜)と25日(日曜)の2日間に渡り、シティコネクション、ケイブ、ゲーセンミカド(INH)の三社合同で開催された。

このイベントは2021年にシューティングゲームをリリースするメーカーが一堂に会し、発売中のタイトル紹介や新規・移植タイトルに関する最新情報を発表するというものだ。出展企業はシティコネクション、ケイブ、BEEP、サクセス、exA-Arcadia、G-MODE、グランゼーラ、MOSSと、さまざまなシューティングタイトルを現代に復刻している各社が揃い踏みとなった。


当記事ではイベント内で発表された新情報をピックアップしつつ「シュー大祭」開催に至るまでの企画発端や、2日間に渡って感じた手応え、そして第2回へ続く展望について、シティコネクション代表取締役社長・吉川延宏氏、ケイブ所属のコンポーザー・松本大輔氏、ゲーセンミカドの店長・イケダミノロック氏におこなったインタビューも交えて掲載する。

なお、本イベントのアーカイブはゲーセンミカドのYouTubeチャンネルにて公開されている。各コーナーの再生時間を下記にまとめたので、ぜひ再生しながら当記事を参照してほしい。

・「シュー大祭 ~シューティングゲーム大感謝祭~」1日目


00:00〜/OPENING ~ 春のシューティング祭2021スペシャルマッチ “nari vs『R-TYPE II』”
1:59:40〜/サクセス&BEEP&シティコネクション『コットン リブート!』「『コットン』30周年」
2:59:36〜/ケイブ『ゴシックは魔法乙女』
4:59:39〜/シティコネクション『R-TYPE ORIGINAL SOUND BOX』 ~ 春のシューティング祭2021スペシャルマッチ “かっつんvs『R-TYPE』”
6:58:56〜/彩京

・「シュー大祭 ~シューティングゲーム大感謝祭~」2日目

5:32〜/exA-Arcadia
1:05:41〜/G-MODEアーカイブス+
2:22:35〜/『雷電IV×MIKADO remix』“HM×HMRミニライブ”
3:04:20〜/『デススマイルズ I・II』
4:03:50〜/『R-TYPE FINAL 2』“史上最速プレイ”
5:03:35〜/ミカド PRESENTS “シューティング事件簿” ~ ENDING


新規タイトル・移植の初発表を目玉に、ファンアイテムやサウンドトラックに関する情報、生演奏のゲームミュージックライブ、全一(全国一位)スコアを有するスコアラーのスーパープレイなど、隅から隅まで余すことなくシューティングゲーム尽くしとなった当イベント。開催に至るまでの経緯について、吉川氏と松本氏はこのように語る。

吉川氏:
コロナ禍で東京ゲームショウもオンライン開催になってしまい、手がけているタイトルを表立って披露できる場がなく、我々もうずうずしていたんです。ゲームクリエイターって一見すると楽しそうな仕事に思われますが、ああいったイベントに出られるのは365日中のたった1日であって、残りの364日はPCに向かって地味な仕事をしてる人ばかりなんですよ。そういう方々が息抜きで楽しめるイベントがすべてなくなってしまったなか、ケイブの松本さんが「なにかイベントやりたいですね」って常々おっしゃっていたので「じゃあ、うちがやりましょう!」と。運営や段取りに割く人員や費用はどうするっていう話になりましたが、全部うちで引き受けることにして、場所と配信についてはミカドさんにお願いしたのが開催のきっかけです。

松本氏:
イベントが自発的にできない状況にあるなか、我々は「ないものを作る」ということをずっとやってきたわけで、場所がないなら作ろうっていうところからスタートしたんです。イベントの企画立案から開催までは実質2か月半ぐらいでしたが、みなさんのフットワークの軽さには本当に助けられましたし、吉川さんの決断には頭が上がりません。これだけのメーカーとタイトルが一堂に会してワチャワチャできるなんて奇跡ですよね。

本番に向けて、ミカドの事務所で進行を確認する吉川氏(写真左)、イケダ氏(写真中央)、松本氏(写真右)


ここからは「シュー大祭」で発表された各メーカーの発表をまとめてご紹介しよう。1日目の発表で大きな話題を呼んだのは、1997〜1998年にサクセスからリリースされた『コットン2』『コットンブーメラン』に加えて『ガーディアンフォース』を一挙に収録した『コットン ガーディアンフォース サターントリビュート』(PlayStation 4/Nintendo Switch)が9月30日に発売されることだ。この3作はセガサターン用ソフトとして移植されているが、現在の中古市場では2〜4万円というプレミア価格で取引されている。気軽に手が出しづらくなっているだけに、もう一度遊びたいというユーザーや、BEEPから発売されている『コットン リブート!』(PlayStation 4/Nintendo Switch)で『コットン』シリーズに興味を持った新規層にとっては喜ばしいお知らせとなった。また、『コットン』シリーズ生みの親であるサクセスからも「最新作をアーケード向けに開発している」と、同社所属のサウンドコンポーザー・WASi303氏が述べた。残念ながらゲーム中の画面やキービジュアルなどは披露されなかったが、ゲーム内容や稼働時期といった続報に今後期待したい。

『コットン』30周年記念プロジェクトの一環としてBEEPが発売した『コットンリブート』から、追加キャラクターのアプリ・ケ・パンプキンが登場することが新発表された。
『コットン ガーディアンフォース サターントリビュート』から『コットン2』のデモプレイをお披露目。ミスしても、一定時間プレイを遡ってやり直せる巻き戻し機能や、クイックセーブ&ロードも搭載され、短時間でも楽しめる仕様となっている。


ケイブからは、通販サイトBOOTH上で展開している「ケイブオンラインショップ」にて、「ケイブのうた」と「ゴシックは魔法乙女 オリジナルサウンドトラックIV」のダウンロード販売と、『ゴシックは魔法乙女』のアクリルキーホルダーやパーカーといったグッズ類の販売がアナウンスされた。「ケイブのうた」は、過去に開催されたファンイベント「ケイブ祭り」や「オンラインケイブ祭り」で販売されていたコンピレーションアルバムで、各タイトルに用意されたイメージソングを集めた一枚となっている。

「むちぽーきゅ!」(『むちむちポーク!』)や「どどんぱち大音頭」(『怒首領蜂大復活』)など、名(迷?)曲の数々が収録された「ケイブのうた」は、ケイブファンなら押さえておきたい一枚だ。
『ゴシックは魔法乙女』でカレン役の声優を務める田中音緒さん(写真左)をゲストに迎え、「シュー大祭」参加者同士によるスコアアタック大会も開催された


ゲームの移植に関する情報については2点。まずひとつは、フィーチャーフォン用ゲームアプリを忠実に再現するコンセプトで進行しているG-MODEアーカイブス+から『怒首領蜂大往生DX』がNintendo Switchで復刻されるという知らせだ。かつてケイブが展開していた携帯電話用ゲームアプリ販売サイト「ゲーセン横丁」ではアーケード版の各タイトルを忠実に再現したものに加え、『ドドンプチ零』や『弾幕検定死験』といったオリジナルゲームも存在していたので、今後のラインナップ増加にもついつい期待を寄せてしまうことだろう。気になる『怒首領蜂大往生DX』の配信日は未定とのことだが、追加のアナウンスを待ちつつ、プレイできる日を楽しみにしたい。

並木学氏が作曲を手がけたBGMを、フィーチャーフォン用アプリで再現した松本氏は、容量制限の苦労を語った。
ゲーセンミカドでもアーケード版『怒首領蜂大往生』の実演プレイを披露し、「大往生芸人」の肩書きを持つシティコネクションのちゃんたけ氏が『怒首領蜂大往生DX』のデモプレイを担当。「これは新鮮な気分で楽しめますね」と太鼓判を押した。


シティコネクションからは『デススマイルズ』『デススマイルズ メガブラックレーベル』『デススマイルズ II~魔界のメリークリスマス~』の3作を収録した『デススマイルズI・II』(PlayStation 4/Nintendo Switch/Xboxプラットフォーム)の発売日が12月16日に決定となったことが発表された。今回はNintendo Switchの開発機で動く『デススマイルズ』のデモプレイを交えながら、トレーニングモードの充実をアピール。「最終的な仕様に向けてモリモリと詰め込んでいる最中」とのことで、『デススマイルズ II』の披露についても機会があればお見せしたいと吉川氏は述べた。

各ステージに用意された1~3までのレベルを任意で選択しながら進行できるので、初心者から上級者まで楽しめる一作となっている。
追加されたトレーニングモードではステージや進行レベルのほか、キャラのライフやボム所持数などの細かい調整ができるようになり、練習の幅が広がっている。


1990年代のシューティングゲームメーカーで忘れてはならないのが彩京だ。現在ではシティコネクション傘下のゼロディブが開発をおこない、Nintendo SwitchやSteamで『ストライカーズ1945』シリーズや『ガンバード』シリーズ、『戦国』シリーズなどを展開しているが、前述の作品群が近日中にPlayStation 4とXboxプラットフォームでもリリースされることが、彩京ブランドプロデューサーの原神敬幸氏の口から発表された。また、PlayStation 5での展開も決定しており、独自機能としてトレーニングモードを追加するとのことだ。さらに新規情報として『ストライカーズ2020』の開発画面や自機の3Dモデルを先行公開。『ストライカーズ1945』および『ストライカーズ1945II』に登場したレシプロ機の登場をメインに据え、3Dモデルに起こした自機、敵機、背景をドット表現に近いデザインへ持っていくことを考えている最中だという。プラットフォームや発売時期は未定とのことだが、高速でばら撒かれる彩京弾とふたたび相見えるのが待ち遠しい一報となった。

初公開となった『ストライカーズ2020』の開発画面。上部には「10機撃破せよ」というミッションメッセージが表示されているほか、右枠のガジェットにはステージマップやスコアアイテムである金塊の数が示されている。
『ストライカーズ1945II』に登場した機体から、直進レーザーが強力やフライングパンケーキと、「男ならこれを選べ!」で有名なライトニングの3Dモデリングを披露。ショットの溜め撃ちやボムの効果がどうなるのか楽しみだ。


「シュー大祭」のなかでもビッグタイトルとして扱われた『R-TYPE』シリーズに関連する情報として、シティコネクション/クラリスディスクが発売した「R-TYPE ORIGINAL SOUND BOX」と、シリーズ最新作かつ約18年ぶりの続編となった『R-TYPE FINAL 2』(PlayStation4/Nintendo Switch/Xboxプラットフォーム/Steam)のコーナーがそれぞれ設けられた。

アーケード、家庭用ハード、国産PCでリリースされた『R-TYPE』シリーズ全作品のBGMを網羅した「R-TYPE ORIGINAL SOUND BOX」の発売記念トークショーにはレコーディングエンジニアを務めたクラリスディスク・プロデューサーの辻坂健次氏とディレクターの山本悠作氏が登場。アーケード基板や家庭用ソフトだけではなく、PC-88VAといったパソコンやPlayStation Portableでリリースされた『R-TYPE TACTICS』の音声収録に関わる苦労や裏話を披露。また。海外では5枚組アナログレコードが発売されることも新規情報として発表された。

ブックレットのインタビューやパッケージデザインへのこだわりを語る山本氏(写真左)と、「初代『R-TYPE』のタイトル画面で表示される文字が少しズレる」といった小ネタを交えながらトークを進める辻坂氏(写真中央)。
「R-TYPE ORIGINAL SOUND BOX」に関する続報として、5枚組アナログレコードも販売されることが発表された。シティコネクションの通販サイト「クラリスショップ」でも取り扱われるとのことで、気になる人はチェックしてみてほしい。


『R-TYPE FINAL 2』のコーナーでは、グランゼーラのプロデューサー・松尾悟郎氏が登場。現在配布されている体験版ではステージ1のみプレイ可能だが、当イベントでは史上最速プレイと題し、ステージ4までのデモプレイが披露された。今後のアップデート情報として、歴代の『R-TYPE』シリーズから選ばれたオマージュステージが追加される「ステージパス」に関する発表も。再生されたPV内では『R-TYPE ⊿』の1面や『R-TYPE』の3面などが登場し、ファンからの驚きと喜びに満ちたチャットコメントも多く寄せられた。「ステージパス」第1弾には『R-TYPE III』と『R-TYPE LEO』が収録されるとのことだが、配信時期や価格は未定。松尾氏は「アップデート自体は長く続けていき、ステージや自機を出していこうと考えていますので、みなさんについてきていただければと思います」と述べた。

メカのカッコよさとグロテスクなステージデザインが合わさった『R-TYPE』らしい演出が窺えるステージ4。先のステージではなにが待ち受けているのか戦々恐々だ。
『R-TYPE LEO』からは、プレイヤーの行動範囲を狭めるギミックが特徴的なステージ5が選出された。また、自機・LEOは無料アップデートの追加機体として登場するとのこと。


アーケードゲーム用のexA-Arcadiaからは、NMKが開発・ジャレコが販売をおこなった横スクロールシューティングゲーム『P-47 ACES』(1995年)の再現と大幅リメイクを施した『P-47 ACES改』が発表された。オリジナルの画面サイズである4:3モードに加え、画面の視認性が向上した16:9モードも追加し、旧来のタイトルが遊びやすさと新鮮さを持って蘇った印象を受けた。さらに4人同時プレイにも対応しているとのことで、仲間内でワイワイ言いながら楽しむこともできそうだ。

exA-Arcadiaのジェームス・ラグ氏(写真右)による通訳のもと、『P-47 ACES』への並々ならぬ愛情を語るアレックス・マーシャル氏(写真中央)。ジャレコのIPを有するシティコネクションの吉川氏は、連絡を受けた際は非常に驚いたという。
さまざま玩具・模型商品の箱絵を手掛けたデザイナー・天神TENJIN英貴氏によるキービジュアル。4機の機体がいまにも飛び出しそうな躍動感にあふれている。


4月22日にNintendo Switchで発売されたMOSSの『雷電IV×MIKADO remix』からは、ゲームミュージックバンド「HEAVY METAL RAIDEN」でギタリストを務めるイケダ氏とWASi303氏、『ソニックウイングス2』『ソニックウイングス3』の作曲を担当した細井そうし氏、ケイブの松本氏によるHM×HMRがミニライブを披露。また、この日に合わせて再販された「ゲーセンミカド限定版」の店舗別案内や、5月13日に発売される「RAIDEN IV x MIKADO remix Original Sound Tracks Mikado Edition」の予約受付、オープニングムービーやメニュー画面のBGMが差し替えとなるアップデート情報、そして6月26日に小岩ライブシアターオルフェウスで開催されるライブイベント「ゲースキ!2」の告知も併せて行われた。

ミニライブ会場へと変貌を遂げたステージ上から爆音を轟かせたHM×HMR。「RAIDEN IV x MIKADO remix Original Sound Tracks Mikado Edition」に付属するおまけCDには、新規レコーディングが収録されている。


充実した内容をユーザーに届けた「シュー大祭」だが、吉川氏は意図してシューティングゲームを揃えたわけではなく、メーカー間での付き合いやリリース・告知のタイミングが重なる偶然性によるものだと話す。

吉川氏:
「シューティングゲームやゲーム業界のために」というよりは、「コロナ禍という状況下にあるなか、自分たちのゲームを自分たちで宣伝したい」というのが一番なんですよね。ただ、このメンバーでやるのであれば「ゲームフェス」と銘打って広くぼんやりするより、いっそ「シューティング祭り」にしたほうが集まりもいいし、我々もイベントの構成が組み立てやすいし、いまならネタもいっぱいある。そういう意味でシューティングに限定したイベントにしました。シティコネクションはシューティングゲームに特化しているわけではないのですが、いろいろなタイトルを手がけていくなかで『ゲーム天国 CruisinMix』や『サイヴァリア デルタ』といったリメイクを発表した際、ユーザーからの反響の大きさに手応えは感じていました。

「シュー大祭」の会場となったのはイベントスペースやレンタル会議室ではなく、高田馬場ゲーセンミカドの一角だ。この場所を選んだ理由は、ゲーム好きが集まる場所というコミュニティの側面と、ミカドが持つ発信力の高さだという。

吉川氏:
アクションやRPGだとものすごく広いですが、シューティングゲームは共通の文法としてすごくわかりやすいですし、コミュニティの集まりにすごく向いているなと思ったんです。シューティングゲームが盛り上がっている場所や好きなお客さんは共通していますし、 であるならば場所はミカドでやるほかないだろうと。YouTubeのチャンネル登録者数も8万5千人という数字を持っているうえ、遊びに来たことがないという人でもゲーセンミカドは知られていますからね。

また、イベントスペースの貸し出しや配信のアテンド、そしてイベント中のMCを務めたミカド店長のイケダ氏も、ゲームセンターとシューティングゲームが持つ相性の良さに着目している。

イケダ氏:
ゲーセンで家庭用ソフトの発表会をするのって相反しているように見えますけど、アクションゲームやシューティングゲームに関して言えば、もともとアーケードゲームの一ジャンルだから親和性が高いんですよ。特にミカドへ遊びに来るお客さんや配信を見てくれる方々ってアーケードゲームが大好きなので、莫大な広告宣伝費をかけて不特定多数の人たちに届けるより、特定のジャンルやゲームが好きな人のもとへ確実に響くんですよ。ライブあり、スーパープレイあり、トークショーありというミカドらしいイベントができたなと思います。『R-TYPE FINAL 2』プロデューサーの松尾さんがおっしゃってましたけど、時間が経った分、できることって増えるものなんですよ。新宿時代のミカドは狭かったのでイベントもしづらかったし、いまみたいにYouTubeやニコニコ動画での生配信も手軽にできなかった。でも、ここ数年で生配信も手軽にできるようになったし、ミカドが高田馬場に移ってからは店も広くなったし、照明や機材を揃えたことでイベント会場として恥ずかしくない環境になった。つまり我々が切れるカードの枚数が増えたんですよ。

ミカドで行われている「シューティング祭り」のスペシャルマッチとして、『R-TYPE』の全一スコアを保持するかっつん氏(上)と『R-TYPE II』の元・全一プレイヤーであるnari氏(下)によるスーパープレイも披露。
ステージ設営、配信、音声、照明を担当したミカドスタッフの川島氏(写真右)と深町氏(写真左)。縁の下の力持ちによって、事故なくイベントは進行していたのだ。


配信中に書き込まれたチャットコメントをこまめに拾い上げていた松本氏だが、ユーザーやファンと交流を図ることで、これからの興味やきっかけを持ってくれる要因になってくれるはずだと話す。

松本氏:
リアルタイムでコメントを書いてくれるなんて、こんなに嬉しいことはないですから、コメントの拾い上げは絶対にやりたいと思っていたんですよ。興味があるからコメントしてくださっているので、そこに反応したかったし、我々との距離感を身近に感じてくれることで、新作ソフトの情報をチェックしたり、ゲーセンに足を運んでくれるきっかけになってくれたらいいなと。僕もかつてはゲーム業界に憧れる一プレイヤーでしたから。

気になるのは次回の開催についてだが、他社を巻き込んで輪を大きくしたいという思いは吉川氏と松本氏に共通しているようで、第二回に向けた意気込みについての展望と感想をこのように語った。

吉川氏:
いろんなメーカーさんにもお声掛けしたかったんですが、今回は準備期間も短かったうえ、段取りや進行管理はうちの社員がほぼひとりでやっていて、決して万全の状態ではなかったんですよ。そういった状況下で他メーカーさんをお招きした場合、なにかあった際の責任が取れなかったんですね。なので、まずは身内に近いメンバーで一回やってみようと。イベントを終えたばかりの率直な感想としては第二回をやりたいですし、準備にも時間をかけて各社さんの協力を仰ぎたいと思います。

松本氏:
自分が見てもワクワクするようなイベントでしたし、一回だけで終わらせたくないですよね。極端な話、新作の発表がなくてもいいと思うんです。メディアやSNSを通じて情報を発信していても、まだ届ききってないところがあるのを感じてますし、こういったイベントを通じて「これって発売されてたんだ!」や「あれの移植が出るの?!」と知ってもらいたいですね。吉川さんやイケダさんとは普段から個人的にお付き合いさせてもらってますが、会社同士となると好き勝手にできない部分は当然あります。でも、みなさんが願うところは「みんなにゲームで遊んでもらいたい」という思いですし、そこだけは絶対にブレちゃいけないんですよね。「シュー大祭」を見て「いいな」と思ったメーカーさんがいたら、ぜひ一緒にやりましょう!

ゲームが好きな人が集まるゲームセンターだからこその活動・営業方針として、イケダ氏は家庭用ソフトのプロモーション活動について意欲的な姿勢を見せている。

イケダ氏:
ゲームプレイの配信や開発者トークショーといったイベントの実施、取り扱い店舗さんに足を運んでポスターを配るなど、ミカドではこれまでにゲームソフトの販促イベントを数え切れないほどやってきてるんです。古くはXbox 360の『ライデンファイターズエイシズ』、直近だと『アストロシティミニ』ですね。こんな時代なので、店舗営業だけじゃなくて家庭用ゲームのソフトをリリースされるメーカーさんとのコラボやプロモーション活動の場としてミカドを成長させていきたいですね。


「走り出したら止まらない」をモットーとするシティコネクションの機動力と、シューティングゲームメーカーの重鎮であるケイブの存在感、そして集客と宣伝に長けたゲーセンミカドによる屋台骨だからこそ組み上げることができたイベントだと実感した。単機で挑むのではなく、友軍を引き連れてパワーアップする様はまさにシューティングゲームのような魅せ方だったといえるだろう。松本氏がインタビューで述べた「みんなにゲームで遊んでもらいたい」という思いに対し、一シューティングゲームファンとして楽しむ姿勢を見せていきたいと改めて思った次第だ。

・シュー大祭 特設サイト
https://shootersfes.com/






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Takuya Kudo
Takuya Kudo

1989年生まれ。UNDERSELL ltd.所属。ビデオゲームとピンボールをこよなく愛するゲームライター。新旧問わない温故知新のゲーム精神をモットーに、時代によって変化していくゲームセンターの「いま」を見つめています。

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