ヴァンパイア・アクションRPG『Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2』開発者インタビュー。日本語PS4版が発表された、カルト的人気作の続編【TGS2019】

ヴァンパイア・アクションRPG『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』TGS2019開発者インタビュー。日本語PS4版が発表された、カルト的人気作『Vampire: The Masquerade - Bloodlines』の続編について、Paradoxのシニア・プロデューサーに話をうかがった。

Paradox InteractiveとDMM GAMESは9月12日、ヴァンパイア・アクションRPG『Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2』(以下、Bloodlines 2)の日本語PS4版を世界同時リリースすることを、東京ゲームショウ2019にて発表した(2020年発売予定)。本稿では東京ゲームショウ2019期間中に行なった、Paradox Interactive(以下、Paradox)のシニア・プロデューサーChristian Schlütter氏へのインタビュー内容をお届けする。

https://youtu.be/Bc6urcYt0fU

*開発者コメンタリー付きの海外向けゲームプレイ映像

2004年に発売された前作『Vampire: The Masquerade – Bloodlines』は、TRPGシリーズ「World of Darkness」の「Vampire: The Masquerade」をもとにしたアクションRPG。ヴァンパイアに成り立ての主人公が、現代ロサンゼルスを舞台に、ヴァンパイア社会の熾烈な派閥抗争に巻き込まれていく。

前作は開発が難航したこともあり、数多くの不具合を抱えたままリリースされたのだが、類を見ない高品質の脚本や台詞により今でもカルト的人気を誇っている。そして15年の時を経てリリースされる『Bloodlines 2』では、前作のライターBrian Mitsoda氏が続投。舞台を米国シアトルに変え、血を巡る新たな争いが勃発する。

 

情熱により始動したIP再生プロジェクト

Paradox Interactive シニア・プロデューサー Christian Schlütter氏

───Paradox Interactiveは2015年にWhite Wolf(「World of Darkness」のパブリッシャー)を買収しましたが、その狙いを教えていただけますか。

Schlütter氏:
答えは簡単です、「World of Darkness」フランチャイズが大好きだからです。ParadoxにはTRPG好きのスタッフが多く、上層部には自分でオリジナルのTRPGフランチャイズをつくった者すらいます。そのため「World of Darkness」のライセンスを取得するチャンスが訪れた時には、獲得に向けてすぐに動き出しました。

───ライセンス取得後、最初のゲーム化プロジェクトとして「Vampire: The Masquerade」を選んだ理由は何ですか。

Schlütter氏:
「World of Darkness」ライセンスを用いたゲーム化にあたっては、『Vampire: The Masquerade – Bloodlines』シリーズが旗艦商品になるとわかっていました。当初の計画では、まずは他の「World of Darkness」作品を出してから『Bloodlines』を蘇らせるつもりだったのですが、いざ「World of Darkness」ライセンスの取得を発表してみると、Hardsuit Labsがどうしても『Bloodlines』の続編をつくりたいと、すぐさま企画案を練り始めたのです。情熱あふれるHardsuit Labsの優秀なチームと、前作のライターBrian Mitsoda氏の企画参加。この機会を逃すわけにはいかないと、『Bloodlines 2』の開発を真っ先に始めることにしました。

───開発元となるHardsuit Labsについて教えてください。

Schlütter氏:
Hardsuit Labsは経験豊富なベテランスタッフが多く在籍しているスタジオです。『Gears of War』シリーズや『Middle-earth: Shadow of Mordor』といった大型タイトルの開発に携わったメンバーが2010年代のはじめに設立しました。とてもインクルーシブなスタジオで、現在は70人以上が『Bloodlines 2』の開発にあたっています。私たちと同じくらい『Bloodlines』が好きなスタッフが集まっており、一緒に仕事をしていて楽しいです。

───ParadoxとHardsuit Labs、両者ともTRPGおよび「World of Darkness」が大好きなのですね。

Schlütter氏:
そのとおりです。Paradoxのオフィスでは、毎日夕方になると2〜3組はTRPGを遊んでいますよ。Hardsuit Labsも似たように、毎週「Vampire: The Masquerade」のTRPGを遊ぶグループが存在します。

 

ヴァンパイア社会の抗争、濃厚な物語

前作『Vampire: The Masquerade – Bloodlines』

───前作は日本語に公式翻訳されていないため、日本では遊んだことのあるユーザーが少ないと思います。前作未プレイ者向けに、『Bloodlines』の魅力を教えていただけますか。

Schlütter氏:
2004年に発売された『Bloodlines』は、ロサンゼルスを舞台にしたRPGです。「World of Darkness」版のロサンゼルスとして、当時の文化や社会情勢をうまくとらえることに成功した作品だと思っています。「World of Darkness」の作品では常に、現代社会およびそこで起きる問題を描きつつ、ヴァンパイア・人狼・幽霊といった超自然的な要素を加えています。ただのゴシックファンタジーではなく、現実社会の描写と超自然的要素がうまく組み合わさっていた点が、多くのプレイヤーに響いたのだと思います。

特にBrian Mitsoda氏による脚本は評価が高く、枝分かれする物語やヴァンパイア社会の派閥争い。さらには会話だけで乗り切ったり、戦闘で押し切ったりといった幅広いプレイスタイルに対応するナラティブが『Bloodlines』の要となっていました。

───それらの要素は『Bloodlines 2』でも期待できますでしょうか。

Schlütter氏:
はい。『Bloodlines』よりもさらに大きな作品にする計画がありまして、その上でMitsodaを再び迎え入れることができたのは喜ばしい限りです。また前作では肩入れできる派閥が1〜2種類に限られていましたが、『Bloodlines 2』では合計で5つの派閥(ファクション)のもとで働くことができます。途中で派閥を変えたり、裏切ったり、さらには同時に2つの派閥のために動いたりと、『Bloodlines 2』のヴァンパイア社会は前作よりも複雑な構造となっています。

───具体的には、どのような派閥があるのでしょうか。

Schlütter氏:
舞台となるシアトルでは、5つの派閥が街の血を巡る抗争を繰り広げており、現時点ではそのうちのPioneersとCamarillaを公表しています。Pioneersはシアトルにおけるヴァンパイア社会の創設者たちであり、Lou Grandという洗練された佇まいの女性ヴァンパイアが率いております。ちなみに、Louはシアトルに実在した歴史上のとある人物を参考にしています。

長らくシアトルのヴァンパイア社会を支配してきたLouですが、現在はCamarillaのプリンスAlec Crossにその座を奪われております。Alec Crossは、現代における権力は城や政治ではなく高層ビルから街を見下ろす大手テック企業の重役たちが握っていると理解していました。よってCrossはシアトルのビジネス地区であるサウス・レイク・ユニオンに拠点を設けています。

*本インタビュー実施後、第3の勢力として地下犯罪組織「Baron」が発表されている。

───Camarillaは前作にも登場しましたが、『Bloodlines 2』をプレイする上で、前作や「World of Darkness」について知っている必要はございますか。

Schlütter氏:
ゲームを理解する上で必要な情報はゲーム内で提示するようにつくっています。そのため前作をプレイしている必要はありません。ただ、前作を知っている方であれば、ところどころで繋がりが見えてくるかもしれません。

───前作と物語上の繋がりがあるのでしょうか。

Schlütter氏:
前作の発売から15年が経過していますが、ゲーム内の世界も同じく、前作の出来事から15年後という設定になっています。前作の出来事を受けての物語としつつも、舞台はロサンゼルスからシアトルに変わり、登場人物・派閥を一新した、全く新しいストーリーラインが展開されます。もちろん、「World of Darkness」の物語全体像や、現代のアメリカ西海岸やヨーロッパで起きた出来事も踏まえて開発を進めています。

───前作から改善しようと思っている部分は何ですか。

Schlütter氏:
前作はナラティブ面で優れていましたが、戦闘はそうでもありませんでした。『Bloodlines 2』では、あらゆる側面においてヴァンパイアになった気分を味わってもらえるよう、移動や戦闘にも力を入れています。建物の屋上に登ったり、真下の敵にダイブしたり。五感を研ぎ澄ます「Hightened senses」モードでは住民たちの血液の種類や味を確認することもできます。

───確かに、これまでに公開されたゲームプレイ映像を見る限り、垂直のマップ構造やアクションが多いように感じました。意識的にそのようなレベルデザインにしたということですね。

Schlütter氏:
プロジェクトを開始した当初から、住民を尾行したり、屋上から街を見下ろしたりと、移動中もヴァンパイアになったような感覚を味わってほしいと考えていました。プレイヤーが望めば、建物の屋上をつたって移動できるようにデザインしています。

 

犯罪の歴史の上に築かれた街、シアトル

───新作の舞台としてシアトルを選んだ理由を教えてください。Hardsuit Labsはシアトルに拠点を置いているので、世界観を構築しやすいという意図もあるかと思いますが、そのほかの理由もお聞きしたく。

Schlütter氏:
確かにライターのMitsodaもシアトルに10年近く住んでいますが、それだけが理由ではありません。シアトルは長き犯罪の歴史の上に築かれた街でして、ヴァンパイア社会の物語を描く上で適していると考えたのです。また不可解な現象が多発してきた場所でもあり、超自然現象を扱うゲームとしても相性が良いのです。たとえばシアトルでは100年以上前、大火災により街の大半が壊滅しました。そこから復興する際、それまでの道路や店舗を埋めるようにまとめて舗装し、地盤を上昇させてから再建したのです。そのためシアトルの地下には、火災により廃墟化した旧シアトルが広がっています。『Bloodlines 2』の物語は、まさしくその地下街から始まります。

───超自然現象でいうと、前作には「Ocean House Hotel」といったホラーテイストのクエストがありました。『Bloodlines 2』では、シアトルで起きた不可思議な現象も参考にしているということで、そうしたホラー色の強いクエストが用意されるのでしょうか。

Schlütter氏:
はい。ただ詳細はまだお伝えできません。前作のファンが「Ocean House Hotel」のクエストを気に入っていることは認識しており、その期待に応えられるようなクエストを『Bloodlines 2』でも取り入れようと考えています。

前作のOcean House Hotel

───楽しみにしております。また『Bloodlines』らしいサイコロジカルなホラー要素も期待できますでしょうか。

Schlütter氏:
『Bloodlines 2』がサイコロジカルなホラーゲームであることに変わりはありません。そもそもヴァンパイアを扱う『Bloodlines』シリーズは、人狼の「Warewolf」などと比べてサイコロジカルな作風になりやすい傾向にあります。他者を感化したり、誘惑したり、派閥間の政治的な駆け引きがあったり。ヴァンパイアは人々の生き血だけでなく、感情をも吸い取っているわけですから。

───マップサイズは前作よりも大きくなるかと思いますが、マップ構造は前作のものを踏襲するのでしょうか(前作のマップは、サンタ・モニカ、ダウンタウン、ハリウッドといった複数のエリアに分かれていた)。

Schlütter氏:
オープンワールドにすべきか議論を重ねた結果、前作に近いマップ構造を採用するという結論に落ち着きました。『Bloodlines 2』には自由に探索できる大きなハブエリアがいくつかあり、プレイ時間の大半はそれらで過ごすことになります。また私たちが「スポーク」と呼んでいるミッション専用マップも複数あり、前作でいう「Ocean House Hotel」「Museum」のように、ミッションを終えたらハブエリアに戻ってくることになります。

 

ロールプレイの方向性が明確な5つのクラン

───『Bloodlines 2』でプレイヤーが選択できるクランは5種類とお聞きしています。Malkavian、Tremere、Toreador、Ventrue、Brujah。どのような基準でこの5種類を選んだのですか。また、前作に登場したNosferatuとGangrelをプレイアブル・クランから除いた理由を教えてください。

Schlütter氏:
「World of Darkness」を知らないプレイヤーでも、ロールプレイの方向性が明確になるようなクランを選びました。Tremereは魔法使いで、Brujahは格闘タイプといったように、一般的なRPGプレイヤーでも役割が分かりやすいクランがある一方で、NosferatuやGangrelは理解に時間が必要となります。そうしたクランについては、まず「World of Darkness」について人々に知ってもらってから検討します。なお、ゲームのローンチ後には無料DLCとしてプレイアブル・クランを追加する予定です。数や種類など詳細についてはまだお伝えできません。

───マップが大きくなると、人の目から隠れなければならないNosferatuは実装が難しくなるのかなとも思うのですが、そうした懸念もありましたか。

Schlütter氏:
難しいと思いますし、前作のNosferatuは素晴らしかったものの、何も知らない1周目からNosferatuを選択すると楽しめなかったと思います。

───精神的な病を抱えたMalkavianの構築にあたっては、精神疾患についての入念な調査を行なったとお聞きしています。Malkavianは前作でも特殊な立ち位置でしたが、調査の結果としてプレイ体験にどのような影響が与えられるのでしょうか。

Schlütter氏:
前作のように他のクランとは異なるゲーム体験になることは間違いなく、全く異なる台詞があったり、他のクランでは見えないものが見えたり。街の人々話しかけた時の反応も大きく違います。前作が発売された2004年当時は、まだ精神疾患に関する研究が現在ほど発展していなかったのですが、『Bloodlines 2』ではより成熟した描写になるよう注力しました。

───1周目からMalkavianを選んでも支障はないでしょうか。

Schlütter氏:
前作のプレイ傾向について調査したところ、多くのプレイヤーはゲームを2周遊んでいました。そして、1周目では自分の好きなクランを選び、2周目では異なるプレイ体験を求めてVentrueで嫌な奴になりきるかMalkavianとして遊ぶという傾向が見られました。『Bloodlines 2』でも、1周目は他のクランを選び、2周目はMalkavianとして何が変わるのか確かめるという遊び方をオススメしたいのですが、1周目からMalkavianを選んでも楽しめると思います。

───Schlütterさんが『Bloodlines 2』で一番好きなクランはどれですか?

Schlütter氏:
Malkavianです。ゲームを始めるときに、どのクランを選ぶべきか診断テストを受けられるのですが、私はMalkavianでした。ちなみにプロジェクトメンバーには全員クラン診断テストを受けてもらっているので、誰がどのクランの人間かわかるようになっています(笑)

前作の診断テスト

 

進化した戦闘と、感情により味が変わる吸血システム

───今作の戦闘や武器について教えてください。

Schlütter氏:
最大の武器はヴァンパイアである主人公自身です。もちろん、拾った武器はなんでも使うことができますし、選択したDiscipline(ヴァンパイアの力)によっては念力のように敵の手から武器を奪い取ることもできます。落ちていた武器を拾い、それを使って相手を殴っては捨て、ヴァンパイアの力を使ったり銃を撃ったり……といった、積極的かつ展開の早い戦闘を目指しています。

───ゲームプレイ映像を見るかぎり戦闘はほとんど一人称視点のようですが、前作のような三人称視点への切り替えはないのでしょうか。

Schlütter氏:
建物から飛び降りるときや、クラブでダンスするときといったように、三人称視点で自分のキャラクターを見れる場面もありますが、基本的には一人称視点のゲームとしてつくっています。前作のような戦闘中の視点切り替えは、洗練されていたとはいいづらいです。より直接的な戦闘体験にする上でも、一人称視点はゲームに合っていると考えています。ただ、カスタマイズしたキャラクターの姿を見たい方は多いと思いますので、三人称視点になる箇所も用意しています。

───NPCが抱いている感情によって血の味が異なるという、「Resonance」メカニックについて教えていただけますか。

Schlütter氏:
これはTRPG「Vampire: The Masquerade」の最新版や『Bloodlines 2』で導入される新しいメカニックです。Resonanceは端的に言うと血の味であり、人によってワインの好みが異なるように、ヴァンパイアにも好みの血の味があるわけです。先述したHightened Sensesモードに入ると各NPCの血の味がわかるようになります。血の味によって異なる色で表示されるのです。

血の味を決めるのは、そのNPCの感情です。たとえば誰かから攻撃された人間は、怒りや恐れといった感情を抱き、それが血の味として表出します。恋愛関係を育んでいた人間であれば、欲望の味がするかもしれません。感情を抱くことのできないヴァンパイアにとって、そうした感情が反映された生き血は美味しく感じるのです。

ゲームプレイへの影響としては、特定の味(Resonance)を繰り返し吸血していくとボーナス効果(メリット)を得ることができます。たとえば怒りのResonanceを何度も摂取すると近接攻撃ボーナスを獲得します。また大量のResonanceを保有するNPCの血を吸うとラッシュ状態となり、一定時間だけ大きなボーナス効果を得ることができます。血は本作の要となる要素であり、このResonanceメカニックにも、プレイヤーのロールプレイ体験を強化するという狙いがあります。

───逆に主人公が嫌いな血の味というのも設定されるのでしょうか。

Schlütter氏:
血の好みはプレイヤー次第です。近接戦闘が好きなプレイヤーであれば自然と怒りの味を欲するようになるでしょうし、恋愛や誘惑を繰り返すプレイヤーであれば欲望の味を欲するようになるでしょう。そうした行動に対応したボーナス効果を得られるからです。高貴なVentrueクランは吸血対象とする血にいくらか制限が設けられますが(※)、基本的にはプレイスタイルに合わせて自分の好みを決めることになります。

*前作のVentrueは、デメリットとして動物の血を吸えなかったり、下流階級の人間から血を吸うと吐き気を催す可能性があった

───非殺傷クリアは可能ですか。

Schlütter氏:
できないです。ただ戦闘の多くは回避できますよ。会話の選択肢であったり、敵に見つからないルートを見つけたり、ヴァンパイアの力を使ったり。注意深く周囲を観察することで交戦を避ける手段が見つかることもあるでしょう。

───罪のない住民を殺害してしまった場合、どうなりますか。

Schlütter氏:
本作には「Masquerade(マスカレードの掟)」「Humanity(人間性)」というふたつのシステムがあります。マスカレードの掟とは、ヴァンパイアの存在を人間たちに知られてはいけないという、ヴァンパイア社会のルールのことです。そのため街中でヴァンパイアの力を使用することは認められていません。マスカレードの掟を破ると、街の住民が外出を控えたり、巡回する警官が増えたりといった、人間社会への直接的な影響も見られるようになります。ただ、一番恐れるべきは人間の警官ではありません。何度も掟を破っていると、街のプリンスであるCrossに目をつけられ、あなたを排除しようと部下のヴァンパイアが襲ってくるようになります。なお失ったマスカレードの掟レベルは回復することが可能です。

もうひとつの人間性は、ヴァンパイアになった主人公が、どれほど人間らしさを保持しているかを示すパラメーターです。たとえば吸血時に血を奪いすぎると相手を殺してしまい、人間性を失います。すると人間のふりをすることが難しくなり、会話の選択肢が減っていきます。またNPCがあなたの人間らしからぬ雰囲気を感じ取り、違った反応を示すようになります。このようにマスカレードの掟と同様、ゲームプレイに影響を及ぼすのです。

 

初日からModサポート

『Vampire: The Masquerade – Bloodlines』

───前作が今でもカルト的人気を誇っている要因のひとつとして、Modコミュニティの存在が挙げられると思います。とくにUnofficial Patch Modのおかげで、より多くのプレイヤーが前作を快適に遊べるようになりました。『Bloodlines 2』においてもModサポートは考えていますか。

Schlütter氏:
もちろんです。ローンチ時点でModサポートをつけます。前作のModコミュニティは素晴らしかったですし、新作においても可能な限りサポートしたいと考えています。

───クリアまでの平均所要時間はどれくらいになりますか。

Schlütter氏:
プレイヤー次第ではありますが、サイドクエストや収集要素をほどほどにこなしつつメインストーリーを進めていった場合、25〜30時間になると見積もっています。

───前作の台詞および声優の演技は高く評価されました。『Bloodlines 2』でも声優のキャスティングには力を入れていますか。また、前作から再出演する声優さんもいますか。

Schlütter氏:
はい。現時点ではまだキャスティングを発表できないのですが、優れた声優陣が集まっています。再出演については……何人かいるかもしれませんね。

───リード・ライターのCara Ellisonさんは海外メディアのインタビューにて、前作の男性的なパワーファンタジーよりも幅広いプレイヤー層に楽しんでもらえるよう配慮していると語っていました(Rock Paper Shotgun)。やはりゲームとしてインクルーシビティを強く意識しているのでしょうか。

Schlütter氏:
ParadoxとHardsuit Labsはとてもインクルーシブな会社であり、さまざまな国籍・文化・アイデンティティのスタッフが集っています。ゲームにおいても、幅広い方々に楽しんでもらいたいと考えていまして、たとえばキャラクター作成時には外見と代名詞は別項目として設定できます。

───DMM GAMESとパートナーシップを結んだ理由を教えてください。

Schlütter氏:
彼らのことが好きですし、没入感の高いゲームやホラーゲームに対する情熱も強いので、理想的なパートナーだと思っています。

*本作はParadoxとDMM GAMESがはじめてパートナーシップを結んだタイトル。DMM GAMESは主に国内PS4版のマーケティングを担当している。

───最後に、ナラティブ重視のアクションRPGが好きな日本のゲーマーに向けて、メッセージをいただけますか。

Schlütter氏:
『Bloodlines 2』には、枝分かれする濃厚なナラティブや、幅広いプレイスタイルへの対応など、魅力がたくさん詰まっています。発売された際には、日本の皆さまに楽しんでいただけることを願っています。

───ありがとうございました。

 

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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