SIE新作試遊会レポート。『CoD:MW』『アッシュと魔法の筆』など4作品をまとめてお届け【TGS2019】

TGS2019 SIEブース試遊会レポート。今回は『CoD:MW』『アッシュと魔法の筆』『マーベルアイアンマンVR』『MONKEY KING ヒーロー・イズ・バック』の4作品のレポートをお届け。

今月9月12日~9月15日にかけて幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2019。その一角にあるソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)のブースでは、新作に次ぐ新作を体験できる試遊台が所狭しと並べられ、まるでビュッフェのような大賑わいを見せていた。時間の許す限り体験してきたSIEの新作たちが如何様なものだったのか、まとめてレポートをお送りしたい。

 

『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』

まず筆者がはじめに遊んだのは2007年に発売された『コール オブ デューティ4モダン・ウォーフェア』のリブート作品となる『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』。2019年現在を舞台に、再構築された現代戦が楽しめる。

東京ゲームショウでは試遊者がそれぞれ6人ずつのチームに分かれ、3本先取の戦いに挑む。具体的な内容としては、基本的な対戦形式である「チームデスマッチ」が2戦。指定地域を制圧し続ける時間でポイントを稼ぎ競う「ドミネーション」が1戦。チームデスマッチのうち初戦は夜戦の形式を採っており、暗視モードで視界を確保しつつ戦うものとなっていた。

情けないが筆者はFPSゲームのプレイが苦手であり、所属チームのお荷物になることは必然。勝利チームにはTシャツが贈呈されるということもあって、待機中の筆者には、会場の喧騒よりも騒がしい胸騒ぎが沸き起こっていた。新発売のプロコンを握り、チーム内連絡用のヘッドセット取り付けいざ戦場へ……。暗視モードの視界で行う銃撃戦は特に暗くて見にくいということはなく、プロコンはしっかり手にフィットしており、エイムの阻害は特に感じられない。それでも夜戦は夜戦ということで死角となる箇所は昼間と比べて大幅に多く、不慣れな筆者はすぐ倒されてしまう。勝手に落胆している中、こだまのように聞こえて来るのは「カット(敵を倒し)しました」という声。勝利の掲示の後に確認できたリザルト画面に写っていたのは、筆者の数倍のスコアを誇る英雄達の存在であった。後半にはひたすらに味方を蹂躙する小さな戦車の登場や、空爆が降り注ぐ場面もあったが、最終的にストレートで勝利。この場を借りて戦いをともにした英雄達にお礼をしたいと思います。ありがとうございました。

 

『アッシュと魔法の筆』

現代戦の後に向かったのは、今年ドイツで行われたgamescom 2019でも賞を獲得している『アッシュと魔法の筆』のブース(PlayStation 4版)。今回の試遊版では如何にも「閑散」という言葉が似合う港町をアッシュが持つ不思議な筆の力で明かりを灯し、きらびやかな世界に変えていくという体験ができる。

プレイを開始してまずプレイヤーが描くのは、相棒となる「かいぶつ」の存在。描く先のキャンバスがアッシュの身長を超える建物の壁面であり、上から下へを意識して書かないと、意図せず豆粒のような「かいぶつ」に仕上がってしまう。

また描画はジャイロ操作で行うため、慣れるまでには時間がかかるだろう。この段階で失敗するプレイヤーが結構多いとのアドバイスをスタッフにいただき、手元にあるメモを観ながらコントローラーを振りかいぶつを描き起こす。角としっぽが愛らしい、アッシュよりも遥かに大きなモジャモジャのかいぶつが出来上がった。かいぶつは「スーパーペイント」と呼ばれるエネルギーをアッシュに与え、通常では干渉できない領域に描画することを可能にするほか、監視を誘導したり、壁を破壊するなどギミックの解決手段としても重要な存在である。そして、かわいい。

周囲に新たな絵を加筆すればきゃっきゃと跳ね周り、ボールで遊んであげると愛らしい仕草を見せる。かいぶつを構成するパーツや描けるデザインパターンはステージ探索によりスケッチブックの切れ端を入手するたび拡充していく。

手書きの相棒と共に明かりを灯していたらいつの間にか制限時間の15分が経過。短いながらも“描く楽しさ”と“勇気”という2つのテーマの片鱗を感じられる濃密な体験だった。

 

『マーベルアイアンマンVR』

続いて体験したのは『マーベルアイアンマンVR』。プレイヤーはトニー・スタークとしてパワードスーツを装着。縦横無尽に空中を駆けながら、歴代ヴィランと壮絶な戦いを繰り広げることができるという触れ込みだ。試遊体験ではチュートリアル部分を制限時間分遊ぶことができる。

数分程待機したのち自分の番が周ってくる。スタッフさんの指示の元PlayStation Moveを握り、ゴーグルをつけると、幕張メッセから一転、筆者は大海原の上に浮いていた。視界にはいつかの映画で見たスーツのインターフェースが映り込む。操作指示のウィンドウデザインもそれに準拠し、背景に一体化しているのが面白い。

案内によれば、両の掌から噴出する「リパルサー・ジェット」を用いて飛べとのことだが、これが結構難しい。前に掌を出せばバック。後ろに掌を向ければ前進。真下に向けると上昇。頭では分かっているものの体がついてこない。掌がブースターになっているという状況を飲み込めるまで意外と時間がかかってしまった。なれた頃にはもうヘトヘト。肉体の衰えを感じつつタイトルロゴを高速で飛び越えると、自宅周辺の岩場へ辿り着いた。

トニーとペッパーによるいかにもアメコミらしい軽快なやり取りの後、ゲームはすぐさま本格的なチュートリアルへ突入する。岩と岩の間を高速で抜け、急上昇したと思ったら急降下。移動練習が終わったら次は的にむかって攻撃の練習だ。腕でカーソルを動かしPS moveのボタンをワンクリック。するとリパルサーレイが放たれ、ターゲットアイコンが一瞬で粉々になる。高速移動をしながら敵を撃墜するのは非常に快感で、昔ヒーローの身振り手振りを真似し遊んでいた、幼い頃の感覚が無意識に蘇ってきた。攻撃方法にはリパルサーレイの他にも高速接近してのパンチが存在し、大きめなサウンドエフェクトも相まってこれまたが気持ちいい。

ノスタルジーに浸っているといつのまにかチュートリアルは最終フェーズに突入。動き回るドローンの群れを次々と撃墜していく。遠近どちらの攻撃手段もとることができるが、掌で浮いているため両手で攻撃をしていると段々高度が落ちてしまうことに留意したい。この頃になるとある程度操作に余裕が生まれていたので、アイアンマンらしさを頭の隅に意識しながら遊んでいた。なるべく派手に。まとめて一気に。それが達成できたかはまた別の話であるが、VRという人間の認知に直接干渉する仕組みを伴うごっこ遊びというのはここまで楽しいものなのかと驚愕したのだった。

 

『MONKEY KING ヒーロー・イズ・バック』

見に覚えのない重力を感じながら最後に向かったのは、アクション・アドベンチャー『MONKEY KINGヒーロー・イズ・バック』のブース。本作は中国で人気の「西遊記」をモチーフにしたCGアニメーション映画「西遊記之大聖帰来」のゲーム化作品だ。原作映画さながらの美麗さを誇るビジュアルデザインと、シンプルな操作で発動する、コミカルなカンフーアクションを用いた戦闘が特徴である。試遊版では「妖怪に襲われた村を救う」というロケーションの元、主人公である斉天大聖と彼に憧れる修行僧の少年・江流児、2人の旅路における一幕を体験することができた。

本作は「普段ゲームに親しみの無い人でも楽しめる」「万人受け」を念頭に制作されているゲームではあるが、正に有言実行。単一ボタンを連打するだけで発動するカンフーのコンボモーションはひたすらにカッコいい。その中でも敵の攻撃が当たる直前にボタンを押すと発生するインファイトからのカウンターは、どの場面をキャプチャしても一枚絵として成立するであろう見映えだ。敵の攻撃は押し並べて前兆が分かりやすいので、回避も簡単にできる。

また、椅子や岩など、ステージ上にあるオブジェクトを獲物として活用でき、それらを振り回す大聖のモーションもまたクール。とにかく原作ファンを喜ばせたいという意思が作品をプレイし続けるほど伝わってくる。

万人向けがコンセプトということで難易度は非常にゆるく、ボスの撃破を通じて新たなアクションがアンロックされたのを見届けたところで試遊体験は終了。膨大な熱気が会場に満ちる中、プレイ終了後の筆者はどこか爽やかな気分でその場をあとにした。

Takayuki Sawahata
Takayuki Sawahata

娯楽としてだけではなく文化としてのゲームを知り、広めていきたい。ジャンル問わず死にゲー、マゾゲー大好き。

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