『メタファー:リファンタジオ』は30時間遊んでも熱い。『サイレントヒル2』リメイクが怖いし濃ゆい。ホラーTPS『近畿霊務局』は粗っぽいがストーリーよし。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。462回目です。ホリデーシーズンが近い。
シングルプレイ体験版が予定前倒しで配信中
今週も『Windblown』のプレビュー版をプレイしていました。本作には多くの武器が用意され、2つまで同時装備可能。好みによって、メインでは使いにくい武器も出てくると思うのですが、オルターアタックというシステムが面白い。オルターアタックは必殺技のようなもので、各武器に固有のものが存在。片方の武器でコンボを最終段まで出した直後に、もう一方の武器を使うと発動します。メイン武器としては微妙でも、オルターアタックそのものや発動の仕込みとしては優秀だったりし、どの武器にも活躍の機会が生まれるのです。
オルターアタックは強力なため、積極的に狙っていきたい。ただ、エリートタイプの敵やボス相手だと、そうのんびりコンボをつなげさせてもらえない。本作では体力回復の機会が限られており、主人公のステータスに恒久的な強化要素もなく、一方で敵の一撃は重いため、攻撃を見切る立ち回りを磨くことが結局一番大事だったりします。
by. Taijiro Yamanaka
銃で除霊するゲームだと思ったら
今週は、和風ホラーアクションTPS『近畿霊務局』を遊んでいました。本作は、突如インターネットから消えた奈良県賽河村で、女子高生のコスプレをした霊務省・近畿霊務局所属の公認除霊師が銃撃戦を繰り広げていくゲームです。主人公の白石瑞希が賽河村を訪れると、村民の代わりに大量の違法幽霊が存在。村は何者かによる巨大結界で封鎖されていました。村内に集った巨大サタコや、武装した違法幽霊の群れ。消えた住人と装甲車を駆る神務庁の巫女。何者かの思惑に支配された村を舞台に、白石瑞希の戦いが描かれていきます。和ホラーテイストの世界観をベースとした、銃撃戦を含むサスペンスアクションとなっています。
現状の本作はかなり荒々しい作品です。フレームレートは上限30fpsですし、筆者の環境だとまともに遊ぶのが厳しい場面も存在。TPSとしても敵の攻撃が激しすぎるシーンもあります。改善は進められており、10月11日に大きい更新が入ったものの、ゲームとしてまだ粗い仕上がりです。ただし本作には、予想外に力強いストーリーが用意されていました。銃で悪霊を除霊していたら、テンポのよさはそのままに二転三転。多数の3Dカットシーンによって、広がりを感じる世界や人間味あるキャラクターたちも描かれています。バグがあっても先に進めたくなる、粗さに負けないドライブ感のあるストーリーが魅力的でした。
by. Keiichi Yokoyama
こんなに濃いのか
『サイレントヒル2』リメイク版を遊んでいました。オリジナル版は学生時代に何度もプレイしましたが、そんな十数年前の記憶を優に上回る怖さ。しかも新しく恐怖演出を付け足した感じではなく『サイレントヒル2』として恐怖感が増している。ラジオのノイズやよくわからない物音、誰かの声。オリジナル版ではいくらか開放感もあった屋外でさえ、肩越し視点化により常に濃い霧の向こうから何か出てきそうな目線になっていて、進むのが怖い。オリジナル版にあった表現がそれぞれグッと強化されて、昔よりももっと怖い『サイレントヒル2』に仕上がっています。
あと、ゲームの変化ももちろんですが、遊んでいると自分の変化も感じる。意味深な表現やジェイムスの内面など、学生時代はピンと来ていなかったところも今遊ぶといろいろと思いを巡らせながらプレイできてます。昔気づけなかったことに気づける喜び。凄く怖いしストーリーも覚えているけど先に進みたくなる動機はここにある気がします。隅々まで楽しめる年齢になってからプレイする機会に恵まれたのが嬉しいです。
by. Hideaki Fujiwara
ファンタジー作品っぽい描写よし!
『メタファー:リファンタジオ』をプレイしています。久々にご飯食べる・寝る以外の時間を捧げるぐらいハマっています。めっちゃ面白い。30時間ぐらい遊んでますが、面白さが途切れない。というか、中盤までいってない気がしますが、正気ですか。
本作はようするに「ファンタジー世界を舞台に、冒険を軸にしたペルソナ」という感じなのですが、冒険を軸にしたことでめちゃくちゃマンネリ感がなくなっている。まずイベントが多くて。移動するたびイベントがあるし。ダンジョンのパターンも多いし、キャラのバリエーションも多い。『ペルソナ3』以降のシリーズはどれも大好きですで、日常感があり季節感も感じられものの、やはり拠点が同じことによるマンネリ感はあり。それが作業性につながってましたが、本作は探索含めそういう課題を解決していて、鮮やか。中だるみはしていません。いまのことろは。
それと、個人的に嬉しいのはやはり物量感で。キャラテキストやモデルやカットシーン、マップバリエーション、イベント数など、「職人の手作業で生み出す膨大なクリエイティブ要素」っぽいのが本作には大量にあって。今は大量生産・合理性が追求される時代。それはそれで製品産出として正しいのですが、職人が手作業で生み出した尋常じゃない数のコンテンツが味わえるのは、なんとも贅沢で嬉しい。しかも、どれもちゃんと没入感や面白さにつながってますからね。随所からアトラスの集大成み感じますし、今年プレイした大作で一番迫力を感じる作品かもしれません。たぶん。
by. Ayuo Kawase