『ウォッチドッグス レギオン』でゲーム開発者や手品師を勧誘。『ゼルダ無双 厄災の黙示録』は出だしから斜め上。『Ghostrunner』はもっとバトル寄りでもよかった。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。258回目です。肌寒くなってきました。


とにかく死にまくる


今週は『Ghostrunner』をプレイ。サイバーパンクの世界を駆ける一人称視点のアクションゲームです。一撃死システムを採用しており、銃を持つ敵に刀で挑むため、立ち回りが非常に重要。敵の配置はほぼ固定で、ほかにも敵にバリアを張る装置なども存在するため、どのようなルートを走り、どの敵から倒していくのかという試行錯誤を重ねるゲームプレイとなっています。この中では、ウォールランなどのパルクールアクションも駆使。正直、最序盤から何度も死にますが、ロードなしですぐ再開できます。

スキルを活用しながら銃弾をかわし、ズバズバッと斬り捨てていくのは(スムーズに成功すれば)非常に爽快。一方で、バトルのないエリアも多く存在し、こちらはやや冗長に感じることも。パルクールで進むエリアであったり、ちょっとしたパズルを求められたり。全体としてはクオリティの高い作品ですが、もっとバトルに比重を置いても良かった気がします。
by. Taijiro Yamanaka


オープニングから斜め上を行く展開


『ゼルダ無双 厄災の黙示録』の体験版が配信されたのでさっそくプレイ。オープニングから斜め上を行く展開で度肝を抜かれました。ゲーム内容は原作、そして「無双」シリーズのファンである筆者にとって、かなり好感触な仕上がりになっていそうです。

本作の世界観は原作の雰囲気そのもの。加えて原作の100年前が舞台ということもあり、出番の少なかったキャラクターのカットシーンや台詞を聴く機会が多く、原作ファンとしては感慨深いものがあります。

戦闘システムは、ワンアクションに対するレスポンスが極めて多い「無双」シリーズがベース。アクションゲーム初心者でも、気軽に一騎当千の爽快感が味わえることでしょう。それにキャラによって異なるシーカーストーンアクションや、化学エンジンによる自然表現が際立つロッドアイテムなど、原作ならではのギミックを上手く溶けこませることで、独自のゲームシステムへと昇華されています。体験版で特に強く感じられたのが、キャラクターごとのアクションの差別化。使用できたのは3キャラですが、キャラごとにまったく異なる手触りになっており、同じステージを繰り返しこなしても、飽きることなくプレイできました。体験版の範囲でもまだまだやり込めそうです。

ちなみに、あくまで体験版に収録された序盤における体感ですが、難易度変更による上昇幅は低めで、無双シリーズやり込み勢としては少し物足りなさも感じました。さらに上をゆく難易度の追加にも期待しています。
by. Tetsuya Yoshimoto


教祖になるゲーム


日本語化されたと聞いて、『Cultist Simulator』で宇宙的恐怖の世界へ行ってきました。ざっくり説明すると、『Cultist Simulator』はカードを使ってストーリーが展開されていく、クトゥルフシミュレーター。教団を運営するゲームでもあるのですが、特に序盤は好奇心からオカルトに手を出した探索者が、徐々に深淵に飲み込まれていく様子が描かれています。好奇心の果てに待つのは、だいたい狂気か破滅。恐怖に苛まれ。絶望に囚われるSANチェックじみた要素もあり、わざとらしいクトゥルフ味が魅力でしょうか。

ところで本作の教団は、怪しげな書物を読み込み、夜な夜なちょっとした儀式を行う程度のほのぼの教団です。別に邪神を降臨させようとか、地球を滅ぼそうなんて思ってはいなくて、ただ不思議な呪文を唱えてみたいだけなのですが、同士を増やしていると悪評が流れ、捜査の手が伸びてきます。研究の継続のためなら、遺体がひとつやふたつ増えても仕方ないですよね。
by. Keiichi Yokoyama


癖が強そうで没個性的な住民たち


「全住民操作可能」を謳い文句とする『ウォッチドッグス レギオン』。たしかに仲間にできる住民には多様なスキルが備わっています。催眠をかけて同士討ちさせるマジシャン、銅像ポーズをとって敵の追跡から逃れるパフォーマー、ペイントボール銃・爆弾で敵を翻弄するストリートアーティスト、釘バット持ちのSM女王、蜂の群れを操る養蜂家。メガホンで人々を奮起し、多勢で敵地に乗り込む抗議デモリーダー。いろんなアプローチ方法を試せ、それを許すようなミッションも多いです。

なかには「体が不自由」「自殺願望」「リボルバー持ち」という哀愁漂うスキル持ちの住民や、「腸内ガス(付近の敵に気づかせる)」という何を食べたのか気になるご婦人も。奇妙なプロフィール文の住民も多く、すれ違う人々をスキャンして情報を閲覧する楽しみは過去作よりも増しています。ただ、癖が強そうに見えても、操作キャラになると台詞は没個性的にならざるを得ず。人間が個性を出せない中、ナビ役のAIがユーモアを交えた台詞を吐きまくり人間味を出しているという構図が、印象に残っています。なお日本語字幕に関しては、単語や文章の途中で表示が区切られることが多く、読みづらいです。ここら辺は技術的・時間的な問題で、品質を犠牲にせざるを得なかったのかもしれません。
by. Ryuki Ishii