Steamサマーセールで何買った?セールで買ったゲームを書き散らす、今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。241回目です。Steamサマーセール開催中ということで、今回は各ライターがSteamサマーセールで購入し楽しんでいるタイトルについて書きちらします。読者のみなさんは、何のゲームを買いましたか?
『Hidden Folks』のこだわりっぷりを再確認
ストアをスクロールし続け、疲れた頃に目に止まった『Hidden Through Time』を購入しプレイ中。33%オフの602円でした。いわゆる「ウォーリーをさがせ!」タイプの作品で、このジャンルの人気作『Hidden Folks』のカラー版的な雰囲気に興味が湧きました。実際UIはほぼ同じで、人や物をクリックすると擬音などのSEが鳴り、建物の場合はその中を覗けるのも似ている。
ただ、『Hidden Folks』はクリックした際のインタラクティブ要素が凝っており、いくつかギミックを組み合わせないと目当てのものが現れないことがあるけれど、『Hidden Through Time』はその辺シンプル。どこかに紛れているだけのパターンが多く、ちょっと物足りない。一方、レベルエディタが用意されており、オンラインで共有できるのはユニークな点。作る楽しさがあることはもちろん、長く遊べる作品にもなりそうです。
by. Taijiro Yamanaka
“モノ”と“ココロ”を修理する、絵本のような心温まる物語
今回のサマーセールでは、『Assemble with Care』『Timelie』『ATRI』を購入。さっそく、アドベンチャー『Assemble with Care』をプレイし終えました。本作は、家族間の問題を抱えて家を飛び出し、1年間に渡って旅を続けている修理屋の女性マリアが主人公。次の旅先であるベラリーバに着いた彼女は、旅路で出会うさまざまな悩みを持つ依頼人の「想い出の品」を次々と修理することに。修理を介して、依頼人の心境に変化が表れるとともに、悩める彼女自身も成長していきます。
ゲーム内は、アドベンチャーパートとパズルパートで構成。アドベンチャーパートでは、コミカルに翻訳された生活感のあるテキストに、あたたかみのある手描きイラストが添えられ、絵本のようにするすると読み進められました。一方のパズルパートでは、カセットレコーダーや腕時計、カメラといった品々を修理していきます。ネジを回したり、ケーブルを抜いたり、壊れた部品を入れ替えたりといった動作をなめらかなアニメーションで描写。シミュレーターに近い感覚で修理に没頭できます。パズル要素は易しめの難易度で、手詰まりした場合にも、マリアがヒントめいた台詞を口にする親切な造り。作中を彩る楽曲もやさしげな旋律が奏でられ、どちらのパートも非常に触り心地が良かったです。全体のボリュームは2時間足らず。コーヒーなどを嗜みながら、ゆったりとプレイするのが似合う作品でした。
by. Tetsuya Yoshimoto
死神業務の合間に人類を溶かす仕事
ひとつ2000円のゲームを3本買ったら6000円になったのでびっくりしました。疲れているのかもしれません。『Outer Wilds』や『Waking』をボチボチ遊んでいきたいです。『Death and Taxes』は死神オフィスワーカーとして生者と死者の仕分けをするアドベンチャーで、大人向け絵本のような上品な手触りでした。善人ばかり救っていたら、そいつが後日大事故を引き起こしたりしてほろ苦い。キャラメイクで主人公のガイコツをメキシカンなドクロにできる遊び心も素敵です(かなり無意味)。あと瓶底メガネの一見神経質そうな上司がいい味を出していて、とにかく褒めてくれるのでモチベが上がります。
ただ、大量の生者の英文プロフィールを読んで分けるのは気合がいるのも確か。細かいニュアンスを味わいきれていない気もして多少モヤモヤは残ります。脳が疲労したら休憩のゲームをしたいよね、ということで、気がついたら人類培養シム『Despotism 3k』がライブラリ内のプレイ時間をぶち抜いて1位になっていました。助けて。
by. Yuki Kurosawa
776号室の怪談
あるところに、一人の著名な建築家がいました。建築家は、設計した建造物に誇りを持っていましたが、誇りを持っているがゆえに批判と向き合うのが苦手でした。そこで建築家が考えたのは、批判がある度にベルを鳴らす方法です。建築家には良い考えのように思えたのでしょう。しかし、ベルの音はやがて建築家の精神を蝕み、ベルが狂気を掻き立てるようになりました。
そんな中完成したのが『Suite 776』と呼ばれる建物です。長く曲がりくねった回廊、家のあちこちがループする迷宮。病んだ建築家が生み出したのは、実用には程遠い歪な家。批判を受けた建築家は、自宅でもあった『Suite 776』の完成後に首を吊って自殺。しかし、今でも『Suite 776』はどこかに残されていて、長い回廊の奥にあるベルを鳴らすと、怒り狂った建築家が姿を現すといいます。
『Suite 776』は、そんな一室へ足を踏み入れ、ベルを鳴らす短編ホラーゲームです。謎解きや怪異との命を賭けた鬼ごっこが無い代わりに、演出に力が入れられていて、凝縮された1時間未満の恐怖体験が待っていました。今回のサマーセールでは、本作も含めて低価格帯から積みゲーを増やすゲームをプレイ。具体的には『Miracle Mia』『Investigator』『Trip to Vinelands』など、合計30本ほどをライブラリに追加したんですが、低価格帯はいつ見ても混沌としていていいですね。
by. Keiichi Yokoyama
調査のためだから仕方ない
「買ってすぐプレイするゲームだけ買おう」をモットーに今回のサマセにも取り組みました。正式リリース間近でめちゃくちゃ評判のいい『Hades』に、世論操作するゲーム『ヘッドライナー』、非セール対象ですが発売されたばかりの水上都市ポップゲーム『Townscaper』など。
一番遊んでいるのは、スケベな『Slay the Spire』こと『Last Evil』です。サキュバスが主人公で、デッキを組みながらダンジョンを進んでいく……というゲーム。設定から察されるとおり、セクシーというよりモロな内容。パラメータに性欲だの精液だのあるように、示唆的な表現ではなく、オープニングからかなり直球見せつけられる演出も多いのでご注意。3D美少女系『Slay the Spire』ライクゲームといえば、『NEOVERSE』があり、同じような感じなのかなとイメージしプレイしたのですが、かなりバランスがしっかりしている印象。他のフォローゲームは、どれもバランスが大味だったのですが、インフレ抑えつつ丁寧な調整がされているように感じます。逆にセクシャルな演出はかなりアクロバティックで、「ええ……」となってしまうことも多々。イロモノかと思いきや、Steamコミュニティに真面目にゲーム内要素語りする熱いお兄さんがたくさんいるのも納得。もっとしっかりやりこんで、評価を固めていく予定です。ゲームとして楽しいからね。ゲームとしてね。
by. Minoru Umise