Nintendo Switch『ゼノブレイド』は3度目でも面白い。あの頃のモノリスソフト。『Poly Bridge 2』は遊びやすくなった。どうなる「GeForce NOW」。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。236回目です。今週から、さまざまなオンラインのゲーム番組が放送されるようで。詳しくはこちらをどうぞ。

正式サービスは6月開始予定


クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の、無料プレサービスが今週終了しました。個人的には、ゲーミングPCも持っていますが、仕事用のMacでちょっとプレイしたい時に便利でした。ゲーム側の対応OSに依存しないのは、こうしたサービスの良いところ。一方で、 GeForce NOW非対応のゲームがまだまだ多く、この点での満足度は正直低め。

NVIDIAは今週、サービスへの参加を表明した企業のゲームだけが今後利用可能になり、それ以外は削除されると発表。まあ、それが筋だろうという気もしますが、肝心なのはこれでカタログの拡充が進むのかどうか。たとえばUbisoftやバンナムは参加表明していますが、セガは未表明のためカタログからの削除が決まり、大手でも対応はまちまち。ただ、Valveの「Steam Cloud Play」と連携するようなので、今後メーカーの参加を後押しすることになると期待したい。
by. Taijiro Yamanaka



台湾のえげつなく赤い祭壇萌え


ホラゲをやるとき、いつも召喚に応じてくれる友人がいます。わたしがひとりで手を出せなかった『夜廻』や『Layers of Fear』をともにプレイしてくれた戦友です。ただし心理描写に強いが血にはめっぽう弱い。そんな彼女たっての希望で今週遊んだのが『夕生 Halflight』でした。

ノスタルジックな1940年代の台湾が舞台で、行方をくらました弟を捜しにゆくアドベンチャーです。クレイアニメ風の懐かしさと怖さの入り混じった世界観が特徴です。何せ我々がはじめて遊んだホラーが『返校』だったものですから、本作でも熱帯アジアな異国情緒にときめきまくりでした。駄菓子屋のシーンのカワイさだけで一生を終えたかった。ホラー演出としては恐怖というより、メルヘンと紙一重の不気味さが強いです。特に隠喩の見せ方が絶妙で、グロテスクながら絵本的な世界と、その背景に確実に影を潜める歴史の暗さの対比が印象的でした。あまりに重いエンドロールを見ながら、Discordごしに後味の悪い沈黙が今も忘れがたいです。
by. Yuki Kurosawa



橋2


今週は『Poly Bridge 2』で橋を作っていました。王道のトラス構造やアーチ、困ったときの鉄骨、1度しか渡れない橋、ジャンプ台など、前作同様に橋から橋のような何かまで、いろんな橋が作れます。スクリーンショットは新素材のバネを使い、重さで救急車だけが下へ落下する橋を作ろうとして、失敗した時のもの。結果的に、救急車が横転した状態で無事全部の車両が対岸まで渡れたのですが、橋から降りた後にバイクが横転して走らなかったり、バネが縮みきらずに救急車が衝突したり、さまざまな問題がありました。
微調整でなんとかなるのも前作と同じですね。

新素材のバネ以外にも、前作『Poly Bridge』からは道路を補強する代わりの強化道路や、最初に壊れた箇所がどこかわかる機能などが追加されており、どうにか工夫して車を対岸へ行かせる楽しさはそのまま、かなり遊びやすくなっている印象です。また、現状つながらないことも多いんですが、ステージクリア時にはそのまま他の人のリプレイが見れるようになっていて、特にコストカットの果てに橋でない何かが誕生した動画を楽しく見ています。
by. Keiichi Yokoyama



3度目でもめちゃくちゃ面白い


追加ストーリーも気になるところですが、細かな復習も兼ねて『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』の本編を早速プレイしています。感想を一言でいうと“リメイク”と謳っていいクオリティかと。特に快適性が大きく向上しているのが印象的。ミニマップに目的地へのガイドラインが表示されるようになり、ラインに沿って進めばすぐにストーリーを追うことができます。収集系のサイドクエストについても、ミニマップにマークが表示されるようになり、達成が極めて楽に。キャラの立ち位置が重要な戦闘においても、有効なアーツ(スキル)の発動タイミングが把握しやすくなりました。キズナグラムも洗練され、キャラ間の好感度を上げる際にプレゼントしたアイテムの好感度増減値も分かるようになっています。総じて、原作の痒い所に手が届きまくっている印象です。

イベントシーンで描かれる物語は原作どおり。筆者が「ゼノブレイド」を遊ぶのは3度目になるので少々不安でしたが、キャラクターの表情が非常に豊かになったことで、また新鮮な気持ちで楽しめています。作中で奏でられるアレンジBGMも、オリジナル曲の雰囲気を崩すことのない心沸き立つ仕上がり。さらに美麗になったガウル平原など、フィールド探索にも精が出ます。タイムアタックなどの新要素も……というようにまだまだ書き足りないですが、作品全体がブラッシュアップされた完成度の高さに改めて惚れ直しました。
by. Tetsuya Yoshimoto



オメシャス


Nintendo Switchで『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』を遊んでいます。ゲームの良さは吉本さんの言うとおり、もとの良さをそのままに、快適さを向上させた実質リメイクとなっております。今思えば、『ゼノブレイド』は不評だった任天堂E3 2009発表にて「Monado: Beginning of The World」という謎の名前でこっそり発表された“異物”でした。モノリスソフトは任天堂傘下になり、『ソーマブリンガー』や『DISASTER DAY OF CRISIS』をリリース。両作ともにとにかく遊びやすく、前者は世界観やシナリオがとてもよかったですし(リングタワーは興奮しました)、後者はWiiの機能をとても生かしていました。ただ、モノリスソフトといえばやはり重厚な世界でのやりこみゲーム制作会社としての印象がありましたし、当時は任天堂ナイズされつつも尖った部分が消えて小さくまとまってしまった、というイメージを持ったのも事実でした。

素性があまりに謎すぎて、「露店の食べ物のテクスチャの粗さ」がいじられてた程度の「Monado: Beginning of The World」ですが、今思うとモノリスソフトの新たな飛躍の決定的なきっかけだったように思います。『ゼノブレイド』は続編も出て一作目も移植/リマスターもされ、モノリスソフトも今や任天堂の大型タイトルの開発サポートの常連に。それでいてアイデンティティは維持されています。改めていじられていた露店の食べ物のテクスチャを見ると、歴史が感じられて感慨深くなりますね。今作の発売には本当におめでたいです。
by. Minoru Umise