Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。225回目です。また寒くなってまいりました。
どこを訪れても絵になる美しさ
今週は『Ori and the Will of the Wisps』をプレイ。さらに美しくなった幻想的なグラフィックにのっけから驚かされ、一方でオリの独特の手触りは前作から変わらない安心感。本作では、探索するだけでもそれなりにアクションスキルが求められるものの、アビリティによって自由度が高まると、動かす楽しさも高まっていく。特に、特定のオブジェクトや敵の弾などを使って任意の方向に飛べるアビリティ「打撃」は、オリのトレードマーク的なアクションと言え、これを覚えてからは探索が一気に面白くなる。
個性的なNPCたちと出会い、目的地のヒントをもらったりアイテムを購入できるようになった点は新たな要素のひとつ。見知らぬ土地にやってきた印象を強めながら、ひとりじゃないという心強さもあり、また何より世界がより生き生きして感じられる。それにしても、本作の世界の美しさとその密度の濃さは、ただただ見とれてしまう。
by. Taijiro Yamanaka
シバイヌはあまり頭はよくないみたいですね
今週は、ベータ版が公開中の『モン娘ぐらでぃえーた』を遊んでいました。『モン娘ぐらでぃえーた』は、敵と戦ってカードを獲得し、獲得したカードを使ってモンスター娘を育成していくローグライトRPGです。カードの左上に記された数だけマスを進み、敵のモンスター娘が待ち受けるマスに止まると戦闘開始。戦闘では、時間経過とともに溜まるAPを使って技を発動させるシステムが採用されていて、ステータスも含め『モンスターファーム』シリーズをカード要素のあるローグライトに落とし込んだような作品になっています。現在のバージョンでは、シバイヌの育成方針は物理一択。中盤以降は、知能を犠牲に立派な脳筋へと成長したシバイヌが、敵を一撃で屠っていく様子が見られて、ちょっとした爽快感があります。まだまだ開発中のベータ版ということもあり、ボリュームや育てられるモンスター娘のバリエーションなど物足りない箇所も多くあるのですが、根幹の面白さはすでにしっかりしていて、完成版への期待が持てる内容でした。
by. Keiichi Yokoyama
普通のシカとは
正式リリースまで我慢できず、『DEEEER Simulator』を購入しました。“ごく普通のシカ”が登場するという本作。私はシカに対して博識ではないですが、つぶらな瞳を持った草食動物で、甲高い声で鳴き、木の葉や鹿せんべいを求めて4本足で闊歩する……そんな漠然としたイメージを持っていました。ですが、私はとんでもない勘違いをしていたようです。ゲーム内の普通のシカは、二本足を使って超高速で移動し、時には首を伸ばして『スパイダーマン』シリーズのように空中を縦横無尽に駆け巡ります。そして行き交う人々の頭にシカの角を被せ、シカ人間へと洗脳。「Hi!」という流暢な言葉であいさつを交わし、共にダンスを踊ります。シカは時に攻撃的になる一面があるとは耳にしていましたが、マシンガンや手榴弾を同時に装備し、建物まで破壊してしまうとは目から鱗でした。
そんな普通のシカの定義はさておき、本作は建物の破壊などで、街に鹿災害をもたらすことが目的です。街の被害が拡大すると、武器を装備したどうぶつ警官が登場。もふもふしたヒツジやライフルを持ったウサギとの激しい戦闘が繰り広げられます。そのほかにも、建物を破壊していく爽快感や楽しく笑えるギミックなど、見た目のインパクトだけでとどまらない一面を秘めていました。現在は早期アクセス版で、先日はイヌの警官(イッヌ)も実装。次はどんな驚きを追加してくれるのか、さらなる広がりが待ち遠しい作品です。
by. Tetsuya Yoshimoto
あ、神ゲーや
今週は『仁王2』をプレイ。結論から言いますと、アクション好きには超オススメです。操作は快適。技・武器種が豊富。スキルもいっぱい。さらに前作にあった課題もまるっと改善されています。アクションRPG、またハクスラ作品としてもほとんど文句のない仕上がり。特に前作プレイ済みのプレイヤーは、ステージと敵のバリエーションの増加具合に驚くことでしょう。前作にあった単調さはどこ吹く風。景色も敵の見た目も攻撃も非常に多彩になっています。ちなみにキャラの造形は、いつも通りコーエーテクモらしさ全開。美麗です。
プレイの進行具合に関しては、今ちょうど体験版に登場したボスと戦っている最中。もう何度落命したことか。そもそもボスに行くまでも一苦労、どころか二苦労ぐらいです。ただし、序盤の難易度は前作より少しマイルドになった印象。あと、残心と守護霊カウンターメチャクチャ大事です。特にカウンターは、序盤でさえ修得必須レベルでしょう。そのほか、魂代の活用だとか、称号による効果付与だとか、挙げればキリがないほど要素がたくさん。これは来月になっても余裕で遊べそうです。
by. Nobuya Sato
血が出るとやっぱり気持ちいい
今週は『仁王2』をプレイ……しているのですが、遊ぶ時間的にはNintendo Switchで『侍道 KATANAKAMI』をやっている方が長かったです。探索してる時間の次に、刀整理してる時間が長いといえるくらい、本作は刀整理が煩雑。今持っているものより強い武器に巡り合いづらく、せっかくトレハンゲームなのに武器交換のサイクルはゆったりめ。と文句言いながらも、ついつい遊んでしまう。戦闘が気持ちよく動かしていて楽しいゲームですし、派閥や仕送り、NPC同士のモメなど細かいイベントも多くて刺激はあります。前述したようにトレハン要素が微妙に分断されているのが惜しい。弓と刀別枠で存在したり防具にもビルドがあったり、そういう区別があると唯一無二になったのではないかと思いながら、悶々と楽しくプレイしてます。
ところで、本作や『仁王2』もそうなのですが、和風ゲームは戦闘が楽しいというのがもはや定番になってきている気がします。『侍道』はもともとそうですが、『仁王』や『SEKIRO』などのおかげで、そのブランディングイメージはかなり浸透してきているんではないかと。いろいろなメーカーが和風ゲームを出すことで、そのジャンルのブランディングがされていってるとすれば、かなり面白い現象。こうした展開のおかげで、『ゴースト・オブ・ツシマ』なども含めて、和風ゲームには大きめのマーケットができつつあるかもしれませんね。作るのは難しそうですが。
by. Minoru Umise