『Black Future ’88』がカッチョイイ。『ポケットモンスター ソード・シールド』クリアに考えるダンジョンの位置付け。『CoD:MW』のキャンペーンが凄まじい。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。210回目です。寒くなってきました、厚着しましょう。
BGMも格好良し
今週は『Black Future ’88』を少しプレイ。サイバーパンクな世界観の2Dアクションシューターです。ステージは自動生成で、死ぬと最初からやり直しですが、経験値を貯めてレベルアップすることで、ゲーム中にドロップする武器やアップグレードなどがアンロック。プレイするたびに目新しい要素が見られ、特にショットがド派手な武器が多いため、あれこれ試すだけで楽しい。
とは言うものの、本作はなかなか難易度が高い。それは敵の激しい攻撃もさることながら、グラフィック面にも要因がありそう。サイバーパンクらしくネオン色に煌めく攻撃やエフェクトは格好良いものの、複数の敵と乱戦になると自分の位置を一瞬見失い、知らぬ間に被弾していることがしばしば。キャラクターのピクセル数が少なめで、混同しやすい敵がいる場合はなおさらです。制限時間があるため、悠長に構えている訳にもいかない。これはもっとプレイを重ねて精進するしか。
by Taijiro Yamanaka
タルコフの経済
『Escape from Tarkov』を遊んでいます。このゲームは大きなアップデートにともなって、持ち物を全て初期化するワイプが行われます。直近のワイプは10月下旬に行われて、自分の少ない財産も全て消えました。装備を最初の状態から整えなおしていきたいところですが、あまりゲームの進捗状況は良くないです。商人から受けるタスクをこなしていくことで、品揃えが拡充されていき装備品の自由度を上げるためには必須らしい。タスクというのはお使いクエストみたいなもので、このタスクが私のような初心者にはかなり過酷。終わりが見えないアイテム集めの始まりです。
ゲーム内には蚤の市があり、プレイヤー同士であらゆるアイテムの取引ができます(もちろんゲーム内でのみ手に入るルーブル通貨で)。このシステムを使って終わりのない小物集めを手っ取り早く終わらせることができるわけです。希少なアイテムは超高額で取引され、安価で出品されていると一瞬で売り切れてしまいます。目当てのアイテムを安く買いたいときは蚤の市に張り付くのも手。売り手は絶対に売却したいとき、相場より少し安くしたりといった工夫もできる。銃をカスタマイズして弾を買って撃つためには、とにもかくにもゲーム内で経済を回していく必要があります。FPSとは別のお金のゲームもタルコフの魅力なのかもしれませんね。
by Kaisei Hanyu
最果てを目指す
『最果てを目指す』は、世界のどこかにある最果てを目指す、ウディタ製のフリーゲーム。Huyumi氏によるノンフィールドRPGです。どうしてか最果てを目指し、旅をしている少女ツキ。プレイヤーは、ツキの作り出したという1体の戦闘用ロボットとして、彼女を守り共に世界を巡ることになります。レベルアップにより手に入るポイントをスキルとステータスに割り振り、素材を使ってツキがアイテムを作りながら、アイテムの取捨選択を含め道中に遭遇するさまざまな困難へ対応していきます。
特徴的なのは、プレイヤー扮するロボットに芽生えている意思に関するシステムです。ロボットは通常では動けないほどの損傷を負っても、意思が残っている限り再起動して立ち上がります。また、少女の思いを受け取ることで、一時的に攻撃力が倍になるなど、強力な行動が可能に。こうした意思をリソースとして使えるシステムがシナリオと噛み合っており、少女の願いを鋼鉄の機体に載せて戦うバトルはかなり熱いものでした。プレイ時間は2時間から6時間程度、ツキのキャラクター性も相まって、少女との冒険を楽しませていただきました。ところで、先週『デス・ストランディング』を無事クリアしたので『P5R』に戻る予定だったのですが、今はガラル地方でブティックに通っています。女主人公が可愛すぎる。
by Keiichi Yokoyama
もはや大作映画
今更感はあるのですが、やっと『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』のキャンペーンモードをクリアしました。とりあえず色々と凄まじかった。この色々には、新エンジンを搭載した目を見張るグラフィックや、迫力ある音響効果などももちろん含まれているのですが、なかでも特に今作で際立っていたのは物語の生々しさ。いわゆる戦争ゲームにおいてタブー視されてきたであろう演出を多分に含んだ内容となっております。たとえば、民間人の虐殺、子どもの死、惨たらしい拷問などなど。このように、思わず目を伏せたくなるようなシーンがかなり多いため、人によっては大きな不快感を催すかもしれません。
しかし一方で、ストーリーの濃密さはシリーズ1と言えるでしょう。シリーズおなじみのプライス大尉をはじめ、複数の人物の視点を通して、戦場で揺れ動く人間の愚かさと葛藤がこれまた生々しく描かれています。その分、過去作にあったようなド派手な演出は抑え気味になっているかなと。最初に述べた通り、なかなか心理的に辛い場面が多かったりするのですが、だからこそ強いメッセージ性を感じ取れるような深い体験ができるかと思います。未プレイの方は、1本の映画を見る感覚でぜひ。
by Nobuya Sato
ダンジョンについて
『ポケットモンスター ソード・シールド』をクリアしました。今作をクリアして真っ先に考え始めたのが、「RPGにおけるダンジョン」の位置付けでした。というのも、本作にはダンジョンらしいダンジョンはなかったです。思えば『ポケモン』本編は、ダンジョンのスリム化が進んでおり、『X・Y』こそ複雑なダンジョンは結構ありましたが、それ以降はあまりに記憶にないです。ロケット団のアジトのような複雑な場所はめっきり減りました。ワイルドエリア導入も、脱ダンジョン化のひとつといえるかなと。
ダンジョンに入って謎解きをする。プレイヤーは閉所に閉じ込められ、戦闘を繰り返すので、ある意味では「我慢」を感じるフェイズです。そこでボスを倒してフィールドに戻る過程でカタルシスを堪能できたりもします。ただ、昨今ではプレイヤーに我慢を強いるというプロセス自体が排除されることも多いように感じます。そもそも本作では全編あらゆるキャラに褒められ続けますからね。プレイヤーが不満を感じそうな要素を削ごうとする方向性は、ゲーム全体から感じられます。その結果ダンジョンがほとんどなくなるというのは、面白い傾向に思います。今思えば、インディーゲームのダンジョンというと、多くが自動生成のイメージです。一度しか通らないお手製ダンジョンを作るには、コスト分の価値が見出しづらい時代がきているのかもしれません。省略か、自動生成か。RPGのダンジョンはそうした方向に動いていくのでしょうか。
by Minoru Umise