『レッド・デッド・リデンプション2』ようやくクリア。『スマブラSP』灯火の星クリア後の感想。『Mutant Year Zero』は良質ストラテジー。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。162回目です。

 

リアルでは滑らないけども

先週の話の続きになりますが、Xbox One Xのパワーを実感するのに良い最適化タイトルを求めていろいろプレイしています。で、お気に入りのひとつは『Skate 3』。アセットそのものの前世代感は否めないものの、オープンワールドゲームとしてはいま見ても十分綺麗。それがクッキリ高解像度でレンダリングされると、リマスターしたかのような新鮮さで楽しめます。ファストトラベルのロードが速いのもありがたい。

ところで、最近『SkateBIRD』や『Skater XL』が発表され、スケボーゲームがにわかに盛り上がりつつあるような、無いような。PS2前後の時代を振り返ると、個人的には『Tony Hawk』シリーズがもっとも長くハマっていた作品で、海外版に手を出してでも新作を追っていたことを思い出します。洋書の攻略本まで買い漁ったり。そんななので、今でもスケボーゲームが出るとなると、ついつい注目してしまいます。
by Taijiro Yamanaka

 

終わりそうで全然終わらんかった

『スマブラSP』のアドベンチャーモード「灯火の星」をクリアしました。もちろん、クリア率100%です。個人的には、『スマブラ』シリーズのひとりの用モードとして一番よかったんじゃないかなと思います。序盤はいろんなスピリットを入れ替えて遊んだりしつつも、中盤からは巨大化のスピリットとスマッシュホールド中ひるみなしの能力をアンロックして、スマッシュをぶっぱなしておりました。作業感は結構ありましたが、いろんなスピリッツがいろんなシチュエーションとして登場したり、戦闘ごとの楽しみがあったので、あまり苦ではなかったですね。先週も書いたとおり、ゴリ押しができるのもありがたく、何よりも詰まらなかったというのがありがたかったです。

『スマブラ』シリーズは対戦ゲームなので、醍醐味はやはり戦い。そういう意味で、ゲームにボリュームをもたらすシングルモードづくりは中々難しいものなのだと思います。気合を入れて作られた亜空の使者も好きだったのですが、難易度が高くとにかく長かったことに苦戦したので、ほどよくコンパクトで爽快感重視の灯火の星は、少なくとも自分にはあっているのかなと。個人的には、マップをうろうろするのが結構楽しかったので、ダンジョンからボタンひとつで脱出できたり、エリア間のファストトラベルなどがあればさらによかったり。このシステムで、また別のゲーム作って欲しいと思うぐらい、気に入っております。
by Minoru Umise

 

上質なストラテジー

今週は『Mutant Year Zero: Road to Eden』をプレイしていました。スウェーデンのTRPGを基にしたSRPGで、『PAYDAY』のデザイナーや『HITMAN』の開発メンバーも携わっている作品ですね。舞台となるのはポストアポカリプスな世界。ストーカーと呼ばれるミュータントたちの使命は、もはや絶滅寸前の人類を生かすこと。そのため危険に満ちた世界を探索し、貴重な物資を人類最後の拠点アークへと持ち帰ることが任務となります。世界にはグールを中心とした危険なクリーチャーが徘徊しており、探索の途中で幾度となく彼らと衝突することになるでしょう。

他のRPGと一味違うのは、ステルス要素でしょうか。もちろん真正面から敵に戦いを挑んでも良いのですが、人数で劣るストーカーたちでは数に勝る相手から勝利を得るのは困難です。そこで誰にも見つからないようマップを探索し、はぐれた敵を始末して戦力を削ぐ必要に迫られる訳です。戦闘は『XCOM』のようなターン制なのですが、そのバランスが絶妙!自分はノーマル難易度でもそこそこ苦労しましたが、世界には最高難易度でノーダメージクリアを目指している方も居るようです。その人が公開している動画を見たのですが、スキルも駆使して一体ずつ確実に倒していく様は見事の一言です。その方のスキルは勿論ですが、そういうプレイを可能とする本作の計算され尽くしたバランスも凄いですよね。
by Kouzou Suzuki

 

1作目をリプレイしたくなる前日譚

亀のごとくゆっくりと進めていた『レッド・デッド・リデンプション2』。ようやくエンディング(スタッフロール)までたどり着きました。終盤の展開には、前作をプレイした身としてはいろいろと込み上げてくるものがありました。こうした前日譚というのは、すでにプレイヤーに紹介されているキャラクターの過去を描くことで人物像を膨らませたり、物語全体にニュアンスを加えたり、先の展開を知っているからこその感情の揺さぶりを試みたりといった、細やかな表現・人物描写が求められるのかなと思っていて、そのあたりをばっちりおさえていたという意味で、少なくとも本作のナラティブには大いに満足しております。1作目と2作目、どちらから着手しても、もう片方が気になるような物語構造になっているんじゃないかなぁとも思います。

さて、作中では「人を変えることはできない。人はより本質に近づいていくだけだ」という趣旨の台詞が繰り返されます。それは主にアーサーやジョンがダッチについて語る会話の中で発せられるものなのですが、その言葉はのちに、自身の生き方を変えようと何度も苦心するジョン・マーストンの背中にずしりとのしかかっていきます。そして「自分を変えることはできない」という言葉は、1作目『RDR』にて、ダッチからジョンにそっくりそのまま返されることになります。作中では「振り返るな」という台詞も繰り返されるのですが、こちらもアーサーからジョン、ジョンからジャックへと、2作品に渡り託されていくことになります。しかし振り返らないで欲しいという願いは叶わず、彼らは危険な世界に引きずり戻されてしまう。このように1作目の物語に厚みを持たせる前日譚として、もはや言わずもがなですが、これ以上ない出来栄えではないでしょうか。
by Ryuki Ishii