マイクロソフト傘下スタジオの元トップ、“レイオフされなかった”のに自ら辞職した理由を明かす。開発中止された「新作MMORPG」への思い
ZeniMax Online Studiosの元スタジオ責任者であるMatt Firor氏は1月1日、同スタジオ辞職の原因を明かした。

ZeniMax Online Studiosの元スタジオ責任者であるMatt Firor氏は1月1日、自身の近況について報告。その中では、同スタジオで開発されていたとされる未発表の新作MMOプロジェクトの開発中止が、同スタジオ辞職の大きな原因であったことを明かしている。
ZeniMax Online Studiosはアメリカのゲーム企業ZeniMax Mediaの子会社だ。『The Elder Scrolls』シリーズを題材とするMMORPG『The Elder Scrolls Online』の開発元として知られる。2020年にマイクロソフトがZeniMax Mediaを買収したことにより、現在はマイクロソフト傘下の開発スタジオとなっている。
マイクロソフトでは2025年7月に、9000人以上におよぶ大規模なレイオフが実施されており、ZeniMax Mediaをはじめとするゲーム部門も対象に。これにより、ZeniMax Online Studiosが2018年から開発中であったとされる未発表の新作MMOが中止となったと報じられていた。「Project Blackbird」と呼ばれていたこのプロジェクトでは、開発に携わる200人以上のスタッフ全員が解雇された可能性も伝えられた。なおこの際、ZeniMax Online Studiosのスタジオ責任者および『The Elder Scrolls Online』のゲームディレクターを務めていたMatt Firor氏が辞任し、スタジオ責任者には新たにJo Burba氏が就任すると発表されていた(関連記事)。
それから数か月が経過した2026年1月1日、Firor氏はLinkedInにて声明を投稿。新年を迎えるにあたり、辞職の際に人々から受けたサポートに感謝を示しつつ、自身の近況と人々からよく寄せられる疑問について語っている。まず、Firor氏はユーザーから多く寄せられる質問への回答として、ZeniMax Online Studiosの元メンバーらが現在手がけているプロジェクトと、同氏の関係を明かしている。同氏いわく、ZeniMax Online Studiosの元メンバーが立ち上げたプロジェクトには直接関わっていないという。
というのも、2025年9月にはProject Blackbirdや『The Elder Scrolls Online』の開発に携わっていた元メンバーら10名弱によって、Sackbird Studiosという新たなスタジオが設立。スタッフの自己資金のみで運営することで、完全に独立した制作体制が築かれているとアピールされていた。Firor氏によれば、非公式にアドバイスをしているプロジェクトもあるものの、同氏が指揮を執る立場ではないそうだ。いずれも、それぞれのリーダーに安心して任せられているとして、彼らが作り出すものを見るのが待ちきれないと述べている。

そしてFiror氏は、次に多く上がる質問として、ZeniMax Online Studiosを去るに至った理由について言及。Project Blackbirdは同氏が生涯をかけて待ち望んでいた作品であり、その開発中止こそが同氏を辞職に導いたそうだ。なおレイオフや開発中止の影響を受けたチームメンバーの中には20年以上一緒に働いてきた仲間も多いといい、業界でもっとも献身的で才能のある集団だとFiror氏は評価。彼らが直面した苦境に共感を示した。
ところで、海外メディアBloombergの取材によれば、Project Blackbirdは『Destiny』にも似た、三人称視点のルートシューター作品として開発されていたという。特にProject Blackbirdは、ダブルジャンプや空中ダッシュなどを用いた垂直方向の動きに重点が置かれていたそうだ。『The Elder Scrolls Online』の成功によってリソースを割くことができず開発は停滞していたものの、近年では順調に進み、2028年のリリースも視野に入れていたとのこと。そんな長期間にわたって開発されていたタイトルが開発中止となったことは、並々ならぬ思いを抱いていたFiror氏に多大な影響を与えたのだろう。

なおFiror氏は現在『The Elder Scrolls Online』のコミュニティを離れ、“2番目のグループ”へと移って匿名でゲームを楽しんでいるという。そして今後についてはまだわからないとしつつも、いくつかのプロジェクトやスタートアップにアドバイスをしたり、将来性のある小規模チームに投資したりと、業界へ積極的に関わり続けている模様。どのようなかたちでかは不明ながら、何らかの作品に携わり、熱を注いでいるようだ。ただし、新しい開発スタジオを立ち上げることはまだ真剣には考えていないそうだ。Firor氏を含め、ZeniMax Online Studios元メンバーたちが活躍の場所を得て、さらに躍進していくことを願いたい。
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