手紙検閲ゲーム『Your letter has been rejected.』Steam版8月5日発売へ。巧みな「偽装」を暴き、国への忠義を尽くすかあるいは見逃すか
MONAZ.は6月22日、『Your letter has been rejected.』Steam版を8月5日に発売すると告知した。社会主義国家を舞台とする、手紙検閲ADVである。

サークルMONAZ.は6月22日、『Your letter has been rejected.』Steam版を8月5日に発売すると告知した。価格は税込800円。Steam版では手紙の刷新やストーリーの大幅追加などがおこなわれているそうだ。
『Your letter has been rejected.』は、圧政下の社会主義国家で手紙を検閲する、手紙検閲ADVである。本作の舞台となるグルツァナ人民共和国は、圧政の敷かれた社会主義国家だ。同国では渡航制限がおこなわれており、西側諸国からは大きな批判の声が挙げられていた。1985年、グルツァナ人民共和国は批判に対する緩和策として、レスノリアとの手紙の郵送を解禁。手紙の郵送は許可されたものに限られるものの、長らく国交が閉ざされてきた両国間で、再び交流が始まろうとしていた。
本作でプレイヤーはグルツァナの検閲官となり、レスノリアへの手紙を検閲する。問題のある手紙は、決してレスノリアへ送り届けてはならない。政府に従い手紙を破棄するか、あるいは手紙を見逃すか。手紙を盗み見る後ろめたさや、職責と良識の葛藤などが描かれるそうだ。


検閲官である主人公は、レスノリア宛ての手紙を読み、郵送の可否を判定していく。検閲官のもとには、国家保安省の監視下で人々が記した手紙が届けられる。検閲官は内容を読んで、問題があれば手紙を破棄しなければならない。ただし手紙には巧妙な偽装が施されているケースも存在。あぶり出しで文字が書かれていたり、ルーペで見なければ読めない小さな文字が書かれていたりなど、上手く取り繕った手紙も送られてくる。検閲官はそうした偽装も考慮し、手紙を調査して政府のために検閲をおこなうのだ。
手紙としては、歌手として夢を追いかける少女の想いや、国境の向こうにいる友人への気遣い、政府への不満と逃走の計画など、さまざまな手紙がやってくる。手紙次第で、人々の未来や国家の行く末は変化。手紙を破棄するのか、あるいは問題があっても見逃すのかは、プレイヤーに委ねられている。


本作は、プログラマのAZ.氏によるゲーム制作サークルMONAZ.が手がけている。同氏の過去作としては、『るる子の事件簿!!』『らくちん!クッキングナビ』など、「Unity1週間ゲームジャム」の参加作品が多数公開されてきた。本作『Your letter has been rejected.』も、オリジナル版は同ゲームジャムの参加作品(お題「おくる」)として制作。2023年12月の公開後には、コンセプトなどから注目を集めていた。
8月5日に発売予定のSteam版では、オリジナル版から内容を大幅追加されているという。具体的には、ストーリーが大幅に追加され、複数のエンディングが実装。手紙についてはほぼ刷新されており、もとの倍以上の手紙が用意されているそうだ。さらにプレイヤーの行動によって内容が変化する要素なども登場。ゲームジャム作品だったオリジナルから大幅に進化した、製品版となるのだろう。
『Your letter has been rejected.』Steam版は、通常価格税込800円で8月5日発売予定だ。またオリジナル版は、ブラウザ向けに公開中となっている。