『龍が如く0』で「日本のビジネスマナーを学べた」と海外ユーザー喜ぶ。しかしなぜか集まる偽ビジネスマナー

『龍が如く0 誓いの場所』をプレイして“日本人のマナー”を学べたと感謝を述べる海外ユーザーの投稿が注目を集めているようだ。

セガ/龍が如くスタジオの公式Xアカウントは3月12日、『龍が如く0 誓いの場所』(以下、龍が如く0)の発売後10周年を記念するポストをおこなった。このポストに向けて、本作をプレイして“日本人のマナー”を学べたと感謝を述べる海外ユーザーの投稿が注目を集めているようだ。

本作は、『龍が如く』シリーズのナンバリング作品だ。国内では2015年3月12日にPS3/PS4向けに発売されたのち、海外向けにも展開。PC/Xbox One向けにも発売されている。舞台となるのは1988年、バブル景気真っ只中にあった日本だ。若かりし頃の桐生一馬と真島吾朗のふたりを主人公とする、アクションアドベンチャーゲームとなっていた。


今回龍が如くスタジオは日本語・英語双方の公式Xアカウントに向けて、本作の国内発売10周年を記念するポストをおこなった。いずれもファンからの祝福のコメントが寄せられる中で、ある海外ユーザーが投じたエピソードが注目を集めている。

『龍が如く0』から得たという“学び”を紹介したのは、DamascusことSamad Abdessadki氏だ。同氏はモロッコ出身で、『ストリートファイターIV』や『ストリートファイターV』の競技シーンで活躍。その後は格闘ゲームのさまざまな大会でコメンテーターを務めている人物だ。

そんなDamascus氏は、ポストの前日に日本でビジネスミーティングに参加していたと報告。この際に、日本のビジネスマナーとしての「名刺の渡し方」を知っていることを褒められたという。ミーティング相手は知る由もなかったようだが、実は同氏は名刺の渡し方について『龍が如く0』をプレイして覚えていたそうだ。本作を遊んだことが思わぬ称賛を受けるきっかけになったからか、桐生一馬への感謝を述べている。

実際、本作ではストーリー中に名刺の渡し方について言及されるシーンが存在。桐生が一時的にカタギの仕事をするにあたり、立花不動産の尾田純からビジネスマナーを教えられる場面だ。商談相手を待つ間、入り口から見て手前の席に座るか奥の席に座るか、といったクイズ形式の選択肢や、名刺を渡すためのQTEなどが用意されている。この際にQTEに成功しても桐生は名刺の向きを逆に渡してしまい、尾田にやんわりと注意を受けることになる。Damascus氏にはそうした一連のシーンが印象に残っていたのだろう。

一方でDamascus氏の投稿には、“本作から学べるビジネスマナー”としてなぜか別の場面を挙げる海外ユーザーが集まることになった。たとえばあるユーザーは「名刺を取り出す前にこうする」として、桐生が服を脱ぎ捨て上半身裸になるシーンを例示。シリーズ恒例の決闘に際しての演出であり、もちろんビジネスとは一切関係のない場面だ。さらに別のユーザーは「おぎゃくさまは神様(Ogyakusama wa kamisama)」としつつ、真島が一礼するgif画像を挙げた。経営するキャバクラに客を通す際のシーンであり、こちらもお客ではなく取引相手に対してだと大げさすぎる礼だろう。

ユーザーらもそうしたことを踏まえたジョークとして、ビジネスとは無関係なシーンを大喜利的に寄せているようだ。ちなみに中には、本作を通して不動産業をニワトリから学んだと述べるユーザーもみられる。本作ではあるサブストーリーをクリアすると、桐生の不動産業のマネージャーとしてニワトリのコケ太郎を雇うことが可能。なぜかなかなかマネジメント能力が高い一方、月収は30万円要求される。

国内で暮らしていないと知ることが難しいような、日本の文化もさまざま描かれてきた『龍が如く』シリーズ。海外ユーザーにとっては、作中で覚えた文化やマナーが思わぬところで活躍する例もあるようだ。とはいえ真面目な要素ばかりではなく、突拍子もない要素も散りばめられているのも本シリーズの持ち味。同じゲーム内に本格的なビジネスマナーと奇想天外なシーンが同居していることが、海外ユーザー間で笑いを誘っているようだ。

ちなみに『龍が如く』シリーズでは作品ごとにさまざまなロケーションが登場する点も特徴となっており、その再現度も注目点だろう。最新作『龍が如く8』および『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』におけるハワイ・ホノルルシティでも、現地取材も交えつつロケーションが再現されたそうだ(弊誌インタビュー記事)。また大阪・道頓堀をモチーフとする蒼天堀をはじめ、シリーズ作品では日本各地の都市を模した街並みも登場してきた。日本人でもそうした“聖地”を訪れた際に、『龍が如く』のプレイを通して覚えていることが役に立つ瞬間はあるかもしれない。

龍が如く0 誓いの場所』はPC(Steam/Microsoft Store)およびPS3/PS4/Xbox Oneに向けて発売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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