WWIサバイバルホラー『CONSCRIPT』、ハードなシステムや陰惨戦場描写で高評価スタート。『バイオハザード』に影響受けた苦境生き残りゲーム
デベロッパーのCatchweight StudioおよびパブリッシャーのTeam17は7月24日、『CONSCRIPT』を発売した。プラットフォームはPC(Steam/GOG/Epic Games Store)/PS4/PS5/Switch/Xbox SeriesX|S。同作はさっそく好評を博している。Steamストアページによれば、日本語表示に対応している。
『CONSCRIPT』は第一次世界大戦(WWI)が舞台のサバイバルホラー。舞台となる戦場は1916年に起きたヴェルダンの戦いである。ドイツ軍がフランスの要塞都市ヴェルダンを陥落させる作戦を立てたものの、双方に数十万人の死者を出すのみに終わった悲惨な戦いだ。主人公はフランス軍として参戦した歩兵。戦場の中で行方不明になった弟を探すべく、地上の塹壕や坑道、廃村などを介して敵軍に制圧された要塞に侵入してゆく。
塹壕内にはドイツ軍兵士が多く潜んでおり、侵入者であるプレイヤーを殺そうとしてくる。そうした敵に対し、プレイヤーはWWIで使われていた近接武器や銃器での攻撃、緊急回避といったアクションで対抗が可能だ。ただし、弾丸や回復アイテムといった物資は限られており、現地調達が必要となる。所持している銃は初期状態では心もとなく、集めたアイテムで改造・強化するのも重要だ。また、道中では謎解きをする場面が存在。パズルを解いたり、探索を通して必要なアイテムを集めたりする必要がある。
本作はSteamユーザーレビューにおいて、本稿執筆時点にて279件中96%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。好評の理由としては、WWIの塹壕戦の陰鬱で臨場感ある描写や、限られた物資をやりくりするサバイバル要素が主に挙げられている。「サバイバルホラー」のジャンルから想像されるゾンビといった超自然的な要素よりも、戦争の恐ろしい空気感にフォーカスしているオリジナリティも評価されている模様。
また、本作は『バイオハザード』や『サイレントヒル』といったゲームシリーズから影響を受けたとされている。その影響は所持品の管理、アイテム同士を組み合わせるシステムや、重く暗い空気感の世界での謎解きなど、本作の随所に見られる。また、プレイヤーの行動で変化するマルチエンディングや変更可能な難易度、条件を達成して解放できる衣装や武器がある、といった要素にも影響が見られる。そうした作品のシステムやリプレイ性を踏襲しつつ、新たなプレイ体験を求めるプレイヤーのニーズに噛み合ったのだろう。
なおバランス調整面では、塹壕に頻繁に出現するネズミが「人間より怖い」「ドイツ軍より強い」との意見が散見され、すでに修正する予定が発表されている。史実の塹壕戦はネズミや虫の湧く不衛生な環境だったとされるが、さすがに強く調整しすぎたようだ。
本作を手がけるのは、Jordan Mochi氏の個人スタジオであるCatchweight Studioだ。Mochi氏は本作の開発を2017年から始め、メルボルン大学を卒業した2020年にCatchweight Studioを設立。本作の開発は作曲以外全てMochi氏一人がGameMaker Studio 2にて行い、完成までに6年近くの歳月を要している。海外メディアのインタビューにおいてMochi氏は本作の開発のために20代の多くを捧げ、「『CONSCRIPT』を作るためにこの世に生まれたと感じていた」と語っており、その情熱の入れようが伺える(Premortem Games)。
『CONSCRIPT』はPC(Steam/GOG/Epic Games Store)/PS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox SeriesX|S向けに発売中。