“圧倒的に好評”リアル狼ライフシム『WolfQuest: Anniversary Edition』6年を経て堂々の正式リリース。「狩り・子育て・死」、最大8人プレイ対応で狼の生態そのまま体験

Eduwebは7月22日、狼サバイバルゲーム『WolfQuest: Anniversary Edition』を正式リリースした。

デベロッパーのEduwebは7月22日、狼サバイバルゲームWolfQuest: Anniversary Editionを正式リリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/itch.io)。

『WolfQuest: Anniversary Edition』は、狼として生き抜くサバイバルシミュレーションゲームである。舞台はアメリカ合衆国のイエローストーン国立公園。公園と称されてはいるが、総面積は約8980平方キロメートルほどあり、地球上で自然そのままの生態系が残されている数少ない地域として知られている。プレイヤーはそんな土地で暮らす一匹の狼として生き抜くことになる。

本作は2019年7月に早期アクセスを開始し、以降6年間に渡って開発を続けてきた。本作では現実の狼の生態が忠実に再現されており、科学顧問として大学教授、イエローストーン国立公園の研究員、インターナショナルウルフセンターの研究員など、狼を研究する多くの学者たちが名を連ねている。そんな専門家たちが携わり、多岐にわたってリアルに再現された狼ライフを送れるところが本作の持ち味だ。本作は早期アクセス期間中から9000件を超えるSteamユーザーレビューが寄せられており、そのうち97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。

ゲームプレイでは、2歳の若い狼として生活がスタート。ゲーム中にはさまざまなクエストが存在するが、その内容はリアルそのものだ。「狩りを学ぶ」「つがいとなる相手を見つける」「縄張りを形成する」「住み家を見つける」「子を産む」「夏季の狩り場へ旅をする」などなど、実際の狼の生態に基づいた試練を突破していくことになる。

狼はStrength(強さ)、Health(健康度)、Speed(素早さ)、Stamina(持久力)といった身体能力と、年齢や縄張りに基づく影響力といった能力値を持つ。身体能力は年齢や健康状態によっても変動。たとえば若い状態ならば身体能力が全体的に高くなる、胴体部分の負傷でStaminaが下がる、あごの負傷で食べる速度が低下したり物を運ぶのが難しくなったりする、といった具合である。

狩りの対象はイエローストーン国立公園内でもっとも数の多いエルクや、大きなヘラジカ、擬態する上にすばしっこいカンジキウサギなどさまざま。また、敵対することになる肉食獣も数多く、縄張りを争うことになるほかの狼や、恐るべきグリズリー、目を離した隙に子どもを奪い去ってしまうイヌワシなど、現実に存在する動物が多数登場する。

一匹としての生を終えると、子に引き継いでさらなる狼ライフを楽しむことも可能。家系図で自分とつがいとの間に生まれた子たちを一望することもできる。また、最大8人でのマルチプレイモードや、いっさいのやり直しが利かないIronwolfモード、人が去った架空の街の追加マップDLCなど、多くのコンテンツで狼としての生を謳歌することができるだろう。

本作を手がけるEduwebは、1996年に創業したアメリカに拠点を置くデベロッパーである。おもにデジタル学習ゲームやインタラクティブコンテンツの開発を手がけており、Steamでは本作の前身である『WolfQuest: Classic』をリリースしている。

ちなみに本作の舞台であるイエローストーン国立公園の狼は一度絶滅している。家畜への被害のために、組織的な駆除がおこなわれたためだ。狼がいなくなったことで生態系のバランスは崩れ、一部の草食動物が増えたために植物が少なくなり、ほかの動物が絶滅の危機に瀕するといった事態にまで発展した。その後、多くの議論を経てカナダからの輸送で狼の再導入がおこなわれ、生態系は以前のような多様性を取り戻しつつある。

こうした背景のもとで、Eduwebが狼をテーマにしたゲームの制作を始めたのは2005年のことだという。それから10年後の2015年に先述の『WolfQuest: Classic』がリリースされ、さらに10年後の2025年に本作の正式リリースとなった。「Anniversary Edition」という名称には、開発開始から20年、前作から10年、そして早期アクセス開始からちょうど6年という3つの意味が込められているそうだ。

正式リリースにあたり、現実に知られている個体をモチーフにした新しい毛皮の模様が実装されるなどのアップデートがおこなわれているが、ゲーム進行に大きく関わるような変更はない。2024年12月に実装された「The Saga」で世代交代を含めたライフシミュレーションとしてはほぼ完成しており、さまざまな節目が重なる2025年7月をもって、これまで長く続けられてきた開発の区切りとして正式リリースに至ったかたちだ。

なお、正式リリースに伴い価格が上がることが告知された。正式リリースまで購入を検討していた人の迷惑とならないようにとの理由から、値上げは8月5日におこなわれるとのことである。


『WolfQuest: Anniversary Edition』はPC(Steam/itch.io)向けに配信中。Steamでは、8月5日の値上げまで従来価格の税込2300円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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