『Wizardry Variants Daphne(ウィズダフネ)』、「キャラが汚れていく」システムに反響集まる。馬小屋泊では汚れ悪化、キャラも嫌がる

ドリコムは10月15日、『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』をiOS/Android向けにリリースした。本作ではダンジョンに潜るなどの行為でキャラクターがどんどん“汚れていく”として、さっそく話題を集めているようだ。

ドリコムは10月15日、『Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)』(以下、ダフネ)をiOS/Android向けにリリースした。本作ではダンジョンに潜るなどの行為でキャラクターがどんどん“汚れていく”として、そのさまがSNS上でシェアされリリース後さっそく話題を集めているようだ。

『ダフネ』は、3DダンジョンRPG『Wizardry』シリーズの最新作だ。本作は、『Wizardry』のオールドスタイルなプレイサイクルを踏襲。プレイヤーは、町でのキャラクター育成や補給、ダンジョンでの戦闘やアイテム収集を繰り返しながら、「奈落」と呼ばれるダンジョンの奥へと進んでいくこととなる。本作は基本プレイ無料+アイテム課金形式で提供されており、別途Steam版の準備も進められている。

本作はリリース後さっそく運営の予想を大きく上回る盛況を見せているようで、リリース直後はトラフィックの急激な増加に伴うサーバーレスポンスの遅延の発生などが運営より伝えられてきた。しかしそれを受け現在はデータサーバーを増強、通信遅延が改善した状態であると発表されている。

そんな本作におけるキャラクターの「汚れ描写」が、主にSNS上でやたらと注目を集めている。本作ではさまざまな特徴をもつキャラクターから主人公を含む6人のパーティを編成し、ダンジョンに潜ることになる。パーティーメンバーとして使用可能なキャラクターはさまざま。男女の性別の違いから、人間・獣人・エルフ・ドワーフといった種族の違い、善・悪・中立といった性格にいたるまで、さまざまな特徴をもつキャラクターが存在。それぞれに固有の3Dグラフィックが用意されている。

そしてダンジョンに潜るにあたり、敵の攻撃を受けるなどの要因で、どんどんとキャラクターグラフィックが実際に“汚れていく”のである。深くダンジョンに潜り続け連戦を続ければ続けるほどより激しく汚れていく。特に敵の攻撃を受けることの多い前衛のキャラクターほど汚れが溜まりやすい傾向にあるようで、汚れ方も何段階かに分けられているという、異様なこだわりようである。

なおゲーム内では「汚れ」に関する数値やステータスなどはなく、汚れが溜まることによる具体的なデメリットなどはゲーム内で明示されていない。しかし汚れの溜まったキャラクターは事あるごとに自身の不潔さに対する不満を漏らし、はやく身体を洗いたい、汚い、くさい、といったことをプレイヤーに訴えかけてくるわけだ。

キャラクターの汚れは回復施設である宿屋に宿泊することで落とすことができる。宿屋には部屋のグレードが存在しており、値段が安い順から「馬小屋」「エコノミー」「スイート」「ロイヤル」となっている。最低グレードの馬小屋に至ってはなんと無料。しかし所持金が盗まれたり、虫の被害にあって作中ステータスのメンタルが低下したりするなどネガティブなイベントがランダムで発生。さらに不潔な環境のため、キャラクターもより一層汚れてしまう。

そしてどのグレードの部屋に泊まってもHP・MPといったステータスは全回復するものの、より良い部屋ほど汚れが落ちる傾向にある。「エコノミー」では最低限の寝床が保証され、ネガティブなランダムイベントは発生しないものの、簡単にお湯で体をぬぐうことしかできないようで汚れの落ちも最小限。しかし一番高価な「ロイヤル」に至っては豪華な風呂も用意されており、どんな汚れもさっぱりと落ちる。

この「汚れ」の仕様はSNS上でも話題を呼び、本作のシビアな作風にマッチしつつ、ダンジョンに潜って仲間と冒険をしている感覚が得られるとして好評を博している。また「汚れ」はあくまでフレーバーであるため、汚れに不満を漏らされつつも、馬小屋に連泊してもらうことも可能。あえてキャラクターを風呂に入れず、汚れ続ける様を見てみるというやや奇特な楽しみ方もできるだろう。

『ダフネ』においては不潔な馬小屋であるが、『Wizardry』シリーズにおいては、馬小屋はある理由からプレイヤーから定番の宿泊施設となっている。その細かい仕様はシリーズによって異なるものの、たとえば初代『Wizardry』などにおいても馬小屋の値段は無料である。しかし回復するのは呪文の使用回数のみであり、HPを回復させるためにはより良いグレードの部屋に泊まらなくてはならない。

そこでHPを回復する呪文をもつキャラクターを馬小屋に泊まらせることで、回復呪文でほかのキャラクターを回復させることができる。つまり実質無料でパーティを全回復できるわけだ。また同作にはキャラクターの寿命という概念も存在。宿屋に泊まる事で時間が経過するものの、馬小屋ではその時間経過を最小限に抑えられる。そういった合理的な理由もあり、『Wizardry』シリーズといえば馬小屋という印象をもつほど利用したプレイヤーも多いだろう。


そんな『Wizardry』シリーズを踏襲した『ダフネ』にも馬小屋は存在しているものの、同作ではネガティブなランダムイベントや「汚れが溜まる」というフレーバーでほかのグレードの部屋と差別化が図られている。『Wizardry』らしさを保ちつつ、あえてお金を払って宿屋に泊まる意味がきちんと設けられているわけだ。たまには奮発して仲間に良い部屋を取ってあげ、汚れをさっぱり落としてからダンジョンに向かうというのもよいかもしれない。

Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)』はiOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中。PC(Steam)向けの配信も予定されている。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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