パブリッシャーのARTE Franceは11月20日、『Wednesdays』のSteam上での無料配布を開始した。対応プラットフォームはPC（Steam/itch.io）。Steam上での配布期間は11月22日午前5時まで。ライブラリに追加しておけば、配布期間終了後も無料でプレイすることが可能だ。ちなみに本作は定価税込1200円のゲームだ。日本語表示には対応していない。

『Wednesdays』はインタラクティブビジュアルノベルだ。本作の主人公はTimothéeと呼ばれる若者。Timothéeは幼いころに家庭内で性的虐待を受けていた。成長したTimothéeは、「Orco Park」と呼ばれるゲームを起動して遊びつつ、当時の数々の記憶を振り返る。そしてその経験・記憶がTimの現在にどんな影響を与えたのか、そもそもどうしてこうした事態が起きたのかといった疑問などに向かい合う。

「Orco Park」はピクセルアートで展開されており、一方でTimothéeの記憶は手描き風のスタイルで展開されていく。ふたつのデザインでそれぞれ進行していくゲームプレイも本作の特徴といえる。

本作はストアページにも注意のある通り、性的虐待、近親相姦を取り扱った作品だ。とはいえ、作中ではそのシーンを明確に描写することはない。作中では、あくまでも同い年の未成年者同士の合意に基づく性関係が示唆されるのみとなっている。

ゲーム内ではどのシーンにおいても、メニューからいつでもスキップができるようになっている。もしシーンを見るのが辛くなったりした場合には、スキップ機能を使うといいだろう。なお本作は「信頼」「希望」「回復」に主眼を置いたストーリーであると謳われており、本作の物語を通じて、児童性的虐待についての意識を高めることを目指しているとのこと。センシティブなテーマやメッセージ性をゲームに落とし込んだ作品として高い評価を受けており、本稿執筆時点で約160件中98％が好評とする「非常に好評」ステータスを得ている。

ARTE Franceはそんな本作について、11月20日に本作の期間限定での無料配布をSteamにて開始。期間は11月22日午前5時までとなっており、期間中にライブラリに追加すれば、無料配布期間終了後にも引き続き遊ぶことが可能だ。今回の無料配布については、「児童の権利に関する条約」が36年前の11月20日に採択されたことを記念した「世界こどもの日」を迎えたことによるもの。ARTE Franceによれば、条約が採択されたにもかかわらず、現在は子供の権利が軽視されているとして、啓発も兼ねた施策となっているようだ。

『Wednesdays』はSteamにて11月22日午前5時まで無料で配布中だ。

Kosuke Takenaka