Valveのスタッフが“Half-Life 3制作部屋を見た”とこぼす。まだ存在するかは謎

Valveでコンセプトアーティストを務めるEvgeniy Evstratiy氏はポッドキャスト番組に出演。このなかで同氏は、Valve社内にある“Half-Life 3”が制作されているとみられる部屋を見かけたことを明かし、話題となっている。

Valveでコンセプトアーティストを務めるEvgeniy Evstratiy氏はポッドキャスト番組に出演。このなかで同氏は、Valve社内にある“Half-Life 3”が制作されているとみられる部屋を見かけたことを明かし、話題となっている。とはいえ同氏は実際の開発状況を見たわけではなく、またValveでは基準を満たさないゲームのプロジェクト中止もよくあるとのこと。同氏の述べた“部屋”で順調に開発が進められているかどうかは定かではないようだ。

『Half-Life』シリーズは、Valveが手がけるFPS。1998年に発売された第1作の舞台となったのは、ブラック・メサ(Black Mesa)研究所だ。施設内では、実験で引き起こされた「Resonance Cascade」なる現象によりエイリアンが次々と出現。主人公のゴードン・フリーマン博士は、崩壊した施設からの脱出を目指すことになる。

シリーズ作品としては、続編となる『Half-Life 2』が2004年に発売。両作ともに絶大な人気を誇り、FPSの金字塔とも名高いゲームだ。その後長らくしてVR向けの新作『Half-Life: Alyx』が2020年にリリースされたものの、ナンバリング新作として“Half-Life 3”がファンに熱望されている状況がある。


そんな“Half-Life 3”について、Valveにてコンセプトアーティストを務めるEvgeniy Evstratiy氏がYouTubeチャンネル「Подкаст CG Голоса」のポッドキャスト番組でこぼした発言が注目を浴びている。ビジネス向けSNSであるLinkedInを見るに、同氏は2023年2月よりValveに契約社員として務めているという人物だ。

Evstratiy氏が“Half-Life 3”について語ったのは番組の1時間13分ごろ。「言っていいかどうかわからないけど」と前置きつつ、Valveにて“Half-Life 3”の制作に使われているとみられる部屋を訪れたことがあると明かしている。ただ制作がおこなわれている様子を確認したわけではなく、PCやホワイトボードが並ぶオフィスを見ただけとのこと。

なおEvstratiy氏の認識では、Valveの社内で“Half-Life 3”の制作が試みられたのは初めてではなかったそうだ。というのもValveには社内基準のようなものもあり、基準に達しないゲームのプロジェクトは凍結あるいは中止されやすいという。そのため同氏は“Half-Life 3制作部屋”があるということが、実際に同作の開発またはリリースを保証するわけではないとも説明。少なくとも同氏が部屋を見かけたタイミングでは、本格的に同作の開発が進められている段階ではなかったのだろう。


Evstratiy氏が“Half-Life 3”について言及したのは放送においてごくわずかであり、こぼれ話といった程度。内容としても、同作の開発が進められていることを決定づけているわけではない。とはいえ『Half-Life』シリーズの続編は先述のとおりファンから待望されている状況もあり、関連しそうな情報には大きな注目が集まってきた。ときには無関係な情報と判明した後でも、陰謀論めいた説も提唱されることがあったほどだ(関連記事)。今回はValveのスタッフの証言という珍しさも相まって、PCGamesNといった海外メディアが報じており、話題となっている。

ちなみに『Half-Life』シリーズの続編の展望については、昨年11月に公開されたシリーズ20周年を記念するドキュメンタリー動画にて、Valve設立者であるGabe Newell氏が言及していたこともある。英語圏メディアですら「言葉が難しすぎてわからない」と報じるほど難解な言い回しであったが、同氏は「技術進歩によりまったく新しいゲーム体験が実現可能になれば、『Half-Life』新作を開発するだろう」といった考えを伝えていたようだ(関連記事)。

つまりGabe氏とValveにとって、『Half-Life』シリーズは革新的なゲームであるべきといった理念もあるのだろう。このほかValveの元重役からは、そもそも第1作『Half-Life』がゲーム・オブ・ザイヤーを狙う野心的な作品として開発されていたことも明かされている(関連記事)。“Half-Life 3”も妥協なく開発される方針があると思われ、今回のEvstratiy氏のこぼれ話は、Valve内でスクラップ&ビルドがおこなわれていることも垣間見える発言かもしれない。いずれにせよ、Evstratiy氏も実際に制作風景を見たわけではなく、同氏が見た“部屋”で開発が進められているかどうかは不明である点には留意したい。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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