Unreal Engine 5の無料サンプルゲーム「Stack-O-Bot」が大規模リニューアル。触って楽しいギミックいろいろ、最新のゲーム開発を楽しく学べる
Epic Gamesは8月12日、Unreal Engine 5のサンプルプロジェクト「Stack-O-Bot」の最新バージョンを配信した。

Epic Gamesは8月12日、Unreal Engine 5のサンプルプロジェクト「Stack-O-Bot」の最新バージョンを配信した。「Stack-O-Bot」を通して、ユーザーは遊びながら最新のゲーム開発を学ぶことができる。
Unreal Engine 5(以下、UE5)はEpic Gamesが開発するゲームエンジン。NaniteやLumenといった先進的な技術を新たに搭載し、2022年4月に正式リリースされた。フォトリアルな美麗グラフィックが特徴で、大手スタジオを中心に多数のタイトルで採用されている実績をもつ。Unityと並んで業界標準ともいえるゲームエンジンだ。

そんなUE5向けの公式サンプルプロジェクトの1つが「Stack-O-Bot」だ。「Stack-O-Bot」はUE5がまだ早期アクセス中であった開発初期の2022年1月に登場。ゲーム開発に必要となるさまざまな機能を取り揃えた三人称視点の小規模プロジェクトで、先述したNaniteやLumenといったUE5の最新機能も含んでいる。ユーザーはワールド内のキャラクターを操作して、実際に遊びながら学ぶことができる。
そしてこのたび、「Stack-O-Bot」のリニューアルがおこなわれた。同プロジェクトにアップデートがおこなわれるのは、先述した2022年1月のリリース以来初めてのことで、実に約3年半越しに刷新されたかたち。
「Stack-O-Bot」には動かしたり破壊したりと、プレイヤーがインタラクトすることのできるオブジェクトが満載だ。UE5の物理演算機能を活用した、バウンスパッドやジェットパックといった仕掛けも登場する。ワールド内にはコインが配置されており、プレイヤーを自然と目的地へと導いてくれる設計。肩越し視点・見下ろし視点・横スクロール視点が場面に応じて変化し、プレイヤーの行動を魅力的に演出してくれるようだ。

なお、今回のアップデートではUE5の最新バージョンであるUE5.6向けに全面的に再構築されているという。6月にリリースされたUE5.6では、アセットを自動生成するための仕組みであるプロシージャルコンテンツ生成(PCG)の強化や、アニメーションやリギング機能の改善などが施された。新しい「Stack-O-Bot」はそうした最新環境に合わせて構築されており、これから独自のプロジェクトを制作する上での足がかりとしても役立ちそうだ。

ちなみに、「Stack-O-Bot」のリリース当時にはほかにもUE5向けの公式サンプルプロジェクトが存在していた。UE5が初めて披露された際に用いられた技術デモ「Lumen in the Land of Nanite」から一部要素を引き継ぎ、2021年5月にサンプルプロジェクト「Valley of the Ancient(古代の谷)」が無料で配信。こちらがUE5の高品質なグラフィックや最新技術を前面に押し出したプロジェクトであったのとは打って変わって、「Stack-O-Bot」はゲーム開発のための学習教材として登場。なおEpic Gamesは当時このプロジェクトを「上級初心者向け(for advanced beginners)」として紹介しており、ゲーム開発を始めて少し慣れてきたといった開発者にぴったりなプロジェクトというわけだ。
初期のUE5ユーザーからも馴染み深いプロジェクトが今回、ゲーム開発の教材としてより洗練された姿で生まれ変わった。SNS上では久しぶりの更新にユーザーから驚きの声も上がっている。気になった方はぜひダウンロードしてご自身で遊んでみてはいかがだろうか。
Unreal Engine 5はEpic Games Launcherから無料で利用可能。サンプルプロジェクト「Stack-O-Bot」は公式マーケットプレイスFabにて無料でダウンロードすることができる。