銭湯ホラー『地獄銭湯 Restored Edition』Steamにて8月10日配信へ。配信中止も経たチラズアートのいわくつき作品が、フルリメイクされて蘇る


国内のデベロッパーであるChilla’s Art(チラズアート)は8月7日、『地獄銭湯 Restored Edition』を8月10日に発売予定と告知した。対応プラットフォームはPC(Steam)。発表にあわせて、トレイラーが公開されている。なお日本時間で8月10日発売となるようだ。オリジナル版所持者には、リメイク版が無料提供予定となっている。

『地獄銭湯 Restored Edition』は、進行不能のバグにより配信停止となった『地獄銭湯』のフルリメイク版である。オリジナルの『地獄銭湯』は、チラズアートが2022年10月にSteamにて配信開始した、銭湯を舞台とした和風ホラーゲームだ。同作の主人公・秋村舞伊奈は、会社で働く毎日に疲弊していた。そんな中、彼女は銭湯の求人を発見し、田舎にて住み込みで働き始める。しかし、銭湯で働き始めた主人公の周囲には、おかしな出来事が次々に発生。銭湯を中心に起こる怪事件や恐怖が、描かれていた。


同作は2022年10月の配信後、ゲーム実況で広く扱われるなど、多数のプレイヤーが遊んでいた。配信開始時点では、最後までプレイ可能な作品だったわけである。しかし2022年12月頃より、ゲーム開始直後に訪問するアパートの一室へ入れないといったバグが発生。チラズアートはバグの原因を突き止めきれなかったとして、2023年3月に提供が中止となった。なお同作は、Steamのユーザーレビューでは445件中64%の好評を得てステータス「賛否両論」となっている。奇妙な世界観や恐怖演出などを評価する声がある一方、進行不能バグを報告する低評価レビューが目立つ内容となっている。


本作『地獄銭湯 Restored Edition』は、そんな曰く付きの配信停止作品『地獄銭湯』のフルリメイク版となるわけだ。ストアページによると詳細は不明ながら、本作ではオリジナルの内容を全面的に見直し、多数の改良を実施されているという。

具体的にはグラフィックの大幅な向上、キャラクターモデルの改良といった改善を実施。新しいストーリーや新しいゲームメカニクス、新キャラクターも用意されているとのこと。公開されたトレイラーでは美麗に進化したグラフィックによって、不気味な銭湯の様子や旧作では見覚えのないシーンが映されている。グラフィックの強化に加えて新たなストーリーも加えた、フルリメイク版となるのだろう。またチラズアートは、リメイク版をオリジナル版所有者に無料提供予定と告知している。バグによって提供停止となった経緯から、無料提供が決断されたと思われる。


本作を手がけているチラズアートは、兄弟でホラーゲームを制作しているというデベロッパーだ。過去作としては、『赤マント』や『夜勤事件』、『閉店事件』など多数の短編ホラー作品をリリース。直近ではゲーム実況などでも広く扱われ、注目を集めてきた。直近では、チラズアートのメディアミックスもおこなわれている。

また2024年3月にリリースされた前作『新幹線 0号』では、記事執筆時点でSteamのユーザーレビュー682件中85%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得している。同作はいわゆる「8番ライク」な作品となっているが、プレイヤーからはジャンルの中でも差別化できている点やホラー演出などが評価されているようだ。なおチラズアートの作品としては、ラーメン屋台を題材としたホラーゲーム『拉麺屋台』も開発中となっている。


『地獄銭湯 Restored Edition』は、PC(Steam)向けに8月10日リリース予定だ。また本作は、オリジナル版所持者に無料提供予定となっている。

【UPDATE 2024/8/7 16:50】
『地獄銭湯』のオリジナル版を所持しているユーザーについては、リメイク版である『地獄銭湯 Restored Edition』が無償で提供される、とチラズアートが発表した内容を追加