世界に抗うファンタジー乙女RPG『The Silent Kingdom』早期アクセス配信からさっそく「好評率100％」スタート。こだわり見える豪華アニメーション演出がプレイヤーの心をつかむ

インディーゲームデベロッパーのLucky Catは2月18日（日本時間では2月19日2時）、『The Silent Kingdom』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC（Steam）、ゲーム内は日本語表示に対応している。本作のユーザーレビューには非常に高い評価が集まっている。

『The Silent Kingdom』はターン制バトルを採用したRPGだ。本作の主人公は呪われた王国の王女、エリーニュス（Erinys）。エリーニュスの知るもの、愛したものを救うには、全世界を敵に回し、創造主たる女神に立ち向かわなければならない過酷な運命を背負っているという。プレイヤーはそんな王女として、いばらの道を往くような冒険を繰り広げることとなる。なお主人公の名前は自由に変更可能だ。

エリーニュスの冒険には2名の同行者が存在する。青い髪で魔法を使っているのがセネカ、金髪で剣と盾を身につけているのがクロノだ。作中ではこの2人と恋愛関係を深めることもできるが、必須ではないとされている。そのほかさまざまな登場人物との会話では多くの選択肢が用意されており、過酷な運命を背負ったエリーニュスとしてのロールプレイなどといった、プレイヤーの選択によるゲーム体験の没入感を高めてくれるだろう。

本作は個人開発ながら、充実したアニメーションが特徴。戦闘でも会話シーンでもキャラクターがアニメーションで生き生きと動く様子が確認できる。随所に挟まるスチルや、UIなどの画面作りからも、演出への並々ならぬこだわりが見てとれる。

その他にも没入感を高めてくれる演出は至るところに見られる。戦闘シーンでは攻撃と同時にタイミング良くボタンを押すことで連撃が発生するシステムがあり、エリーニュスとして攻撃している感覚がより強まるだろう。また環境音の演出としては、たとえば厨房を訪れた際にメイドの動きに合わせて包丁の音や水音が聴こえてくるなど、非常に細かな調整がされている。マップのそこかしこには触れるとインタラクトできる場所もあり、世界に触れて楽しむことができるようになっている。ゲームBGMの作曲を主に手がける作曲家、Mikel Dale-Etxebarria氏が制作協力した本作オリジナルの楽曲も、優雅な王城や悲壮で緊迫感ある戦闘など、各場面で気分を盛り上げてくれるだろう。

そんな『The Silent Kingdom』のSteamユーザーレビュー件数は本稿執筆時点で55件とさほど多くはないが、好評率は100%と大絶賛を浴びている。魅力的な世界観や人物描写が高い評価を獲得。そのほか先述したこだわり抜かれた演出を評価する声に加え、日本語のレビューでは翻訳の質を評価する声も見られる。

本作を手がけるLuchy Catは欧州出身の個人ゲーム開発者によるインディースタジオだ。本作はKickstarterにて2022年2月にプロジェクトをローンチ。一度はファンディングに失敗してしまったものの、4月に再び実施したファンディングでは、2万5000ユーロ（約390万円）の目標額を9時間強で達成。最終的には目標額の3倍近くとなる、7万3946ユーロ（約1155万円）を集めていた。そうして集められた資金をもとに開発が進められていた本作が、ようやく早期アクセス配信としてリリースされたかたちだ。

なお本作は現在早期アクセス期間中だ。本稿執筆時点では、ストーリーを第1章までをプレイすることができる。最終的にストーリーは全3章で構成される予定で、1章につき1つの国を冒険することになるようだ。開発元のLuchy Catは第2章の制作に1年、第3章の制作にもう1年と、合計で約2年は早期アクセス配信の期間が続くという見解を示している。また、正式リリースにあたっては、章が追加されるたびに価格が上がる予定のようだ。興味のある人は、今のうちに買ってしまうのも手だろう。

『The Silent Kingdom』はPC（Steam）向けに早期リリース版が配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、2月26日まで10%オフの税込1800円で購入可能だ。なお国内向けの展開は不明ながら、KickstarterのストレッチゴールにてNintendo Switch向けへのリリースが予告されている。