音楽あふれる異世界都市ゲーム『The New Flesh』Steamで無料配信開始。評判めちゃくちゃ良い

Freshly Baked Gamesは6月2日、『The New Flesh』を無料でリリース。本作は音楽バンドRed Voxの楽曲をフィーチャーしたウォーキングシミュレーションゲームとして人気を博している。

ゲームデベロッパーのFreshly Baked Gamesは6月2日、ウォーキングシミュレーションゲームThe New Fleshをリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作は無料でプレイすることができ、さっそく多くの好評を集めている。

『The New Flesh』は音楽バンドRed Voxの楽曲をフィーチャーした一人称視点の探索ゲームである。プレイヤーは欧米の大都市を思わせる不思議でサイケデリックな世界を歩き回り、レコードを集めたり、世界の住人を手助けしたりすることになる。戦闘要素は存在せず、ビデオテープなどの収集品を探しながら、景色と音楽を楽しめる作品だ。環境の変化に合わせて音楽も変化する演出により、ミュージックビデオの中に入り込んだかのような体験ができるだろう。

本作は残念ながら日本語表示には対応していないが、音楽を聴きながら歩くことがゲームプレイの基本となるため、さほど支障はないものと思われる。歩き回って探索し、拾ったり使ったりできるものに触れていれば、言語を理解できずとも不思議な世界を旅することができる。コレクション要素であるレコードや、収集することでゲームが進行するアイテムはあちこちに散らばっているため、あやしい箇所を見つけた場合は、近づいて注視すると良いだろう。

本作に収録されているRed Voxの楽曲は、新しくリリースされるアルバムより3曲、過去にリリースされたものより8曲がピックアップされているとのこと。これらの楽曲は、建物の中に入る、特定のオブジェクトに触れるといったプレイヤーの行動により再生される。ゲーム中の景色を眺めながら音楽を楽しめるというわけだ。

ちなみに、スクリーンショットやトレイラーの映像からはどこか不気味な雰囲気も漂っているが、ホラーゲームではない。ややグロテスクな表現も存在するものの、怪物や幽霊などから攻撃を受けるといったことはないため安心して楽しむことができる。ただし、サイケデリックな色彩で溢れる場面もあるため、3D酔いをしやすい人は休憩をとりながらプレイしたほうが良いかもしれない。

そんな本作はリリースから好評を博しており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約200件、そのうち99%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。本作のグラフィックとRed Voxの楽曲が融合した体験を通じて、バンドのファンのみならず多くのプレイヤーが濃密な時間を味わったようだ。レビューの中には、「世界に浸っていたくてゲームを進めるのが惜しかった」という意見まで見られた。

本作を手がけたFreshly Baked Gamesについては公式ページと見られるWebサイトがリンク切れとなっているため詳細は不明。しかしながら、現在ダークファンタジー世界を旅するアクションRPG『Queen’s Domain』という作品を開発中と見られる。

一方、Red Voxはニューヨークを拠点として活動する2015年結成のインディーズロックバンドである。音楽家であると同時に、ゲーム実況者・ストリーマーとしても知られるVinnyことVincent “Melpert” Vinesauce氏がヴォーカル兼ギターを務めており、これまでに通常のアルバムとEP(ミニアルバム)を含め、複数の作品をリリースしている。Vinny氏のYouTubeチャンネルは複数存在するが、もっとも多いものでは本稿執筆時点で122万人の登録者を集めている人気ぶりだ。Vinny氏自身が本作をプレイした配信のアーカイブも存在する。興味がある人は視聴してみるのも良いかもしれない。

『The New Flesh』はPC(Steam)向けに無料で配信中だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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