『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』スピード狂に愛されたぶっ飛び空中浮遊バグ“BLSS”、なんと修正される。6年ぶり新アプデでとうとう封印

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』について6月4日、アップデートが実施。このことにより、あるバグ技が使用できなくなったと話題になっている。

任天堂は6月4日、同社の手がける複数のNintendo Switch(以下、Switch)向けタイトルにアップデートを実施。このうち『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、ブレス オブ ザ ワイルド)のアップデートは明日発売のNintendo Switch 2 Editionに向けたものであり、実に6年ぶりのアップデートとなった。しかしこのアップデートによりSwitch版にてあるバグを利用した“テクニック”が消失したと報告されており、主にRTAプレイヤーなどを中心に話題となっている。

『ブレス オブ ザ ワイルド』は、2017年3月3日にWii UおよびNintendo Switch向けに発売された、オープンワールド形式のアクションアドベンチャーゲームである。大災厄と呼ばれる災害によって、ハイラル王国が滅亡した世界の100年後が舞台。永い眠りから目覚めたリンクはさまざまなアクションを駆使して、厄災ガノンを倒し、ゼルダを救う冒険に向かう。

そして同作をベースに、Nintendo Switch 2 EditionではNintendo Switch 2向けに高フレームレート化や画面解像度の向上など、パフォーマンスが強化。ロード時間の短縮などが図られており、より快適に遊べるようになっている。

本作については、ゲーム内におけるバグを利用したさまざまなテクニックが存在。特にRTA(スピードラン)において、いくつかのバグがプレイ中によく用いられる。たとえば空中で弓矢を撃つ際の集中モードを利用して、爆弾の爆風で吹っ飛んでいく「ウィンドボム」や、弓と盾を利用した高速空中浮遊バグ「BLSS」などが存在していた(関連記事)。

一方で、本作のNintendo Switch 2 Editionが発表された際にはそうしたバグの存続が危ぶまれていた。というのも長らく本作は「Ver.1.6.0」のままでアップデートがなかったが、同エディションの紹介動画では「Ver.1.7.0」とのバージョン記載があったためだ。あくまでバグ技でしかないテクニックの“消失”に、さっそく戦々恐々としていたプレイヤーも散見された(関連記事)。

そして同エディションの発売前日となる今回、懸念されていたとおりSwitch版に向けてアップデートが実施。バージョンは紹介映像における1.7.0を飛ばして、1.8.0となっている。パッチノートでは「ゲームを快適に遊んでいただけるよう、いくつかの問題を修正しました。」との記載があり、アップデートが配信されてからさっそく検証がおこなわれていた。ちなみにWii U版については「Ver. 1.8.0の配信はありません」と明言されている。

そんな中で、BLSSができなくなったことが明らかとなり、ユーザー間で話題となっている。具体的には、BLSSの前段階である、リモコンバクダンなどを腕にくっつける動作までは可能で、その後ダッシュボタンを押しながら段差に差し掛かった際に空中浮遊をしなくなった。筆者も何度か試してみたものの、段差でリンクが一瞬固まってしまうのみで、空中を高速で移動することはなかった。

このことにより、スピードランへの影響は考えられる。BLSSは、持ち上げられるアイテムと盾と弓矢があれば利用可能。持ち上げるアイテムについては、基本的にどこでも生成できるリモコンバクダンでも発動可能だ。容易に高速移動を実現できる手軽さもあり、『ブレス オブ ザ ワイルド』のスピードランでは、BLSSが多く採用されていた。ところが今回のアップデートでBLSSが利用不可となった。そのため今後は、おそらくバージョンやエディションごとによってレギュレーションは分けられるだろう。

なおユーザーの検証では、ウィンドボムや、盾サーフィンを利用した壁抜けのShield Skew Clipなどは変わらず利用可能なようで、あくまでBLSSのみが利用不可となっているものと見られる。バグを利用したテクニックということもあり、ゲームプレイのほかの部分に何らかの影響が出る可能性も鑑みて、Nintendo Switch 2 Editionへの対応とあわせて修正されたのかもしれない。今後のスピードランコミュニティの動向も気になるところだ。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はNintendo Switch向けに販売中。Nintendo Switch 2 Editionは6月5日にリリース予定だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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