傑作サスペンスノベル『ファタモルガーナの館』売上30万本突破。リリースから約12年、じわ売れし続ける
NOVECTは5月13日、『ファタモルガーナの館(The House in Fata Morgana)』の累計販売本数が30万本を突破したと報告した。あわせて、SteamおよびNintendo Switch版での記念セールが実施されることも告知された。

インディーゲームレーベルNOVECT(ノベクト)は5月13日、『ファタモルガーナの館(The House in Fata Morgana)』の累計販売本数が30万本を突破したと報告した。プレスリリースによると、シリーズ累計での30万本セールス突破になるそうだ。あわせて、SteamおよびNintendo Switch版での記念セールが実施予定となっている。
『ファタモルガーナの館』は、時代や場所の異なる4つの悲劇を目撃して謎を解明していく、西洋浪漫サスペンスホラーノベルゲームである。本作の主人公は、気がつくと古ぼけた屋敷にいた。翡翠の目をした女中は主人公を旦那さまと慕うが、彼女のことはもちろん自身についても思い出せない。そんな主人公に対して、翡翠の目をした女中は、屋敷で起きた数々の悲劇を見せるという。プレイヤーは記憶喪失の主人公の視点から、時代と場所を超えた4つの悲劇を目撃。記憶喪失の主人公と館の謎に迫る、悲劇と絶望の西洋浪漫サスペンスホラーが繰り広げられる。

本作は2012年末のコミックマーケット83にて、PC向けに初頒布された作品だ。その後ニンテンドー3DS版やPS Vita版、Nintendo Switch版やPS4版など、多数の移植版がリリース。2016年5月のSteam版配信後には、有志翻訳による対応言語の追加なども含めて、日本国外のプレイヤーにも魅力が広まっていった。
記事執筆時点では、Steamのユーザーレビュー4593件中94%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得。Nintendo Switch版のリリース後には、海外のレビュー集計サイトMetacriticにて、レビュー件数こそ少ないもののメディアレビューのメタスコア96点を獲得し、2021年リリース作品の中で2位の評価を得てきた。
なおSteam Scoutの分析結果によると、本作のレビューは簡体字中国語が50.5%、英語が35.9%、ロシア語が3.3%、未対応言語の繁体字中国語が1.8%、未対応言語のポルトガル語(ブラジル)が 1.3%、フランス語が1.3%などと続いている。世界中のプレイヤーから、高く評価されてきたわけだ。

今回はそんな『ファタモルガーナの館』のシリーズ累計セールス30万本突破が報告された。本作の売上としては、2023年11月にSteam版単体での売上が10万本を突破したと明かされていた。縹けいか氏の当時の記事によると、Steam版の売上は100本に届かない月も多く、販売元であるMangaGamerに申し訳ないと思っていた時期もあったという。しかし徐々に口コミが広がり、ボランティアとして翻訳を手がけるプレイヤーによって対応言語が増えたことなどによって、世界中で親しまれるタイトルに育っていったとのこと。
また2025年3月には、Steamのセールにより1週間で1万本を売り上げたことが発表。着実にグローバルな人気を伸ばし、売上を積み上げていった結果、今回セールス30万本を達成したのだろう。なお制作が決定しているわけではないものの、北米では実写化プロジェクトの企画も進行中。本作の人気は、さらに高まっていくかもしれない。

また本作関連では、シリーズ累計での30万本セールス突破を記念して、ぬいぐるみモルガーナがお披露目となっている。登場キャラクターのモルガーナが、30cm大のぬいるぐみとして登場。数十体におよぶサンプル製作と1年間の開発期間を経て完成した商品とされており、赤い髪から衣装、胸元の蝶の留め具まで忠実に再現されているという。ぬいぐるみモルガーナは、国内向けにはNOVECT公式BOOTHにて5月16日より先行予約が開始予定となっている。
『ファタモルガーナの館』は、Nintendo Switch/PS4/PC(Steam)などで配信中だ。またセールス30万本突破を記念して、Nintendo Switch版では5月27日23時59分まで50%オフの税込3790円で販売中。Steam版では5月15日からセールが予定されているそうだ。