デッキ構築オートバトラー『The Bazaar』Steam版登場でたちまち盛況。“ランダム提示イベント”が生み出す、臨機応変戦略バトル

Tempoは8月14日に『The Bazaar』をSteam向けにリリース。マネタイズ手法の変遷には批判も寄せられているものの、ゲームプレイは高く評価され、盛況を博している。

デベロッパーのTempoは8月14日に『The Bazaar』をSteam向けにリリースした。本作はこれまで、同スタジオが提供するTempo Launcherを通じてPC向けに配信されており、この度ついにSteamにも登場した作品だ。Steamに登場するや否や、さっそく盛況を見せている。

『The Bazaar』はデッキ構築オートバトラーだ。プレイヤーはヒーローを選択し、アイテムの売買を通じて強化をおこないつつ、相手プレイヤーとのバトルを勝ち抜き10勝することを目指す。なお対戦についてはリアルタイムではなく、『バックパック・バトル』のように非同期による戦闘が展開されていく。

プレイヤーキャラを強化するアイテムは100種類以上存在。アイテムなどには幅が決まっており、プレイヤーは自陣の幅に収まるようにアイテムを配置することになる。アイテムは購入イベントにて、戦闘などで集めたコインを消費して交換する。すでに購入しているアイテムは強化することが可能だ。

とはいえ、先述の『バックパック・バトル』などのオートバトラーとは異なり、毎ラウンド購入イベントが発生するわけではない。ランダムで提示されるイベントから選択する方式となっており、各イベントによって毎回盤面の状況は変化していく。臨機応変に対応していくのが重要となるだろう。

本作は2018年に開発を開始し、2024年10月30日にクローズドベータ版が公開。ファウンダーズパックを購入したユーザー向けにリリースされた。そして2025年3月に基本プレイ無料タイトルとしてオープンベータがリリース。そして今回、Steam向けにも展開。基本プレイ無料タイトルから買い切りゲームとして正式リリースされたかたちだ。なおすでに本作をプレイしているユーザーは、公式クライアントTempo Launcherから引き続きプレイ可能だ。

本作はSteamに登場するや否や、さっそく盛況を博している。SteamDBによればピーク時の同時接続プレイヤー数は6321人を記録。また本稿執筆時点ではすでに1000件近くのレビューを集めており、そのうち87%が好評を投じる「非常に好評」ステータスを獲得。オートバトル系の作品としてビルドを完成させていく必要がある本作では、イベントはランダムで提示される。本作はアイテムがある都合、強力なアイテムビルドも存在するものの、ランダム性によってプレイごとに臨機応変にビルドを変えていく必要がある。そうした工夫の余地がリプレイ性の高さや戦略性の高さを生み出しているとして好評を博しているかたち。

一方で、本作はもともと基本プレイ無料として打ち出された作品。しかしサブスクリプションモデルの展開や課金によるバトルパスのTierスキップなどが実施され、またSteamに展開するにあたって通常価格が税込4500円としてリリースされた。有料でのヒーロー/ボードのリリースなど、課金の有無によるプレイヤーの差なども生まれているとして、マネタイズ手法の変遷には批判も寄せられている格好だ。今後本作の運営が展開されていくにあたって、こうした懸念や不満が解決されるかどうかは注目されるところだ。

The Bazaar』はPC(Tempo Launcher/Steam)向けに配信中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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