中国のネットワークサービス運営会社「テンセント」が、e-Sportsプロ選手をテーマとした人気オンライン小説「全職高手(職は耳に只)」をアニメ化することが明らかになった。テンセントは『リーグ・オブ・レジェンド』のRiot Gamesや『クラッシュ・オブ・クラン』のスーパーセルなどの親会社として知られており、傘下のe-Sportsタイトルのメディアミックスにも意欲的なようだ。
ファンによるPVのYouTube転載版(英語字幕つき)。美麗な作画で知られるアニメスタジオ「視美動画」が制作する。
「全職高手」は中国のオンライン小説投稿サイト「起点中文网」の大人気作品で、全7巻が刊行されている。日本でも現在4巻までが翻訳版「マスターオブスキル 全職高手」として発売されている。小説の舞台となるのはプロリーグが存在する架空のオンラインゲーム「GLORY」。主人公の「葉修(イエシュウ)」はとあるプロクラブに所属するベテランのプロ選手だったが、ある日クラブから自分が育て上げたゲームキャラクターを奪われた上で追い出され、プロ生活からの引退を余儀なくされる。彼は偶然にも職を得たネットカフェでの新たな出会いを経て、身ひとつから1年後のプロ復帰と頂点を目指す──というストーリーだ。テンセントと関連会社Yuewenの共同プロジェクトとして、TVアニメシリーズを2017年に放送予定とのこと。
主人公のフィギュアも発売予定。制作元のグッドスマイルカンパニーは2014年の『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会限定販売品「ねんどろいど Ahri」も手がけている。
またテンセントは傘下のRiot Gamesが全世界に展開するMOBA『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』のメディア展開を計画しているとの報道も。中国内での『リーグ・オブ・レジェンド』サービス5周年を記念して、映画・アニメ・舞台化などのメディアミックスを検討しているとのことだ。ただ、テンセントおよびRiot GamesはIP展開に慎重な姿勢を取っており、ブランドイメージを守るためにクオリティを重視した作品制作を行っていく模様。
中国では近年、人気MMOタイトルから映画化した「ウォークラフト」が大ヒット。日本と同様にオンライン小説投稿サイトでの創作も非常に盛り上がっている。e-Sportsタイトルをプレイしたり、ゲーム配信に夢中になったり、オンライン小説を楽しんだりといった、若いネットユーザーの層が重なっていても全く不思議はない。「e-Sportsメディアミックスコンテンツ」の今後の盛り上がりに注目だ。