『鉄拳8』開発陣、「三島平八」復活の背景を明かす。30周年を祝す重要人物なのと、開発陣もファンも恋しがっていたので

『鉄拳8』の追加DLCキャラ第3弾として「三島平八」が参戦決定。このことについて、『鉄拳』チーフディレクターの原田勝弘氏たちが、前作で死んだとされた平八の参戦理由を答えた。

バンダイナムコエンターテインメントは7月22日、「EVO 2024」にあわせ、『鉄拳8』の追加DLCキャラクター第3弾として「三島平八」が参戦することを発表した。前作『鉄拳7』で故人となっていたはずの三島平八がなぜ本作で参戦したのか、『鉄拳』プロジェクト・チーフディレクターの原田勝弘氏たちが、海外メディアIGNのインタビューに答えている。

『鉄拳8』は、3D対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズの最新作。バトルコンセプトのキーワードとして「Aggressive(アグレッシブ)」が掲げられ、キャラクター個々の特性が強化されるヒートシステムなどが導入。本編には新規キャラクターを含む32体が参戦し、三島一八と風間仁の親子対決を中心としたメインストーリーや、新モードのアーケードクエスト、大規模オンラインビジュアルロビー「TEKKEN FIGHT LOUNGE」を通じた対戦などを楽しめる。


そして7月22日、格闘ゲームの大会「EVO 2024」にて、三人目のDLC追加キャラとして「三島平八」の参戦が発表された。三島平八は三島一八の父親であり、『鉄拳』シリーズでは一八や仁の前にたびたび立ちはだかってきた人物。前作『鉄拳7』のストーリーにおいては死闘の末、一八に敗北し、溶岩に投げ込まれ絶命したとされていた。最新作である『鉄拳8』のストーリーでも、レイヴンが「Heihachi Mishima is dead.(三島平八は死にました)」と話すなど、故人として扱われていた。

そんな平八がなぜ本作で復活したのか、などについて海外メディアIGNが本作チーフディレクターの原田勝弘氏たち開発陣に対しインタビューをおこなっている。原田氏は、平八が死んだという事実を覆した点について問われ、「嘘をついたつもりはなくて……」と前置きした。そして『鉄拳7』はストーリーの構成上、平八と一八の物語に焦点を当てていたとし、二人の決着を見せたかったと語った。前作のストーリー終了時点では、一八の勝利というかたちで、本当に平八が死んでいるという設定で進められていたようだ。


その後『鉄拳8』にてストーリーに注力した結果、ユーザーの関心が惹けた手応えがあったそうだ。そうしてストーリーを展開していくと次第に、ユーザーがある種、平八を恋しがっているように感じられたという。また、開発陣側も平八を恋しく思っていたそうだ。また、『鉄拳』シリーズは1994年にアーケード向けに初代が発売されて以来、今年で30周年を迎える。その記念の節目には平八・一八・仁の「三島家の3人」が必要だろうとの判断もあったという。そうした背景もあり、開発チームは後から平八を追加しようと決断したという。そのため、今回は溶岩から“奇跡の復活”を果たすかたちとなったようだ。

また開発プロデューサーの池田幸平氏は、“平八復活”に向けて準備を進めていった、と語る。平八の技も受け継ぐ新キャラ「麗奈」と三島平八との繋がりもその一環のようだ。30周年記念ロゴについても繋がりをもたせたとのことだ。ロゴは一八と仁がデビル化した際に生える翼が左右に広がるデザインとなっているが、これはよく見ると平八の髪形のシルエットにも見える。


『鉄拳8』開発チームは、こうして“平八復活”への仕込みを進めていたとのこと。とはいえ、『鉄拳5』でも死亡したと思われながら続編では生き延びており、今回の復活はある意味で「恒例行事」としても扱われているようだ。なおIGNのインタビュー(英語)では、今後機能追加があるかといった点や、追加キャラクターといった点についても語られている。

鉄拳8』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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