[2015年8月19日 12時05分 Update]
LoL Esports公式からIWCTの詳細が発表された。5月に行われたIWCIとは違い、IWCT出場チームははまず2つのグループに分けられ、そのグループ内でダブルラウンドロビン方式のグループステージが行われる(グループ内のチームが総当り戦で2回ずつ対戦)。グループステージの対戦結果で順位が決まり、上位2つのチームがBo5(3本先取)の決勝戦を戦い、Worldsに進出する2チームが決定される。
まず8月26~27日に、最初のグループステージがトルコで行われる(International Wildcard Turkey)。こちらのグループはDetonatioN FocusMe、The Chiefs eSports Club、Bangkok Titans、Dark Passageの4チームだ。次に8月29~30日、ブラジルのサンパウロにあるRiot Brazilスタジオにて、2つめのグループステージが行われる(Wildcard Regional Qualifier)。こちらのグループはpaiN Gaming、Hard Random、Kaos Latin Gamersの3チームとなっている。以上2つのグループステージ終了後、決勝戦が9月5日にチリのサンティアゴで開催される。全ての試合が配信される予定だが、日本時間の8月19日昼現在、詳細な時刻等はまだ発表されていない。開催が近づけば、LoL Esportsのスケジュールページで詳細なスケジュールが判明するだろう。
8月16日にBangkok Titansが2015 Season Southeast Asia Regional Finalsの王座を勝ち取り、これをもって2015 World Championshipへの道となるトーナメントである、2015 International Wildcard Tournament(以下、IWCT)への出場チームが全て決定した。
各地域で1年間にわたって熱い戦いが繰り広げられてきた『League of Legends』のリーグは、10月に行われるWorld Championship(以下、Worlds)へとつながっている。
北米、ヨーロッパ、中国、韓国、台湾・香港・マカオ、これら5地域はPremier Regionとされ、公認の大きなリーグが存在しており、リーグのトップチームに入ることで、年に一度行われる世界大会であるWorldsへの出場権が得られる。公認のリーグがなかったり、公認でもリーグの規模が小さかったりといった地域であるSecondary RegionからもWorldsへの出場が可能となるのが、IWCTだ。IWCTからは2チームがWorldsへ進出できる。
ではIWCTに出場が決定した7地域の7チームを、出場決定順に紹介していこう。
Hard Random(ロシア代表)
ロシアのリーグであるSLTV StarSeries Summer 2015の覇者。レギュラーシーズンのリーグを1位で駆け抜け、プレイオフでもDolphins of Wall Streetを3-2で下して優勝した。
ロシアサーバーは2013年4月に稼働を開始した、比較的新しいサーバーである。それまではロシアのプレイヤーたちはヨーロッパサーバーでプレイしていたが、今もヨーロッパサーバーにアカウントを持つプレイヤーは多い。
5月に行われた、2015 Mid Season Invitational(以下、MSI)への出場を賭けたInternational Wildcard Invitational(以下、IWCI)では4-2でグループステージ2位の成績をおさめたが、ブラケットステージ初戦でブラジル代表のINTZに破れ、2015 MSIへの出場はならなかった。
paiN Gaming(ブラジル代表)
ブラジルは年々競技環境が向上している地域であり、paiN Gamingはそのブラジルのトップチームのひとつだ。ブラジルではスポーツ観戦文化が浸透しているせいか、LoLトーナメントの配信視聴者数も年々大きく増加しているという。
トップチームが競い合うブラジルリーグ「CBLoL」参加チームには、ヨーロッパや韓国から加入している選手も見られる。paiN Gamingにもフランス国籍のDioud選手が所属しており、先日ブラジル政府からe-Sports選手としてのビザが認定されたとのことで話題になった。
ブラジルのシーンはこれまで国際的なステージにさまざまなチームを送り込んできており、2015 IWCIではINTZ、2014 WorldsではKabum! e-Sportsが世界の舞台に登場している。2014 Worldsのグループステージでは、Kabum! e-SportsがヨーロッパトップチームのAlliance相手に1勝を上げ、世界中に大きな衝撃を、ブラジル国内には大きな期待をもたらした。
Kaos Latin Gamers(ラテンアメリカ代表)
Latin America Closing Cupの決勝戦で、Lyon Gamingを3-1で破って優勝、ラテンアメリカ代表の座を勝ち取ったのがKaos Latin Gamersだ。
チリ国籍とアルゼンチン国籍の選手で構成されており、2015 IWCIでは1-5でグループステージにて敗退している。
The Chiefs eSports Club(オセアニア代表)
ライバルであるLegacy eSportsを3-1で破り、2015 OPL Split 2での優勝を決めたChiefsが、オセアニア代表である。
5人中4人のメンバーが、2013年にTeam Immunity所属でWildcard Invitationalに出場した経験のあるプレイヤーでもある。2015 IWCIでの戦績は、3-3でグループステージ敗退。
Dark Passage(トルコ代表)
2015 IWCIに優勝して2015 MSIへ出場した強豪チームBeşiktaş e-Sports Clubを3-1で破り、2015 Turkish Champions Leagueの覇者となったDark Passage。2014年はトルコのシーンで最強の風格を示していたが、2015年はBeşiktaşの二番手に甘んじており、最後の最後でライバルを破り堂々のIWCT出場となった。
Secondary Regionの中ではトルコはトップの地域として知られており、近年のWildcard出場枠を競うトーナメントでは、必ずトップ群に食い込んでいる。Dark Passageは2014 Worldsへの出場経験もあるが、1勝もできずにグループステージで敗退している。
DetonatioN FocusMe(日本代表)
日本のプロリーグであるLJLから2回目の国際舞台出場となるDetonatioN FocusMe。LJL Season 2の決勝戦では、Ozone Rampageを0-2からの大逆転で破り優勝を決めた。
日本は2015年からSecondary RegionとしてWildcard参加枠を争うトーナメントへの参加が認められた地域だ。サーバーが存在しない国ながらも成長中の競技シーンは、世界中から注目を浴びている。
初めての国際舞台参加となった2015 IWCIでの戦績は1-5、グループ6位で敗退し、MSIへの出場はならなかった。
Bangkok Titans(東南アジア代表)
今年からWorldsでは東南アジアの区分が改訂され、以前は「GPLおよびLMS地域」として同じ地域であった台湾・香港・マカオとそれ以外が分離し、東南アジアはSecondary RegionとしてWildcardに参加することとなった。
Bangkok Titansはその名の通りタイのチームで、2015 Season Southeast Asia Regionalの決勝戦でSaigon Jokersを3-1で破り優勝を決めた。台湾・香港・マカオと同じ地域だったこともあり、この地域の歴史はPremier Regionと同じくらい長い。Bangkok Titansも2012年設立のチームである。
開戦の先触れ、IWCT
個人的には、これまでのIWCI等の結果を考慮すると、やはりトルコやブラジル等、結果を残してきた地域が抜けるだろうという予想が浮かぶ。だが、その他の地域も強い地域が抜けていく様子を、指をくわえて見ていただけではないはずだ。どの地域も年々競技レベルは上がっており、Worlds開戦の先触れたるIWCTでも、相当熱い戦いが期待できるのではないかと思っている。
Riot Gamesは国際的な試合が行われるトーナメント数を非常に絞っており、2015年の例では春季シーズンが終了した後の「Mid Season Invitational(MSI)」、夏季シーズンが終了した後の「2015 World Championship」、Worlds終了後の年末に予定されているという「All-Stars」、そして以上の国際トーナメントとは別にESLが主催するe-Sportsイベント「Intel Extreme Masters(IEM)」のみである。
このように数少ない国際舞台であるWorldsだが、IWCTはWildcard枠をWorlds開催前に決めなければならないので、それに先駆けて9月には開催されるであろう。昨年に比べて参加地域数も増えたため、7つのチームを2グループに分け、グループステージをそれぞれチリとトルコで開催するとのこと。日程等も含め、開催詳細の正式発表が待たれるところである。