ファンタジー確定申告RPG『確定申告を頑張るRPG』無料プロローグ公開、やたらと生々しい確定申告描写が笑いと恐怖巻き起こす。魔王討伐のご褒美にも源泉徴収はある

国内クリエイターのあをにまる氏は、『確定申告を頑張るRPG』のプロローグ部分を無料公開した。本作は「毎年確定申告でお困りの皆様のために、申告のやり方を楽しく学べるフリーゲーム」として開発されている。

国内クリエイターのあをにまる氏は、確定申告の方法を楽しく学べるフリーゲーム『確定申告を頑張るRPG』のプロローグ部分を公開した。PLiCyにてブラウザから無料でプレイ可能となっている。

本作は「毎年確定申告でお困りの皆様のために、申告のやり方を楽しく学べるフリーゲーム」として開発されている。確定申告とは、主に個人事業主や副業収入のあるサラリーマンなどが毎年の税額を税務署に申告し、納付する税額を確定する手続きだ。個人で行う法的な手続きとしてはかなり手ごわい部類のものであり、自分で行うことはなくともなんとなくその存在を聞いたことがある方は多いだろう。本作は、そんな確定申告やその他の税制について少しでも楽しく学べることを目指している。

舞台となるのは、いわゆる「勇者と魔王」タイプの王道ファンタジーRPGの世界だ。ただ一点通常のRPGと大きく異なるのは、プロローグにて魔王が早くも討伐されてしまうこと。普通であればめでたくハッピーエンドを迎える展開であるが、勇者タックスの受難はここから始まる。

「魔王討伐業務の委託報酬」である5000万円(マドカ―)が3989万円まで源泉徴収されることを確認しておらず、文句をこぼすタックス。ほかにも、ダンジョン内のモンスターや宝箱から得たお金を申告しなかったり、王様からもらった支払調書をその場で捨ててしまったりと、タックスはかなりお金の制度に疎いようだ。そうしたずさんな金銭管理が祟ってか、半年後にはほぼ一文無しとなってしまう。

自堕落な日々を送るタックスのもとへ現れたのは、半年前に討伐したはずの魔王。転生を果たし血の滲むような就職活動の末に国税調査官の地位を手にした魔王は、タックスが税制に詳しくないことを嗅ぎつけ、その立場を利用した恐るべき復讐を計画していた。勇者タックスとその財産の命運やいかに……。

今回公開されたプロローグには戦闘シーンは含まれないものの、税体力(HP)を回復させる生命保険料控除(ヒール)の呪文が紹介されており、本編ではRPGとしての戦闘要素の追加も予定されているようだ。プロローグ時点で生々しい確定申告についての言及などがさっそく話題となっており、自分の確定申告を思い出すといった恐怖も呼んでいる様子がみられる。

ちなみにゲーム開始画面では『確定申告を頑張るRPG(白)』と表記されている本作のタイトルにも秘密が。確定申告には、簡易的な手続きで済む「白色申告」と手間はかかるが節税メリットが大きい「青色申告」の2種類が存在することになぞらえて、イージーモードにあたる白、ハードモードにあたる青の2バージョンが開発されているようだ。

本作を手がけるのは国内開発者のあをにまる氏。これまでも歴史・風土などのやや堅めな題材と、さまざまなゲームジャンルをかけあわせ、複雑な事柄をわかりやすく解説するゲームを送り出してきた人物だ。本作のプレイを通じて“救われる”ユーザーもいるかもしれない。

ちなみに2023年には、国税庁のYouTubeチャンネルが架空のゲーム『Kakushin Simulator β版』なるゲームの実況風動画を投稿し、話題を博していた(関連記事)。スマートフォンでの確定申告について紹介するシュールな動画となっており、そちらでスマホ申告について確認してみるのもいいだろう。

『確定申告を頑張るRPG』のプロローグ部分は、PLiCyにて無料でプレイ可能だ

Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

記事本文: 60