“復活”を果たすTango Gameworks、KRAFTONに移管するスタッフは「約50名」との報告。もとの約半分のスタッフが集う

『Hi-Fi RUSH』

KRAFTONは8月12日、マイクロソフトおよびZeniMax Mediaの協力のもと、今年5月に閉鎖されたTango Gameworksの事業を継承したと発表した(関連記事)。ゲームジャーナリストのStephen Totilo氏によれば、事業継承によって移管するスタッフは約50名だという。

Tango Gameworksは、日本の東京を拠点にするゲーム開発スタジオだ。三上真司氏によって2010年にTangoとして設立され、その後Bethesda Softworksなどを傘下にもつZeniMax Mediaに買収。以後、ZeniMax Asiaのゲーム開発部門Tango Gameworksとして活動し、サバイバルホラーゲーム『サイコブレイク』シリーズや、アクションアドベンチャーゲーム『Ghostwire: Tokyo』、リズムアクションゲーム『Hi-Fi RUSH』などを手がけてきた。この間には、ZeniMax Mediaを買収したマイクロソフトの傘下に入っている。また、三上真司氏は2023年に退職した(関連記事)。

そして今年5月には突如としてTango Gameworksの閉鎖方針が発表され、6月に閉鎖された。そこから約2か月を経て、KRAFTONによる事業継承が発表された運びとなる。同社は、傘下に『PUBG: BATTLEGROUNDS』の開発元PUBG STUDIOSや『サブノーティカ』の開発元Unknown Worldsなどを擁する、韓国に本社を置くゲーム企業だ。


ゲームジャーナリストのStephen Totilo氏がKRAFTONの投資家向けコメントとして伝えるところによると、Tango Gameworksからは約50名のスタッフが移管する予定だという。Tango Gameworksが今年3月1日に掲載した募集要項によれば当時105名のスタッフが在籍していたとされるため、KRAFTONに移るスタッフは約半分となるようだ。先述のとおり閉鎖から約2か月を経ており、すでに再就職などが決まっていたスタッフもいたのだろう。

なおTotilo氏が伝えるところによると、Tango Gameworksは閉鎖済みのため、今回の事業継承は厳密には人材獲得目的の買収、つまりアクハイヤー(acqui-hire)であったとのこと。またKRAFTONは投資家向けに、本当なら開発チームを丸ごと継承したかったとも明かしているそうだ。

Totilo氏によると元Tango Gameworksの約50名のスタッフは、まずはKRAFTONの日本子会社へと移管する見込み。先日伝えられたとおり、『Hi-Fi RUSH』のIP拡大に向けた開発および新たなプロジェクトに着手する予定だそうだ。なお先日の発表では今後KRAFTONはTango Gameworksの法人化を進めるとされていた。将来改めてTango Gameworksが傘下スタジオとして設立されるのかもしれない。

閉鎖から約2か月を経て“復活”を果たすTango Gameworks。KRAFTONに移管するスタッフはもとの約半数とみられ、新たな体制で新作開発に臨むこととなるのだろう。新生するTango Gameworksがどのような作品を打ち出すのか、スタジオの今後にも注目したい。