基本プレイ無料バトロワ『SUPERVIVE』開発者、プレイヤー人口減について「本当にキツいが、サービス終了はしない」ときっぱり断言。シーズン2目前に起死回生への方針明かす

Theorycraft Gamesが手がける、対戦アクションゲーム『SUPERVIVE』のプレイヤー数が苦戦しているようだ。本作のエグゼクティブ・プロデューサーが現状と将来について回答を寄せている。

デベロッパーのTheorycraft Gamesが手がける、対戦アクションゲーム『SUPERVIVE』のプレイヤー数が苦戦しているようだ。海外メディアPCGamesNのインタビューにて、本作のエグゼクティブ・プロデューサーが現状と将来について回答を寄せている。

『SUPERVIVE』は見下ろし視点で繰り広げられるチーム対戦アクションゲームだ。ジャンルとしてはMOBAとバトルロイヤル、ヒーローシューターが融合したものとなっている。対応プラットフォームはPC(Steam)で、基本プレイ無料にてプレイ可能だ。

本作にてプレイヤーは、固有のアビリティを持つ20体以上の「ハンター」と呼ばれるヒーローキャラクターを選択して、チーム対戦に挑んでいく。ゲームモードは、3人チーム12組の「トリオバトルロイヤル」と、4対4チームデスマッチ「アリーナ」が用意されている。それぞれをスクワッド・トリオ・デュオでプレイする設定も可能だ。

メインとなるトリオバトルロイヤルのマップは、環境の異なる複数のエリアで構成された広大な浮き島。モンスターや倒してレベルアップしたり、スキルを強化したり、武器やアーマーなどの装備を獲得して自身を強化していく。プレイヤーはジャンプや滑空、射撃や打撃、固有スキルなどを駆使して、チームメンバーと協力しながら強化をおこない生き残りを目指して戦うのだ。

本作は、2024年11月にオープンベータとして早期アクセス配信が開始。『リーグ・オブ・レジェンド』や『オーバーウォッチ』『VALORANT』などを手がけたベテラン開発者らが設立したスタジオによる新作として注目され、オープンベータには100万人以上のプレイヤーが参加。そして2025年7月にSteam向けに正式リリースされ、Steamユーザーレビューでは約2万2000件のうち85%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得した。直近30日間でも好評率82%の「非常に好評」ステータスを維持するなど高く評価されている。

しかしながら、本作の現状のプレイヤー人口は芳しくないようだ。本作のエグゼクティブ・プロデューサーであるJessica Nam氏がPCGamesNのインタビューに回答。「本当にキツい状況です(I think it’s really hard right now)」と率直に答えている。本作のようなタイトルにおいては、プレイヤーが多いほどマッチングしやすく、マッチング自体の質も高まりやすい。本作においては最低限のプレイヤー数はいるものの、そうした対戦環境を維持することが現状ではやや難しいという。

本作のSteam同時接続ユーザー数としては、早期アクセス配信後のピーク時に約4万8000人を記録。その後ユーザー数は減り続け、今年7月の正式リリースにおいて約1万3000人まで持ち直したものの、直近1か月ほどはピーク時に1000人前後となっている(SteamDB)。本作がSteamのみで提供されているバトルロイヤル作品であることを考慮すると、たしかに心もとない印象だ。

Nam氏としては、本作はほかの類似タイトルと違う、ゲームプレイ自体は提供できていると考えているとのこと。しかし、現在はそれだけでは不十分だと感じているという。本作を活気づけ、「友達とプレイしたい」と思わせるためには、新たなコンテンツや報酬といったテコ入れが必要だと認識しているそうだ。

ただ、Theorycraft Gamesのような小さな会社では、それらのニーズに応えることが困難だったそうだ。Nam氏はプレイヤー数減少について振り返っての反省点として、コア層とカジュアル層の両方のニーズを満たそうとした結果、「方向性が曖昧」になってしまったことについて言及。広範囲をおさえるのではなく、アップデート内容を絞り込みたいとしつつも、今も苦慮していると吐露した。

とはいえ、Nam氏は本作を「サービス終了するつもりはない(We are not shutting down)」と断言している。同氏は、基本プレイ無料で長期間運営していく本作のようなタイトルは、ゲームだけでなくすべてのエンターテインメントとの時間の奪い合いであり、それが業界の厳しい現実であると言及。そうした背景も踏まえ、新鮮な体験を毎日提供し続けるような現実的ではない方針は避け、本作を深く愛するコア層に焦点を当てた運営をおこなっていくという。

毎日のように注目の大作やインディーゲームがリリースされる昨今。基本プレイ無料作品やサブスクサービスも充実しており、ユーザーの選択肢はかつてないほど広がっている。先日には「質の高いゲームが多すぎて市場が飽和状態である」との分析も話題を呼んだ(関連記事)。そんな中で『SUPERVIVE』は、本作を愛するプレイヤーが帰ってこれる場所になることを目指しているようだ。

なお、本作は現在シーズン1の終了に向けたラストスパート中。10月下旬にはシーズン2が開催され、新キャラクター、新アイテム、バトルパス、コスメティックなどが追加予定だ。また、より多くのプレイヤーが競争力を発揮できるような新たな施策についても模索中だという。詳細は後日発表予定とみられる。シーズン2から心機一転参加するのもいいだろう。

『SUPERVIVE』は、PC(Steam)向けに基本プレイ無料で配信中だ。ゲーム内は日本語表示、日本語音声に対応している。

Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

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