『Summer Pockets REFLECTION BLUE』Steam版、「オリジナル復元パッチ」公開。“海外の倫理基準”にあわせて変更された一部表現を戻せる

Keyは9月1日、『Summer Pockets REFLECTION BLUE』Steam版向けにオリジナル復元パッチを公開した。

ビジュアルアーツの美少女ゲームブランドKeyは9月1日、『Summer Pockets REFLECTION BLUE』Steam版向けにオリジナル復元パッチを公開した。同パッチを適用すると、イベントCG、オープニング、シナリオについて、オリジナルのPC日本語版準拠に復元できるそうだ。

『Summer Pockets REFLECTION BLUE』は、2018年にリリースされた『Summer Pockets』に追加要素などを収録した、全年齢向けの恋愛アドベンチャーゲームである。本作の舞台は、1日に数本の連絡船しか来ない鳥白島。主人公の少年・鷹原羽依里は都会から逃げるように、夏休みを利用して同島を訪れていた。亡くなった祖母の遺品整理をするためである。そんな島で少年は、都会とは異なる生活に戸惑いながらも、島の暮らしに順応していく。島で過ごす中では、人見知りの少女・鳴瀬しろはや男女別け隔てなく接する空門蒼など、少女や仲間たちも登場。夏休みに訪れた島での、愉快な青春と恋愛が繰り広げられる。

また本作『Summer Pockets REFLECTION BLUE』では、オリジナルの『Summer Pockets』をベースに新コンテンツが追加されている。親戚の少女「加藤うみ」ルートの追加や、サブヒロイン2名のメインヒロインへの昇格、新ヒロイン神山識の追加、通常シナリオの追加、卓球ゲームの強化などが実施。多数の追加要素を含むパワーアップ版となるわけだ。

本作はビジュアルアーツのブランドKeyより、2020年にPC向けにリリース。PS4/Nintendo Switch/iOS/Android版なども発売されてきた。美少女ゲームなどADVを中心にプレイヤーの評価が集まるサイト「ErogameScape -エロゲー批評空間-」では、記事執筆時点でデータ数994件により中央値90/平均値89点と非常に高い評価を獲得。関連作品としては、2025年4月からテレビアニメも放送されている。

今回は『Summer Pockets REFLECTION BLUE』Steam版向けに、オリジナル復元パッチが公開された。同パッチを公式サイトからダウンロードして適用すると、オリジナルのPC日本語版準拠の表現でプレイ可能。一部イベントCGやシナリオなど、PC版とSteam版で異なっていた箇所が、オリジナルのPC版と同じ表現に復元されるのだろう。

Steam版は、2025年6月に日本語/英語/中国語(簡体字)に対応して発売された。UIなども異なる、グローバル向けのバージョンとなっている。本作は、前述のようにプレイヤーから高く評価されてきたが、Steam版では記事執筆時点でユーザーレビュー631件中63%の好評を得てステータス「賛否両論」を獲得。ユーザーレビューの中には、一部CGやテキストに規制がかかっているという指摘や、UIが扱いづらいといった声もあった。

Keyは7月に、Steam版でのUI変更やCG修正、シナリオ変更などに関する厳しい意見をいただいているとして謝罪。ビジュアルアーツ代表直下の特別対応チームを設置して、改善などに取り組むと告知していた。そのうちUIについては、『Summer Pockets』に準拠したショートカットメニューの追加や、セーブスロット数の増加といった改善がアップデートで実施されてきた。

Keyの公式X(旧Twitter)アカウントによると、Steam版では海外の倫理基準の観点から、一部表現を変更。表現を柔らかくしたグローバルバージョンになっていたのだという。今回は「オリジナル復元パッチ」を公開。パッチの配布によって、Steam版でもPC日本語版と同じCGやシナリオの表現でプレイ可能となったわけだ。

Summer Pockets REFLECTION BLUE』は、PS4/Nintendo Switch/PC(Steam/DLsite/DMM GAMES/DiGiket.com)/iOS/Android向けに発売中。Steam版用の「オリジナル復元パッチ」は、公式サイト内にて公開中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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