“『Balatro』と同じ原因”で配信停止された『すごろくカジノパーティ』Nintendo Switch版、1月30日に配信再開へ。3歳以上対象から一転「18禁」にレーティング変更

SAT-BOXは1月21日、パーティーゲーム『すごろくカジノパーティ』のNintendo Switch版について、1月30日に配信再開すると発表した。本作Nintendo Switch版は『Balatro』と同じく、レーティング変更に伴って一時配信停止となっていた。

デベロッパーのSAT-BOXは1月21日、パーティーゲーム『すごろくカジノパーティ』のNintendo Switch版について、1月30日に配信再開すると発表した。

本作は、PC(Steam)版と共に昨年12月12日にリリースされたものの、その後まもなくNintendo Switch版のみ配信停止に。対象年齢を示すレーティングの変更があり、これが原因だったようだ。


『すごろくカジノパーティ』は、カジノゲームで遊びながらチップを稼ぎ、すごろくで1位を目指すパーティーゲームだ。ソロプレイおよびローカル最大6人・オンライン最大4人でのマルチプレイに対応。プレイヤーはすごろくをプレイし、停まったマスに応じてゲームをするほか、イベントをこなしたり特殊なカードを入手したりする。ゲームには、ポーカーやブラックジャック、スロットマシン、ルーレットなど14種類が収録され、ミニゲームモードにて個別に楽しむことも可能だ。

本作は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに2024年12月12日に配信開始。ただ、その後Nintendo Switch版のみ突如配信停止された。当時開発元SAT-BOXから特に発表はなかったが、このたびレーティングに関する問題により配信停止されたことが明らかにされた。

本作のNintendo Switch版は、もともとIARCの審査にて「3+(3歳以上対象)」とレーティングされて配信された。しかしSAT-BOXによると、その後「18+(18歳以上対象)」に変更されたのだという。

IARCは、ダウンロード専用ゲーム・アプリのみを審査対象とする、海外に拠点を置くレーティング団体だ。北米のESRBや欧州のPEGIなど、各国・地域のレーティング団体が加盟して成り立っており、審査結果に応じて加盟各団体のレーティングに変換される仕組みとなっている。ただ、現時点で日本のCEROは加盟していないため、CEROレーティングには変換されない。審査料金が無料で手続きも簡便なため、特にインディーゲームにおいて利用が広まっており、ニンテンドーeショップをはじめ各プラットフォームで採用されている。

ただしニンテンドーeショップにおいては、IARCのレーティングに変更があった場合に2段階以上引き上げられると一旦配信停止とされ、また「18+」にレーティングされたタイトルはそもそも配信不可だとされる(CEROレーティングの取得が求められる)。本作『すごろくカジノパーティ』は、この規定に引っかかり配信停止されたようだ。

『Balatro』


では、もともと事実上の全年齢対象である「3+」にレーティングされていた本作が、なぜいきなり“18禁”になってしまったのだろうか。理由については発表されていないためはっきりしないものの、似た事例はこれまでにもあった。人気ローグライクポーカーゲーム『Balatro』の一件だ。同作も、IARCにて「3+」にレーティングされ配信されたが、その後「18+」に変更され、ニンテンドーeショップなどで一時配信停止となった(関連記事)。

配信再開後の『Balatro』のレーティングには、「目立つギャンブルの画像(Prominent Gambling Imagery)」がゲーム内に含まれるとの注意表記が付き、これが対象年齢の引き上げにつながった。実際にお金を賭ける要素は存在しないものの、レーティング機関によっては、ギャンブルをシミュレートしているだけであっても自動的に18歳以上対象にレーティングする厳しい対応をおこなっている。

また、デッキ構築型スロットゲーム『幸運の大家様(Luck be a Landlord)』においても、同様の事例が発生。配信停止には至らなかったものの、Android版が配信されているGoogle Playの運営元Googleから“ギャンブルゲーム”であると指摘され、開発元は18歳以上対象へのレーティングの引き上げを余儀なくされた(関連記事)。

本作『すごろくカジノパーティ』は、そのタイトルが示すようにさまざまなカジノゲームが収録。もちろん実際にお金を賭けるような要素はないが、比較的リアルなビジュアルで各ゲームが表現されている。こうした内容が確認されたことで、IARCに「ギャンブルをシミュレートしている」と評価し直され、「18+」へとレーティングが変更されたものと考えられる。

Nintendo Switch版の配信停止を受け、開発元SAT-BOXはCEROにて新たにレーティング審査を申請。その結果、「A(全年齢対象)」と判定されたため、配信再開が決まったとのこと。ちなみに前出の『Balatro』も、日本ではCEROで「A(全年齢対象)」のレーティングを受けて配信再開されており、このジャンルのゲームのレーティング審査における、日本と海外のギャップを改めて感じさせる。

すごろくカジノパーティ』のNintendo Switch版は、1月30日に配信再開予定だ。また、PC(Steam)版は現在配信中である。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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