“国勢調査のデータを使った”地下鉄交通シム『Subway Builder』が話題沸騰中。「リアル通勤者シミュレート」システム搭載、アメリカ大都市路線づくり
個人ゲーム開発者のColin Dias Miller氏は10月10日、『Subway Builder』をリリース。本作はアメリカの国勢調査のデータを用いていることが特徴で、そのリアルな都市マップには注目が寄せられている。

個人ゲーム開発者のColin Dias Miller氏は10月10日、『Subway Builder』をリリースし、大きな注目を集めている。対応プラットフォームはPC(Windows/Mac/Linux)。なお現在は公式サイトのみを通じた購入に限られているが、後日Steam向けにも登場する予定だ。
『Subway Builder』は地下鉄交通シミュレーションゲームだ。舞台となるのはアメリカ。ニューヨークやワシントンD.C.、シアトル、サンフランシスコといった都市で、プレイヤーは地下鉄路線を構築していくこととなる。

ゲームを開始するとその都市のマップが登場。プレイヤーは好きな箇所に駅を建設し、駅を線路で接続する。駅には最低限の長さが必要であったり、建設する高さによってコストが変動する。地下深くになればなるほどコストが増加し、トンネルの開通、高架橋の建設にも一定の制約を伴う。手持ちの資金だけでなく、線路を敷設する地形などとも相談しつつ路線構築を進めていく必要があるだろう。また線路は単線/複線を選択することもできる。
本作の特徴として、作中の都市のデータは実際の国勢調査データに基づいている点が挙げられる。米国の国勢調査では自宅と職場の所在地が記録されているといい、そのデータをベースとして数百万人の通勤者を生成。それぞれに通勤時間と帰宅時間が割り当てられ、通勤にかかる時間や費用も計算されたうえで、実際に“通勤”するのだという。つまり現実さながらの人口分布が再現されているわけだ。職場などが多く昼間に人口が集中する箇所と、住宅街として夜間の人口が多い箇所をいかに効率よく接続していくかを現実的なシミュレーションに基づいて吟味するゲームプレイが持ち味となっている。

さらにしばらく運用を続けると、通勤者がどこで乗り換えているか、待ち時間はどれほどかなどといった情報を確認できる。また路線が入り組み、混雑する駅では遅延も発生する。混雑がひどいようであれば路線網の最適化が必要になるだろう。こうして計画立案と運用、振り返りを繰り返しつつ、よりよい路線網を構築していくわけだ。
本作はアメリカ・ニューヨーク在住の個人ゲーム開発者Colin Dias Miller氏が開発を手がけている。同氏のX(旧Twitter)アカウントを見るに今年1月頃から制作に取り組んでいたものとみられ、今回リリースされる運びとなったようだ。リアルな地形図や国勢調査データも用いた人口分布のシステムなどは話題を呼び、SNSなどで注目を集めているかたちだ。X上では現実さながらの都市に自由な路線網を建設できることから、さっそく多くの時間を費やしているユーザーも見られる。
なおMiller氏によれば、本作は数か月後にはSteamにもリリース予定とのこと。加えて今後アメリカの都市を追加するだけでなく、アメリカ以外の都市も追加されることが予告されており、引き続き本作は盛り上がりを見せそうだ。なお公式サイト版の価格は30ドル(約4500円)。対してSteam版は40ドルとなる見込みで、Steamの換算では日本円で4800円程度となるだろう。
『Subway Builder』はPC(Windows/Mac/Linux)向けに公式サイトで配信中だ。