Steamの言語別ユーザー数、8月は中国語ユーザーがトップに。『黒神話:悟空』の大人気もあってか、英語ユーザー数をぐっと上回る


Valveは9月3日、月次恒例となっている「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査」の8月のデータを公開した。このなかでは、Steamでは8月の集計において中国語ユーザーがもっとも多くを占めていたことが示されている。

「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査」は、Steamユーザー達の間でどのような種類のOSやグラフィックボード等が使用されているかなどが一目でわかるデータベースだ。なかでも今月特に目を引くのが「言語」の項目。文字通りSteamでその言語を用いるプレイヤーの割合を示すこのグラフにおいて、今まで1位であった英語と入れ替わる形で中国語が1位の座を手にしている。

元々Steamにおいて中国語は、3位のロシア語に20パーセント以上の差をつけながら英語と1位争いを繰り広げてきたユーザー人口の多い言語であった。実際に今年の2月にも一度英語から1位の座を奪ってはいたものの、その差は0.7%ほどと小さなものだった。それに対し8月のデータにおいては中国語はさらに3%の伸びを見せ、英語と4%ほどの差をつけての1位となっている。


推測される理由としては8月20日にリリースされた『黒神話:悟空』の好調が挙げられるだろう。本作はSteam上での最大同時接続プレイヤー記録にて241万人以上を記録する歴代2位を樹立(SteamDB)。さらに発売後3日間で売上が1000万本を突破するなど、異例の勢いでのスタートとなった。また海外マーケティング調査機関GameDiscoverCoの調べによると、Steamでは初日のプレイヤー層の約88%が中国のユーザーであったという。中国語ユーザーを中心に絶大な人気を誇っているとみられ、8月は英語のユーザー数をしのぐほど中国語ユーザーを集めることとなったようだ。

中国ではこれまでスマートフォン向けの基本プレイ無料ゲームが中心に人気を博している傾向もみられた(関連記事)。『黒神話:悟空』の開発元Game Scienceも、本作を手がける前にはPC/モバイル向けの基本プレイ無料ゲーム『Art of War: Red Tides』などを手がけていたスタジオだ。『黒神話:悟空』は同スタジオ初の大規模開発級作品ながらも大きな人気を獲得し、8月のSteam上の中国語ユーザー数を底上げする結果となったようだ。なお同じく中国のスタジオS-GAMEが開発中のカンフーパンク・アクション『Phantom Blade Zero』なども注目を集めており、Steam向けにも発売予定。長らく英語ユーザーが筆頭となっていたSteamの地域別ユーザー数は、今後も大きな変動を見せるかもしれない。