Steamで今年一番稼いだ国はスウェーデンとの分析。『R.E.P.O.』『バトルフィールド6』『ARC Raiders』など大豊作

Steamにおける2025年の総収益を国別で見た場合、スウェーデンがトップであると推計されている。

ゲームの市場データ分析会社のAlinea Analyticsは12月23日、2025年のゲーム市場についての分析データを発表した。その中では、Steamにおける2025年の総収益を国別で見た場合、スウェーデンがトップであると推計されている。

Alinea Analyticsの報告によると、スウェーデン発のゲームによる収益はSteamの総収益のうちおよそ20%を占めているという。そしてそのうちの過半数を占める、全体の16%が首都のストックホルムで開発されたゲームの収益とされている。

ストックホルムにはゲーム開発スタジオが数多く存在している。『Battlefield』シリーズを手がけるBattlefield Studiosの中核スタジオDICEもその一つだ。同スタジオは2025年10月10日に『Battlefield 6』を発売。また、元DICE社員を中心に立ち上げられたEmbark Studiosも同じくストックホルムに居を構えており、同スタジオも10月30日に『ARC Raiders』を発売している。そのほか、『スプリット・フィクション』を手がけたHazelight Studiosや、『PEAK』を手がけたTeam PEAKも同じくストックホルムのデベロッパーだという。これらストックホルム発のタイトルを見ただけでも、2025年における成功に思わず納得してしまうような顔ぶれだ。

なおストックホルムに隣接するウプサラ県では、semiworkが手がけた『R.E.P.O.』が開発されている。『R.E.P.O.』は今年2月に早期アクセス配信されたタイトルで、2025年を代表するヒット作。Alinea Analyticsの推計では累計販売本数が1920万本と見積もられており、主要プラットフォームをあわせたランキングで3位となっている。そして同作だけで、Steamの今年の総収益の実に3%を占めているという。ほかにも、協力ゲーム『RV There Yet?』はスウェーデンのシェブデ発タイトル。前述した『PEAK』を含め、スウェーデンはインディーゲームでも大きな成功を収めていることがわかる。

『R.E.P.O.』

ただ、業界におけるスウェーデンの隆盛は今に始まったことではない。スウェーデンのゲーム業界団体であるDataspelsbranschenが今年11月に発表したレポートによると、同国のゲーム開発企業数は2005年から2024年で71社から1101社に増加。そして収益は5億4000万スウェーデンクローナから約370億スウェーデンクローナに拡大しているという。2010年まで収益はほぼ横ばいで推移してきたが、2011年の『マインクラフト』や2012年の『キャンディークラッシュ』のリリース後から急発展を遂げ、右肩上がりの成長を続けている状況のようだ。今年のSteamでの収益においてスウェーデンがトップに輝いたことは、十数年をかけて着実にゲーム分野での力を高めてきた同国が、業界で不動の地位を築く国の一つになったことを示す出来事といえるかもしれない。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Hiroyuki Furukawa
Hiroyuki Furukawa
記事本文: 1