Steamの成人向けゲーム、「近親相姦もの」「催眠もの」などの削除相次ぐ。「配信すべきではないコンテンツ」の取り締まり強化を受けてか
Steamにて、多数の成人向けゲームが削除されているようだ。

開発者向けガイドラインであるSteamworksドキュメンテーションにて、「Steamで公開すべきではないもの」に新たな例が記載された。今後はSteamにおける決済代行業者および関連するカード会社・銀行などが定める規則や基準に抵触する可能性のあるコンテンツも、取り締まりの対象になりうるという。これに伴ってか、非公式データベースSteamDBでは多数の成人向けゲームがSteamストアから削除されていることが確認できる。
Steamworksドキュメンテーションにおいては、「登録作業」の項目でSteamでコンテンツを配信する際のフローなどが紹介されている。配信できるコンテンツのガイドラインも定められており、「Steamで公開すべきではないもの」の参考として、マルウェアやウイルス、実在する人物のヌードや露骨な性的画像、子どもを不当に扱う一切のコンテンツなどが例示されている。Steamにて作品を配信する際の、審査基準の目安として記載されているのだろう。

そして今回、「Steamで公開すべきではないもの」に新たに15番目の項目が追加。Steamにおける決済代行業者および関連するクレジットカード会社・銀行、インターネットプロバイダーが定める規則や基準に違反する可能性のあるコンテンツが、新たに公開すべきではないコンテンツとして示された。このなかでは特に、特定の種類の成人向けコンテンツが対象となりうることが例示されている(関連記事)。
そうした中で、すでにSteam上で配信されていた成人向けコンテンツが一部削除されていることが見受けられる。SteamDBにて本稿執筆時点で確認できる、7月17日未明より削除された成人向け(アダルトオンリー)だったとみられるタイトルは以下のとおり(DLC等を除く):
『Sex Adventures – Naughty Sisters』
『MAGICAL ANGEL FAIRY PRINCESS』
『Lusty Mother』
『Family Secrets: Mommy』
『Nympho wife』
『Paze Knight Ellen and the Dungeon town Sodom』
『Succubus in Wonderland』
『LONGING RING OF ESCA』
『Prison Break Princess』
『Tutor X Hypnosis 2』
『Sister X Slaves』
『Sisters hypnosis sex2』
『Cuckold Princess』
『Scream』
『Sisters Z Hypnosis』
『Sex-Loving Family』
『PARADISE CLEANING – ヴァリアントヴァース -』
『Sisters hypnosis sex2』
『Fallen Princess Knight』
『Brainwashing with Tentacles R』
『Heavenly Badonkers Angel Bitches』
『Alchemy Workshop of Semen Collector “Iris” ~The Eccentric Adventures of an Alchemist, a Hero, a Dragon Knight, and a Goddess』
『Black Office – Entertainment Department』
『Ruled by Rule』
『SusRutial』
『Escape from the Village of Lustful Rituals』
『Guilty Hell: White Goddess and the City of Zombies』
実に27作品が突如として削除された格好だ。SteamDB上で確認できる作品説明文を見るに、“母との恋愛”など近親相姦をテーマとする作品のほか、敵に敗北すると強姦・凌辱されるといった要素を含むというゲームも見られる。また女性を“催眠”状態にするといったゲームも削除されているようだ。これまでは成人ユーザーのみが閲覧・購入できる成人向け(アダルトオンリー)のカテゴリーで配信が続けられていたものの、先述した新たな規定により「決済代行業者・クレジットカード会社などが定める規則や基準に違反する可能性がある」とみなされ、削除に至った可能性がある。

ちなみに削除された作品のSteamDB上のMetadataを見ると、「app_retired_publisher_request」に該当することが記載されているゲームもある。パブリッシャー(販売者)側の要請で販売が停止された際の分類とみられ、あるいはValveから前もって販売者に要素の変更などが要請されたうえで、変更されないまま削除に至った可能性もあるかもしれない。ただValveはガイドラインの改定について本稿執筆時点で特に公式Xアカウントやニュースなどで告知をおこなっておらず、削除された作品もどのような経緯で削除に至ったのかは不明だ。新規定により発売済みのタイトルにも影響が及んでいることがうかがえ、今後の動向も注視される。