Steamにて「ちゃんとしたまじめなレビューを優先表示する」新機能、テスト実装開始。ジョークや悪ノリではない“参考になるレビュー”をすぐ読めるように


Valveは8月15日、Steamにてユーザーレビューに「新しい有用性システム」をテスト実装したと発表した。テスト実装開始によりデフォルトでオンになっており、ユーザーレビュー上部のメニューから切り替え可能。

今回Steamにテスト実装された「新しい有用性システム」は、ストアページにおけるユーザーレビューの表示順を変更できる機能だ。一言だけのレビューやアスキーアートだけのレビューなど、笑わせるためのミームやジョークが中心のレビューがほかのレビューの下の方に表示されるようになる。非表示になるわけではなく、あくまで表示順を変更する機能となっている。レビュースコアの生成方法にも影響しないそうだ。

「新しい有用性システム」はテスト実装開始によりデフォルトでオンになっており、ユーザーレビュー上部のメニューの「表示」のドロップダウンから切り替え可能。「新しい有用性システムを使用します」のチェックマークを外せば、オフにすることができる。


Valveは同システムの導入の背景として、Steamユーザーレビューの主な目的はユーザーが購入を検討しているゲームについて、他のプレイヤーが好む、または好まないゲームの特徴を理解し、十分な情報に基づいて購入の意思決定を行えるようにすることにあると説明。これまでは、各レビューの「参考になりましたか?」という質問に「はい」と投票された数によって表示順が決まっていたという。

一方でジョークやミーム、アスキーアートといった“あまり参考にならないレビュー”も投じられており、ユーザーに投票されて上部に表示されうる状況もあったようだ。Valveはそうした状況を、既存プレイヤーにとっては非常に楽しい一方で、新規プレイヤーが購入を決定する際に必ずしも参考になるとは限らないと判断したとのこと。「新しい有用性システム」の導入に至ったそうだ。

レビューの分類作業については、ユーザーによる報告や、Steamモデレーションチームによる多数のレビューの精査、人間が下す判断を調整する機械学習アルゴリズムなど、さまざまな手法を組み合わせて行われているという。“参考にならないレビュー”の特定は現在進行中の作業であり、チームが既存のレビューと新たに投稿されたレビューを評価するには、かなりの時間がかかる可能性があるとのこと。「新しい有用性システム」がまずはテスト実装として導入されたのもこのためだろう。ちなみにSteamにてこれまで投稿されたユーザーレビューの総数は1億4000万件以上とのこと。評価が完了するまでにはたしかに時間がかかることもうかがえる。

なおValveは、参考にならないと判定されたレビューが削除されない理由についても明かしている。Valve側は、ゲームについての意見を表明したいと思っている多くのプレイヤーが、必ずしも自分のゲーム体験をうまく言葉で表現できるとは限らず、またそもそも書くことにあまり興味がない場合もあると考えているそうだ。そうしたプレイヤーがそのゲームをおすすめするかどうかを表明したということは、たとえその理由が明確ではなくても、貴重なデータであることには変わりないと判断。そのため削除ではなく、下の方に表示するという対応がとられたようだ。

「新しい有用性システム」は現在Steamにてテスト実装中。デフォルトでオンになっており、ユーザーレビュー上部のメニューの「表示」のドロップダウンから切り替え可能だ。 “ジョークやミーム、アスキーアート”といったユーザーレビューを見たい場合も、本機能をオフにするかユーザーレビューの下の方を見れば、今までどおりコミュニティの賑わいを楽しめるだろう。