Valveは8月14日、Steamストアページにおける新たなルールの導入を9月上旬に行うと発表した。この変更では、ストアページ内における、画像へのリンク埋め込みや他Steamストアページなどのリンク誘導などを含んだ、すべての外部リンクの掲載を原則として禁止するものになる。
Valveによると、ストアページの主な目的は、開発者がゲームに関する情報を提供し、プレイヤーが十分な知識をもとに購入を決定できるようにすることだという。しかし一部の開発者が、ゲーム自体について伝えるという目的から離れた情報やリンクを表示するためにストアページを使用しており、プレイヤーがそのゲームの情報を得る際の妨げになっている状況にあるという。
そのため9月上旬からは、ストアページの文字による説明に記載できる内容とできない内容についての新たなルールが施行される。これについてValveは、開発者にとってはストアページの更新に時間がかかる場合もあることは承知しているとして、ルールの施行前にページのコンテンツを調整する時間が取れるようあらかじめ今回の変更の概要を伝えるとしている。
今回の新ルールで影響を受けるのはストアページにおける「このゲームについて」「短い説明」「特別なお知らせ」「受賞リスト」の4つのセクション。これらのセクションには、次の新しい制限が設けられる。
まず、他のWebサイトへのリンクを記載することは原則禁止される。ソーシャルメディアのページを含め、ストアページに用意されている特定のリンクフィールド以外では他のWebサイトへのリンクを記載することはできなくなる。
次に、ストアページ内にSteamストアのUIやボタンを模した画像の埋め込みは禁止される。これはSteam 内のUIのウィッシュリストボタンや価格表示などに似せた画像やアニメーションについても同様となる。
そして最後に、Steam上の他のゲームを示した画像、リンク、ウィジェットは禁止される。これによりストアページの説明を使用してSteam上の他のゲームに関する宣伝を行うことができなくなるという。もし関連製品がある場合は、バンドル、シリーズ、または開発者ホームページの欄に設定をする必要があるとのこと。9月上旬には、ゲームの説明やその他のテキストセクションにURLが含まれている場合、自動的に非表示になるアップデートが実施されるという。
今回の新ルールについては、近年における一部のゲームが、他作品のストアページで目立つように掲載される傾向は好ましくないとするValveの認識があるようだ。Steamではゲームのストアページが他のゲームの広告に使われるケースが増えてきており、同じ開発者やパブリッシャーの過去作品や関連作品がストアページ内でリンクされ宣伝されるケースがある。そういったゲームのストアページでは、ゲームの説明自体を読む前に、ユーザーは他のゲームのリンクをいくつも目にすることになり、混乱しうる状況といえる。この状況を是正するべく、今回の新ルールが施行されるということのようだ。
ただしValveによると、その例外としてSteamでゲームの「プロローグ版」として無料ゲームとしてリリースすることについては問題ないとの認識を改めて述べている。Steamでは体験版やデモ版にあたる位置づけの「プロローグ版」を、別のストアページにてスタンドアロンの無料ゲームとしてリリースする例がみられる。しかしプレイヤーに無料ゲームかプロローグ版か見分けがつきにくいといった混乱を招く可能性も考えられ、開発者にとっても2つ目のストアページのために不要な料金の支払が発生している状況であった。 このような状況の改善のために、7月には体験版専用のストアページを作成可能にしたという(関連記事)。“混乱しにくいストアページ”の確立に向けて、さまざまな施策がおこなわれているかたちだ。
なお、先述した通りストアページの説明文に既に含まれているリンクについては9月以降、自動的に非表示になるという。これらのリンクがテキストや画像に挟まれている場合でも、[url] ブロック内のコンテンツがすべて非表示になるとのことだ。9月以降に制作している他のゲームの宣伝などをおこないたい場合、ValveはSteamバンドルの利用、シリーズページやパブリッシャーページのセットアップをすることを推奨している。詳細は公式ブログを確認してほしい。