デベロッパーのGSC Game Worldは11月9日、オープンワールドサバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』の開発完了を報告した。長年にわたる開発の紆余曲折や、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などに見舞われた末の完成となる。本作は11月21日、PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに発売予定(日本国内展開はセガが担当)。Xbox Game Pass向けにも提供される。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』は、サバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作だ。主な舞台となるのは、チョルノービリおよびその周辺の立入禁止区域「ゾーン(The Zone)」だ。プレイヤーはストーカー(S.T.A.L.K.E.R.)と呼ばれる、一攫千金を狙う者たちのひとりとなって、貴重なアーティファクトなどを求め危険地帯に飛び込んでいく。プレイヤーは凶暴なミュータントや「アノーマリー」と呼ばれる存在などのほか、武装した派閥間の争いも切り抜けつつ、広大なオープンワールドを探索していくのだ。
このたび、本作開発元のGSC Game Worldより本作の製品版が完成し、開発完了(Gone Gold)したことが報告された。長い道のりの末の発売となる。というのも、本タイトル自体は14年前の2010年ごろには、旧・GSC Game Worldにより発表されていた。しかし、その後GSC Game Worldは閉鎖され、旧版『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発は中止となった。
その後、独立した元GSC Game Worldの開発者らにより『Areal』『Survarium』といった“ポスト『S.T.A.L.K.E.R.』”プロジェクトが展開されるも、いずれもプロジェクト頓挫や評価低迷などに見舞われた。しかし、2014年にはGSC Game Worldが正式に復活。2018年には『S.T.A.L.K.E.R. 2』がふたたび発表されるに至った。
しかし、本作について開発元はふたたび沈黙。2021年には続報が発表されるも、前述のような背景や発売延期を受けて、ファンからは開発状況が案じられていた。さらには、2022年2月24日には、同スタジオが拠点を置くウクライナに対してロシアが侵攻を開始。戦火を逃れるため、開発が一時中断されるに至った。
本作開発の行く末が心配されるなか、GSC Game Worldは開発再開を宣言。ロシア軍の攻撃だけでなく、同国を起源とすると見られるサイバー攻撃や脅迫行為を報告しつつも、粘り強く開発を続行した(関連記事)。リリース日についても複数回延期されたものの、「最終的な発売日」として2024年11月21日(海外では20日)に目標が定められた。そして今回、長き開発を経て本作が本当に「完成」し、無事発売される見込みとなったことが宣言されたわけだ。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』完成と発売は、こうした道のりを共に歩んだファンにとっても感慨深いことだろう。今回公開された「Gone Gold」トレイラーには、そうした思いの丈を綴るコメントが多数寄せられている。なお、弊誌では本作開発陣インタビューも掲載している、本作にかける意気込みや内容など、気になる方はチェックしてみてほしい(インタビュー記事)。
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに、11月21日発売予定(日本国内展開はセガが担当)。Xbox Game Pass向けにも提供される。