“一人二役”FPS『Spectre Divide』すぐさま大盛況も、評価は「賛否両論」の幕開け。しかしスキン値下げ&サーバーメンテで素早く対応進む


デベロッパーのMountaintop Studiosは9月4日、『Spectre Divide』をPC(Steam)向けにリリースした。本作はさっそく盛況となっているが、課題も抱えたスタートとなったようだ。

『Spectre Divide』は3対3のタクティカルFPS。『Counter-Strike 2』や『VALORANT』と同様の、いわゆる「爆破系FPS」だ。なおゲーム内は日本語に対応している。本作では、攻撃側と防衛側にわかれ、爆弾の設置や爆破、解除を巡った攻防を繰り広げることとなる。試合は攻守を入れ替えつつラウンドが繰り返され、既定のラウンドを取得することで勝利となる。

そして本作の最大の特徴は「Duality」と呼ばれるアイテムだ。プレイヤーはDualityを投げ、任意の場所に設置することが可能。アイテムを発動すると、先ほどDualityを投げた位置にふたつめの身体である「Spectre」を召喚することが可能。つまり3対3であるにもかかわらず、実質的には6対6のように戦うこととなる。この入れ替わりを活かしつつ、勝利を目指すのだ。


そんな本作はリリース後さっそく盛り上がりを見せた。SteamDBによれば、リリース直後にはピーク時で3万971人を記録。本稿執筆時点でも、ピーク時で2万5000人以上を記録するなど、大いに人が集まっている。

しかしながら、評価の方は振るわない状況だ。Steamユーザーレビューにおいては、本稿執筆時点で約4100件中51%の好評率で「賛否両論」ステータスにとどまっている。Spectreを使った戦略性の高いゲームプレイや、対戦シューティングゲームとしてのバランスの良さは好評であるものの、いくつかの点が不評を集めているようだ。


具体的には、マッチングについて不満が寄せられている。先述のようにプレイヤー数は多いとみられるにも関わらず、マッチにつきしばらく待たせられるというレビューが見られる。サーバーの問題もあり、一時は10分以上待たされたり、そもそもゲームにアクセスできなかったりといった症状も報告されていた。

ほかにもさまざまなスキンの価格が「高すぎる」との批判も見られた。たとえば4種の武器スキンなどを収めた「クライオキネシス・バンドル」はゲーム内通貨SPを9800必要とする。またハンドガンのスキン「エターナルウォリアーダスターRX6」は1200SPが必要だ。SPの購入にあたっては、1000SPあたり税込1200円ほどがかかるため、SPの1.2倍程度の値段となる。なおこうしたゲーム内スキンは、『VALORANT』などでも同等の価格で販売されることもあるため、一概に本作のみが目立って高額とも言い切れないだろう。とはいえスキン価格に対して高額だと感じたユーザーが、不評のレビューを投じていたかたちだ。


一方でさっそくそうした課題への対応もおこなわれており、接続の問題については、サーバー停止メンテナンスを経て復旧したと公式アカウントから発表されている。また直近のレビューにおいても、長くとも3分ほどでマッチングするようになり、改善したとの報告もあがっており、一定の改善がみられるようだ。

このほかスキン価格に関する指摘については、9月4日に本作公式よりストアの値下げがおこなわれることが発表された。公式は当初の価格設定について、本作が基本プレイ無料であること、プレイヤーの90%以上が「無課金ユーザー」として見込まれることから、サーバー改善などの運営に費やす資金のマネタイズ手段としての設定であったと意図を説明した。

とはいえ、価格が高すぎるとの多数のフィードバックがあったことを受け、値下げに踏み切ったかたちだ。なお値下げ率は、スキンによって差はあるものの、17%から25%となる。また値下げ前に購入したプレイヤーには、購入価格の30%のSPが払い戻される、とされている。具体的な値下げ幅などの詳細は、公式サイト(英語)を確認されたい。


3万人を超す盛況を記録しつつも、多くのプレイヤーから課題点などが指摘され、賛否両論スタートとなった『Spectre Divide』。とはいえユーザーのフィードバックはすぐに反映され、接続の問題や価格改定などの対応の早さもうかがえる。入れ替わりを活かした戦略的なゲームプレイは高く評価され、順風満帆とはいえないスタートながら素早い対応もおこなわれており、今後の賑わいも期待されるところだろう。

『Spectre Divide』はPC(Steam)向けに基本プレイ無料で配信中だ。