大人気パワーアーマーTPS『Space Marine 2』、アプデで強敵を増やしたら難しくなりすぎたとしてやっぱり減らす。統計データよりも“楽しさ”重視に


Saber Interactiveは10月24日、『Warhammer 40,000: Space Marine 2』(以下、Space Marine 2)に向けてパッチ4.1をリリースした。公式パッチノート解説によると、本パッチでは前回のパッチで「難易度が高くなりすぎてしまっていた」問題に対処しているという。

『Space Marine 2』は、9月9日にリリースされた三人称アクションシューター。Games Workshop社が展開するミニチュアウォーシミュレーション『Warhammer 40,000』を題材としている。舞台となるのは、宇宙進出を果たした人類がエイリアンや混沌の異次元から現れる悪魔などとの苛烈な生存競争を強いられる遠い未来。プレイヤーはパワーアーマーに身を包んだ人類のエリート戦士「スペースマリーン」として人類の帝国を守るための戦いに身を投じていくことになる。


本作に向けては10月17日にパッチ4.0が配信開始。同パッチにおいては、9月26日に配信されたパッチ3.0後にPvEモードのクリア率が高く必要以上に簡単になっていたと報告。これを受けた調整として、パッチ4.0ではすべての難易度でエクストレミスと呼ばれる中ボス格の敵の出現率が上昇することになった。エクストレミスに属する敵キャラクターには、ほかの敵キャラを召喚するものや回避とパリィによって隙を作りださなければならないものなど倒すのに時間がかかるものが多く、パッチ4.0以降のPvEモードにはユーザーから批判の声が寄せられていた。

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byu/CrimsonAlpine from discussion
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*「ほとんど不死身の少数の敵とやりあうよりも、大群に対処する方が好みだ(I rather deal with more hordes than having to deal with a handful of enemies that basically refuses to die.)」とパッチ4.0不満を示す意見には多くの支持(Upvote)が集まっている

これを受けて、パッチ4.1ではさっそくエクストレミスの出現率がパッチ4.0以前の状態まで巻き戻された。「『Space Marine 2』とは“パワーファンタジー”がすべて(Space Marine 2 is all about the power fantasy)」とするコンセプトに立ち返り、クリア率などの数字を重視するのではなくプレイヤーがどう感じるかに重きを置いた調整を行ったと説明されている。また本作のディレクターであるDmitriy Grigorenko氏は公式パッチノート解説のなかで「一度ゲームがリリースされたらそれはもうデベロッパーのものではなく、なによりもまずユーザーのものなのだということを忘れていた。( I forgot that  once the game comes out, it’s no longer a dev’s game. It’s yours first and foremost.)」ともコメント。開発方針が早急に見直された格好だ。


なおユーザーの声を受けてバランス調整の方針ごと見直された例としては、『HELLDIVERS 2』が記憶に新しい。同作では当初ゲームバランスにも比重を置いた調整が実施されてきたものの、“強力な武装が次から次に弱体化を受ける”といった点にプレイヤーの不満が噴出。開発元であるArrowhead Game Studios側は「バランスだけを重視しすぎていた」として、プレイヤーがもっと楽しめる遊び心にあふれたバランスを目指すと表明し、約2か月間にわたって調整が実施された。調整を反映するアップデート後にはプレイヤー数が大きな増加を見せるなど、方針転換が功を奏している様子もみられる(関連記事1関連記事2)。

『Space Marine 2』と『HELLDIVERS 2』ではゲームプレイに違いはあるものの、多くの敵を相手にするPvEゲームとして共通点はあるかもしれない。『HELLDIVERS 2』が先例として参考にされたかどうかは定かではないものの、『Space Marine 2』は発売後早々にユーザーの意見を反映する調整方針がとられた格好だ。ユーザーの意見を広く受け入れた今回のアップデートはさっそく好意的に受け止められているようだ。

『Warhammer 40,000: Space Marine 2』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。