ソニーが「匂い生成」技術など盛り込んだゲーム技術コンセプト動画を公開。『The Last of Us』のクリッカーが襲い来る没入型アトラクション
ソニーグループは1月7日、テクノロジー見本市CES 2025にて技術コンセプト動画「イマーシブエンタテイメント体験の未来コンセプト」を公開。体感音響、振動技術、匂い生成等の最新技術が組み合わさっているという実証実験展示の模様が紹介されており、注目を集めている。
動画における実証実験展示では内部がCrystal LEDパネルで覆われた部屋が用意され、そこにゲーム画面が映し出され、プレイできるアトラクションが構築されたそうだ。『The Last of Us』をもとにしたゲームがデモとして使用されている。
動画を見ると、参加者が手にした懐中電灯を模したデバイスの動きにあわせて、ゲーム画面で光が動く様子を確認可能。また銃のようなデバイスを用いる様子も確認でき、撃ったりポンプアクションで排莢したりすることができるようだ。まるでゲーム内に入り込んで遊ぶような体験ができるとみられる。
さらに実証実験展示は体感音響、振動技術(ハプティクス)、匂い生成等の最新技術が組み合わさって構築されているとのこと。電車の車両が落下するのにあわせて、部屋の足場が大きく揺れるシーンも確認できる(映像の58秒ごろ)。匂い生成については詳細は不明ながら、部屋の中にシーンに応じた匂い成分が放出されているのかもしれない。
没入感の高そうなアトラクションの実証実験の紹介は、ユーザーからも大きな注目を集めているようだ。特に匂い生成技術については、ゲーム内世界の想像もつかない匂いを嗅げる可能性が示されたことからか話題を呼んでいる。今回のゲーム中には『The Last of Us』と同じく菌類に寄生されたゾンビのようなクリーチャー「クリッカー」が登場しており、そうした匂いも再現されていた可能性はゼロではないだろう。
ちなみに過去には、あるデバイスメーカーから匂い成分を自動で放出するゲーミングデバイスが発売され注目を集めたことがある(関連記事)。とはいえゲーム分野の技術・製品としてはまだ実験的な段階といえそうで、今回ソニーが本格的に匂い生成を手がけているとみられる点は注目されている様子だ。
いずれにせよ、あくまで技術コンセプト動画ながら、プレイアブルな実証実験がおこなわれた点は注目されるところ。紹介されたような技術が活用され、アトラクションとしてユーザーが遊べる日はそう遠くないかもしれない。